■Before The Rain / Lee Oskar (LAX / Trio)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/be/542ec3965eaaad70c78e4522231d2745.jpg)
やっぱり……、台風で各地に甚大な被害と大勢の死傷者が出てしまいました。
そして現在も避難されている皆様、復旧に全力を傾注している皆様には、心からお見舞い申し上げます。
実は今日、友人宅が水に浸かったというので手伝いに行きましたが、家の内外は泥水だらけで、下水の逆流もあったらしく、トイレも風呂場も水が流せないという惨状です。下水管の中に泥やゴミが堆積したようで、これは復旧にどのぐらいの時間が必要なのか、全く不明……。
また、妹が住んでいるマンションは屋上のアンテナがやられ、全世帯でテレビが視聴出来ないそうです。
あぁ……、本当に自然は残酷です。
あの大雨が降る前の穏やかな日々は、どこへ消えてしまったんでしょう……。
ということで、不謹慎かもしれませんが、思わず心に浮かんでしまったのが、本日掲載のシングル盤A面曲「Before The Rain」です。
きっと皆様にも、曲タイトルはご存知なくとも、ハーモニカで奏でられる穏やかで哀愁が滲むメロディは耳にした事があるんじゃ~ないでしょうか。
世に出たのは確か、1978年でしたが、我が国ではテレビCM等々に使用され、忽ちヒットしましたですねぇ~~、懐かしい!
演じているリー・オスカーは、アニマルズからソロシンガーに転身したエリック・バードンがバックバンドに起用したウォーのメンバーで、デンマークから十代でアメリカに渡って来たハーモニカ奏者なんですが、サンフランシスコかロスあたりでエリック・バードンと出会って意気投合したのが、メジャーデビューの始まりだったようです。
その音楽性は基本はブルースながら、ジャズやソウル&ファンクの要素もたっぷりで、歌心あふれるメロディフェイクやフックの効いたアドリブソロは、ライブの現場でも人気を集めていたところで、当然の如く製作された自身のリーダーアルバムも、フュージョンのブームと相まって、注目されていたのですが、我が国で決定的な人気を集めたのが、2nd アルバムからカットされた、この「Before The Rain」でありました。
う~ん、さっき久々にレコードを取り出して聴いていたら、なんともせつないような、それでいて明日は必ずやってくるという前向きな気持ちが交じり合い、妙に面映ゆい心持であります。
悲劇は避けられないから悲劇である、という言い回しもあるにはあるんですが、分かっていても自分に襲いかかる災いには、不条理しか感じられないのが人の世の理でしょう。
とにかく今は前を向いていくしかないと思うばかりで、明日も微力を尽くす所存です。