OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

紫はロックの証ですから♪

2016-06-19 17:20:37 | 歌謡曲
むらさきの夜明け / 美空ひばり (日本コロムビア)
 
昭和元禄のエレキ~GSブームは、歌謡界正統派の女王だった美空ひばりをもそのジャンルに巻き込んだという点においても、空前にして絶後!
 
今となつては、そのあたりの衝撃は歴史の中の出来事でしかイメージされないお若い皆様も大勢いらっしゃるはずですが、実は十代のリアルタイムで接していたサイケおやじにしても、それほどの違和感は無かったというのが本音でありまして、つまりはそれだけ美空ひばりが演じたエレキ&GS歌謡にはナチュラルなグルーヴがあったという事でした。
 
もちろん、ここで述べた考察は独善的な思い込みに過ぎないわけで、あらためて論証するまでもなく、美空ひばりは真の天才歌手ですから、何を歌っても上手いのは当然が必然!
 
昭和43(1968)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「むらさきの夜明け」にしても、基本的には今日でも代表的なメガヒットのひとつに挙げられる「真っ赤な太陽」に続く路線の狙いも明確なんですが、ここに聴かれるロックグルーヴは、それをも上回るものかと思います。
 
とにかく津々美洋とオール・スターズ・ワゴンによるバンドサウンドの強さ、特にドラムスのドギツさは前述「真っ赤な太陽」のバックを演じていたブルー・コメッツのジャッキー吉川のスマートなノリとは異なる、バタバタしたノリがイナタイ!
 
ですから作詞:吉岡治&作曲:原信夫が提供のオリジナルをグッと色濃くした印象さえある森岡賢一郎のアレンジには、ストリングスの用い方が過剰という感じもしますが、それこそが逆にエレキバンドのサウンドを歌謡曲的に展開するには相応しいと思うばかりで、ますます美空ひばりの歌いっぷりがロックしているんじゃ~ないでしょうか。
 
同時期には例えば黛ジュン中村晃子、そして泉アキ等々、がっちりGSサウンドを歌える女性シンガーが大勢登場し、各々が充分に個性を発揮していましたが、この「むらさきの夜明け」は誰がカバーしても本家を凌ぐ事はもちろん、別な味わいで演じることさえも絶対に無理だと確信してしまうほどです。
 
ということで、本日はこれから仕事で旅に出ますので、明日の1枚は休載させていただきます。
 
あぁ、途上、紫の夜明けが見られるといいんですけどねぇ~~。
コメント (1)
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