■Teach Your Children / Crosby, Stills, Nash & Young (Atlantic/ 日本グラモフォン)
2日連続で日本人がノーベル賞に輝いた事は本当に素晴らしいと思います。
それは受賞者各々の学識の深さ、研究に対する真摯な姿勢と柔軟な思考、さらには学問研究以外のところでも奥行きを感じさせる人間的な魅力等々、それはここで書き足りる事は決してありませんが、もうひとつ、絶対に忽せに出来ないのが成功へと辿り着くまでの「教育」の力であり、それこそが我が国の大きな底力と思います。
ただし、サイケおやじが近年感じているのは、どうにも自分は真っ当な教えを受けていなかったんじゃ~なかろうか?
という責任転嫁的な気持ちであり、広く考えれば、日本の義務教育は、もっと社会の仕組みをきっちり教えるべきじゃ~ないか?
と思っているんですよ。
それは例えば「納税」に対する仕組みと義務、「年金」や「社会保障」の仕組み、「裁判制度」の段取りから「法治国家」としての在り方等々、世間の中で本当に生きていくのに必要な最小限度の決まり事を、しっかりと子供時代から教えておかなければならないんじゃ~ないでしょうか。
もちろん、ここでの「最小限度」という言葉は勘違いかもしれませんが、それでも人は何とか税金を払わない工面に知恵を働かせ、何とかして法律の抜け道を模索しているのが現実でしょう。
しかし社会保障の進んだ北欧あたりでは、「脱税」はもちろん、「税金の滞納」、あるいは「公共料金の滞納」でさえも、「殺人」と同等の重罪であることをきっちり子供時代から教えていますし、未払いの税金に対する取り立てだって、嘘偽りなく、鬼の様だと言われています。
平たく言えば、国家という概念の中で暮らしている以上、税金を払わないなんてことは非常に恥ずかしい事であり、そういう者には刑法でも、また社会的にも、厳しい制裁があるわけです。
したがって、それを司っている政治家や役人達が、もしも出鱈目な税金の使い方をやっていようものなら、とんでもない仕打ちがあるというのも、また事実のようです。
それと所謂社会的弱者と分類される人達は、「年金」や「社会保障」そのものの仕組みを知らない場合が極めて多いわけで、極端に言えば、年金の掛け金払い込みを全くやっていない人だって、決して少なく無いというのが、現在の日本の実情でしょう。
そして同様に「裁判制度」のあれこれ、例えば何かの事件に関連したとして逮捕~起訴されるまでの道筋というか、警察による「任意」という言葉の意味さえも理解していない容疑者が多いそうですし、「起訴」という言葉についても???
なぁ~んていう現実は否定出来ないと言われているんですから、冤罪も無くならないわけです。
ちなみに時々話題になる「再審請求」についても、それが行われるのは「無罪」という決定が先にあっての事で、つまりは「冤罪」を作り出し、「誤審」をやらかした関係者が存命中の場合では、なかなか難しい問題のようです。
で、とにかくそういう諸々の仕組みを子供時代から教えておかないと、人生の「勝ち組」「負け組」がはっきりする要因は何時までも大きく在り続けると思うんですよ。
もちろん、人はダラダラしているよりは働いている場合に報われる確率が高いわけで、必ずしもそうで無くとも、何かしらの堅実性を目指す生き様は、それぞれに必要ですよねぇ~。
ということで、本日は当て所ない話になってしまいましたが、それにコジツれば、ご紹介は掲載シングル盤A面曲、説明不要のCSN&Yが1970年に出した「Teach Your Children」しかありません♪♪~♪
ご存じのとおり、グラハム・ナッシュが書いた和みの人気曲であり、その穏やかにして人懐っこいメロディとハーモニーの魅力は不滅と思うばかりですが、しかし一方、シンプルな英語で綴られた歌詞の中の多様な意味合いは、なかなか深い味わいがあるようです。
それでも、「人として生きていくには、ルールを身につけよう」とか、「夢は親から子供へ、また子供から大人へ」等々の忘れがちな常識を歌いながら、実は難儀な人生の有様を表現しようとしたような気がします。
うむ、お気楽に人生を過ごせれば、それはそれで素晴らしいわけですが、ほとんどが苦難と苦渋に満ちた場合が多いのは言うまでもありません。
そしてそういう時こそ、子供時代から培われた知識が人生の知恵として生かされるんだと思っています。
上はノーベル賞から下は キリが無いけれど、それなりに受け継ぎ、受け渡していく作業は素晴らしい!