■白い旅 / 浅丘ルリ子 with 真木悠子 (フィリップス)
既に「語り入り」歌謡曲としては名作認定されているのが、本日掲載のシングル盤A面曲「白い旅」です。
なにしろ浅丘ルリ子のアンニュイな語りと素敵なコラボを演じているのが、真木悠子のスキャットで、しかもメロディ&リズムが儚いボサロックであれば、一度聴いた瞬間に中毒症状は決定的!
実はこれ、昭和51(1976)年に読売テレビ系列で放送されたドラマ「新車の中の女」の主題歌として、作詞:青山透&作編曲:坂田晃一によって書かれた匠の名曲なんですが、やはり浅丘ルリ子という女優が語ってこその仕上がりは絶対でしょう。
もはやサイケおやじが稚拙な筆を弄するまでもないんですが、それでもこのブツが懐に入るまでには、中古屋での良い出会いが無かった事もあり、発売から二十数年の歳月を要しました。
つまり、それだけ思い入れと結びつきが強い1枚というわけです。
ちなみにドラマ本篇はフレンチミステリの傑作として、セバスチャン・ジャプリゾが1966年に発表した同名小説を翻案したものだそうですが、残念ながらサイケおやじは一度も観たことがありません。
しかし件の小説はもちろん、一時はジャプリゾ中毒患者であった前科がありますからねぇ~、それをリアルタイムで体験出来なかった無念も踏まえて、この主題歌「白い旅」を後追いで聴いた時の、ちょっと内気な片思いみたいな感情は打ち消せません。
ということボサノバ=夏のイメージとは裏腹に、この「白い旅」は冬なればこその魅力を内包しているあたり、歌謡曲の奥深さを感じたりしますよ。
機会があれば、皆様にもお楽しみ下さいませ。