大好きな映画作家の松本俊夫の訃報に接しました。
故人は所謂前衛的な映像作品が有名ですが、サイケおやじとしては、それは決して難解な独り善がりじゃ~なくて、しっかりドキュメント手法というか、瞬間芸っぽいイメージ映像よりは、忠実度の高い映像表現があってこその幻想&サイケデリックな美学に拘っていたところが凄いと思っていました。
それは例によって大いなるサイケおやじの勘違いかもしれませんが、例えば映画ならば、昭和63(1988)年の「ドラグ・マグラ」を、ぜひともご覧いただきとうございます。
何故ならば、これは夢野久作の超推理小説にして幻想文学の大傑作とも云える「ドグラ・マグラ」を見事に映像化した作品であり、原作を読んだ皆様であればご理解いただけると思いますが、とにかくその内容を忠実に映像化する作業の困難さは、昔っから相当のインスピレーションが必要とされてきましたから、生半可なものを撮ったりしたら、B級ボンクラ映画にもなりゃ~しないところを、実に堂々と真っ向勝負で仕上げたその手腕は天才ですよっ!
詳しい内容については、リンクした拙文をご一読願いたいところですが、幸いなことに映画本篇もDVD化されておりますので、特にミステリが好きな皆様には、ぜひともご覧いただきとうございます。
もちろん、夢野久作の原作を読んでからであれば、松本俊夫監督の手腕の凄さが堪能出来ると思います。
そして故人は映画製作だけではなく、的確な評論活動にも定評がありましたので、その全てが集成されん事も願っております。
合掌。