OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

欲しかったんですよ、今になっての懺悔ですが

2016-06-29 18:01:46 | 歌謡曲
そばに来て、ここに来て / 竜エリザ (日本ビクター)
 
その昔、昭和40年代末頃から、殊更ジャズのレコード蒐集家の間でブームになっていたのが、所謂「幻の名盤」という存在でした。
 
もちろんこれは既に廃盤になっていながら、その内容の良さ、あるいは珍しさによって、マニア心が刺激されるという、些か欲望専心主義の流行だったんですが、それが何時しか洋楽や邦楽全般にまで領域を広げてしまい、それゆえに個人差があろうとも、悲喜こもごものあれやこれやは言わずもがなと思います。
 
例えば本日掲載したシングル盤は竜エリザが昭和51(1976)年に出した、おそらくは彼女のキャリアの中では2枚目のレコードかと思われますが、特に作詞:橋本淳&作曲:丹羽応樹、そして編曲:森岡賢一郎が提供したA面曲「そばに来て、ここに来て」が実に哀切感の滲む名曲にして名唱なもんですから、今となっては全く売れなかったのが不思議なほど!?
 
そして中古屋に出ようものなら、今も昔も瞬時に売れていたんじゃ~ないでしょうかねぇ~~。
 
とにかく楽曲云々の前に、彼女の声質と節回しには岩崎宏美っぽさが全開であり、いや、だとしても、これは完全に彼女の美しき個性と魅力♪♪~♪
 
極言すれば、「声」だけでリスナーを魅了してしまうのが竜エリザの真骨頂じゃ~ないかと思うほどです。
 
で、冒頭の話に戻りますが、サイケおやじがこのシングル盤をゲットしたのは当然ながら中古屋の店先であり、しかも同好の友人と一緒であったところから、このブツを間に挟んで信頼関係が悪くなったという、なかなかホロ苦い思い出が……。
 
実は告白すると、この竜エリザが歌う「そばに来て、ここに来て」をサイケおやじに最初に聞かせてくれたのは件の友人であり、それはレコードから針落としのカセットコピーだったものですから、常に猟盤の対象品目になっていたわけでして、本来であればサイケおやじが発見した段階で友人に譲るのが道義のはずが、結局は先に見つけたという大義名分を得て、欲望に走った自分が情けないというか、かなりの後悔モードは今も続いているんですよ。
 
そして皆様ご推察のとおり、少しずつ疎遠になったのは当然が必然、さっぱり音信不通になっての幾年月でした。
 
ところが昨夜、某所で偶然にも顔を合わせ、思えば昭和62(1987)年春以来の邂逅でしたから、サイケおやじは旧交を温めるというよりも、おっかなびっくり、あの竜エリザのブツは?
 
と尋ねてみるのが素直な本音でありました。
 
結論から言えば、サイケおやじが今、こ~して情けない告白を綴っているのですから、友人は今ではきっちり現物を所有しているとの事で、安心するよりは、ますます自らの過去の悪行に身も縮む思いとは、この心境と痛感です。
 
ということで、なによりも「人の道」とは知りつつも、「欲望の宿業」に負けてしまうサイケおやじの気持ちの弱さには、我ながら嫌悪することが度々です。
 
短いようでに長い人生も、これ以上晩節を汚さぬよう、精進を重ねたいと希望ばかりが先行しているのでした。
コメント (2)
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