■Mr.サマータイム / サーカス (アルファ)
すっかり雨の季節ですが、何処の国にも「雨の歌」があるように、それが「夏への扉」となるのであれば、なかなか素敵な歌が多いのも納得してしまうサイケおやじです。
と、実は大好きなロバート・ハインラインの同名SF小説みたいな書き出しになってしまいましたが、さて、そんな季節であればこそ、サーカスが昭和53(1978)年初夏~秋にかけて大ヒットさせた本日ご紹介のシングル盤A面曲「Mr.サマータイム」はジャストミート♪♪~♪
なにしろ男女2人ずつ、4人組のコーラスグループという形態は当時の我が国では珍しく、しかも洋楽に大きく傾いた歌唱スタイルがとてもオシャレだったんですねぇ~~♪
しかも楽曲そのものが、実は作詞がピエール・ドラノエ、そして作曲が沢チエの「恋のブガッティ」でお馴染みの(?)ミシェル・フーガンによるフレンチポップスであり、それを訳した竜真知子の日本語詞の中身が女性の不倫を強く思わせるというのであれば、そんな生臭みを露わにしないコーラスハーモニーを導くアレンジはジャズ&フュージョン畑の前田憲男が良い仕事です。
極言すれば、これはニューミュージック世代のムード歌謡コーラスであり、洋楽カバーのポップス歌謡でもあるわけで、だからこそ昭和歌謡曲の世界で大ヒットしたんだと思うわけですが、いかがなものでしょう。
ちなみに演じているサーカスは叶正子、叶高、叶央介という姉弟に従姉の卯月節子という所謂ファミリーグループというのも、なかなか素晴らしいコンビネーションの秘訣でありましょうか、しかしデビュー前後、そして現在に至るまで、何度かのメンバーチェンジがあって、その詳細をサイケおやじは把握していませんので、プロフィールのご紹介は、ここまででご容赦下さい。
それでもサーカスはヤマハ系の出身で、一応の前身は叶正子が参加していたピーマンだったという正体は有名だと思います。
また、この「Mr.サマータイム」は某化粧品メーカーのCMタイアップ曲であり、プロデュースしたのが元パイシスのポール岡田=長岡和彦というのも美しき流れ♪♪~♪
しかし、ここまで素敵なコーラスと楽曲を演じたサーカスのシングル盤ジャケ写が、いやはやなんとも、素っ頓狂なイメージだったのは、リアルタイムのサイケおやじにとっては衝撃でありましたよ。
ところが、これは当時のサーカスのライブギグに接してみれば、これまた納得するしかないというか、そのオシャレなイメージとは裏腹にオトボケなステージトークやコミックソング紛いの演目までもやっていたんですから、芸能というジャンルは奥が深いです。
もちろん、それはグループとしての実力が確かであった証明でもあるわけで、卯月節子が結婚するとかで抜けた頃からソロ活動も本格化させていくメンバー各々の個性でもあったように思います。
そして現在でもサーカスは異なる顔ぶれで存続しているのですから、妙に(?)気になりますねぇ~。
ということで、明日はちょっぴりヘヴィな仕事も待っていますが、これまた妙に心が軽いというのはサーカスの音源をあれやこれやと聴いているからかもしれません。
うむ、ニューミュージックも万病(?)に効くのかもしれません。