■奇跡の歌 / 山本リンダ (キャニオン)
さて、この世はお金が全てではありませんが、やはりあった方が何かと便利なものがお金ですから、例えばノーベル賞に輝く学術研究だって、ジャンルによっては莫大な経費が必要な事は言うまでもありません。
今年、我が国で栄誉に輝いた物理学賞だって、あの巨大な観測施設を建設し、運営していくだけでも、相当なお金が必要な事は推察に易いはずです。
そしてそれが可能になっているのは、やはり国家予算が投じられているにちがいないわけで、だとすれば、あの高度過ぎて、一般には理解し難い素粒子理論をど~やって代議士の先生方やお役人連中に説明納得させたのか?
そのあたりを素朴以上の疑問に感じているサイケおやじです。
なにしろ研究一筋に生きている学者は、概して「口が上手くない」人がほとんどでしょう。
それはテレビのインタビュー等々でも明白な事実だと思うんですが、それでも何とか研究費を出してもらわなければ、それまでの苦労も成果も無駄になってしまう恐ろしさは当事者ならずとも気になるでしょう。
語弊がある事は重々承知で述べさせてもらえば、全く未知の領域に多額のお金を注ぎ込む事は大博打に等しく、しかしそこに賭けなければ新しいものが掴めない事もまた真実であれば、なかなかの度胸がありますよねぇ~~。
平たく言えば、学者には未来を信じさせ、その気にさせる語り口と研究姿勢が必要なのかもしれません。
そしてもしも、彼等が営業社員養成セミナーの講師として、そんなこんなのコツを伝授してくれるのならば、サイケおやじは喜んでお招きしたいという妄想さえも浮かんでしまうんですが、いかがなもんでしょう。
ということで、アホな戯言ついでに本日の1枚は山本リンダが昭和49(1974)年に出したシングル盤からA面曲「奇跡の歌」です。
何故って、とにかく冒頭からミステリアスなサウンドをバックに、
信じるうぅ~ 信じなぁ~い?
信じるうぅ~ 信じなぁ~い?
とリスナーを惑わせるリンダ節が囁かれれば、後は自ずと作詞:阿久悠&作編曲:都倉俊一の十八番の芸風が大爆発!
如何にも当時の山本リンダが舞い踊るに相応しい歌謡ディスコの快感音頭ってなもんでしょう。
ちなみにこの歌は日本ヘラルド配給のミュージカル「ジャックと豆の木」の挿入歌らしいんですが、サイケおやじはそれを観たことがないので、あくまでもレコードだけでの印象ですから勘違いもあろうかとは思いますが、こういうブッ飛びの楽曲をやれたのは当時の彼女の勢いがあればこそ!
こんなふうに歌われたら、ついつい予算を付けてしまう大臣が存在していたような気持ちにさせられるのでした。