■砂の女 / 水村なこ (ミノルフォン)
ついにというか、やっぱりと呆れるか、とにかく諸々世間を騒がせた例の東京五輪エンブレム問題は、作者(?)の意向もあったとかで、使用中止だとかっ!?!
うむ、やはりパクリという指摘からは逃げようがなかったんでしょうかねぇ~~~。
デザイナー氏本人は頑なに否定していますが、結果的に盗用はそれだけじゃ~なかったという状況は証拠して認められたような雰囲気が濃厚では……。
しかし、そんなパクリは何もデザインの世界だけじゃ~ない事は世間の常識でもあるんですよねぇ~、説明不要とは思いますが。
例えば音楽や文学、映画や演劇等々のあれやこれやの中には、再検証するまでもなく、それが横行している現実は、見て見ないフリってやつでしょうか。極言すれば流行を追及する業界であれば、「後追い」という大義名分以上の「当たり前な感性」が罷り通っているわけで、しかし、だからと云って居直っているわけではないところに、この世の機微があるんじゃ~ないでしょうか。
所謂「二番煎じ」と「盗作」は別物という分別さえあるのですから!?
さて、そこで本日ご紹介したいのが、掲載したシングル盤A面曲「砂の女」で、ジャケ写だけ見れば、なんとなく演歌系歌謡曲? と思いきや、中身は立派なファンキーソウル歌謡の一級品で、しかもその真相が発売された昭和47(1972)年当時の洋楽ヒット最前線であったレア・アースの「Get Ready」を焼き直しという実態は、ど~聴いても否定は困難です。
ところが有馬美恵子の作詞はともかくも、作曲:松尾安巳&編曲:馬飼野康二という堂々のクレジットは、これ如何に!?
完全に狙っていたという誹りは免れないはずなんですが、それでもサイケおやじは、何の素性も知らぬ水村なこが歌ってくれるこの「砂の女」が大好きで、それは彼女が正統的な演歌のコブシを活かしたグルーヴィな節回しを聞かせてくれるからなんですねぇ~~♪
もちろんメロディ担当の前述コンビが、そこを計算していたことは推察に易いはずです。
つまり本家元ネタよりも、素敵なものを作ろうという意思が感じられるところに「笑って許せる感」があるというのがサイケおやじの揺るがぬ立場です。
逆に言えば、今回の騒動を引き起こしたデザイナー氏に、それがあったのか?
失礼ながら、そういう疑問疑念を払拭出来ないところに、弱みがあるように思うのです。
もちろん、この世に完全なるオリジナルなんてものは極端に少ないという事実は、間違いのないところです。様々な積み重ねがあってこそ、想像力は膨らみ、進化して、新しい文化を生み育てていくことを思えば、何らかの尊崇の念や愛情がそこになければ、共感賛同は得られないという事かもしれません。
そんなこんなを思いつつ、今朝はあらためて水村なこの「砂の女」に針を落としてしまいましたが、あぁ~~、やっぱり最高だなぁ~~♪
機会があれば、皆様にも、ぜひお楽しみいただきたいですよ。
最後になりましたが、再びエンブレムの公募があるという発表の中、おそらくは新採用の作品がまたまた疑惑を抱かれるんじゃ~なかろうか……?
今日のネット社会じゃ~、「重箱の隅」なんか簡単に幾らでも突けますからねぇ~。
そこでサイケおやじとしては、昭和39(1964)年の前回大会のデザインをもう一度使うのが最良! なんたって、あれほどのシンプルな説得力は史上最強と思っているのでした。