■はじめてのワルツ / 神保美喜 (フィリップス)
幅広い役柄を演じつつ、息の長い活動を続けている女優の神保美喜も、実は芸能界での最初のスタートはアイドルシンガーだった!?!
という証拠物件が、本日掲載のシングル盤です。
発売されたのは昭和51(1976)年3月で、これがデビュー作という、その端緒にあったのは、やはりテレビスカウト番組「スター誕生(日本テレビ)」に出演しての決勝大会だったと云われています。
残念ながら、サイケおやじは、件の当該放送回に接していなかったので、そんなふうにしか書けないわけですが、とにかく、その時点で中学生だった彼女が忽ちにして女優活動を本格化させ、様々な映画やテレビドラマに出演を重ねていったのは、どこかしら「ふっきれた」様な演技力と個性的な面立ちがあればこそ、個人的には昭和52(1977)年に公開された大林宣彦監督の怪作にして迷作「HOUSE / ハウス(東宝)」での、あの極小短パンみたいな姿でのカンフーアクションが目に焼き付けられてしまい、失礼ながらデコピン系で大きな眼の特徴的なルックスが逆説的に愛おしい♪♪~♪
そんな偏愛モードに陥れられてしまったですよ (^^;
で、肝心のデビュー曲「はじめてのワルツ」は作詞:阿久悠&作編曲:三木たかし!
という如何にも「スタ誕」モロ出しの制作クレジットが面映ゆいほどに正統派のアイドル歌謡に仕上がっているんですが、既に皆様ご推察のとおり、曲タイトルの「ワルツ」なんてのは、イントロにちょっぴり用いられているだけで、忽ちアップテンポのカントリーロック風ポップス歌謡に展開される曲構成こそは、弾む様に歌う神保美喜の清純派としてのスタートには相応しいわけですが、肝心の彼女の節回しにグルーヴ感が不足気味でして……。
その……、なんとも棒読み歌唱なのが勿体ないと思うばかり (^^;
ちなみに、件の「ワルツ」は歌詞の世界のキメになっているので、個人的には、も~ちょっと、「らしい」曲調でもイケたと思うんですけどねぇ……。
しかし、やっぱり彼女はアイドルシンガーよりは、女優として認識されるキャラが濃かったわけで、年齢に応じての様々な役柄は時代劇や現代劇の垣根を飛び越えた魅力を常に発散させ、時にはセクシー演技やグラビアモデル的な活動も前向きに取り組んでいた姿勢は、見事だと思いますねぇ~~♪
ということで、有名人には殊更黒歴史みたいなものが取り上げられる事は普通なんでしょうが、神保美喜の場合は、何をやっても肯定されていた様な気がしております。
現在では、所謂「老け役」だって真正面から演じられるはずですから、ますます活躍を期待しているんですが、肝心のテレビドラマや映画の制作本数が減っている現在の状況では、彼女の様な存在が宝の持ち腐れにならぬ様に希望するばかりです。