■この愛に生きて / 西群よう子 (Eastworld / 東芝)
西群よう子はヤマハ系のボーカリストで、実際、高校生の頃から例のポプコンに出場し、なかなかに期待されていたのが昭和50年代前半の活動状況でした。
そして公式レコードデビューしたのが、確か昭和52(1977)年頃だったと記憶しているんですが、ルックスも男好きするタイプだったもんですから、各方面での活動がイマイチ集約出来なかったんでしょうか、ラジオのDJや学園祭ライブ等々でジワジワと人気を集めながらも、幾分の足踏み状態は……。
しかし、満を持してというか、昭和55(1980)年7月に出した本日掲載のシングル盤は本当に素晴らしい傑作で、殊更作詞:杉山政美&作編曲:木森敏之が彼女に与えた収録A面曲「この愛に生きて」は、ミディアムテンポのAOR歌謡の決定版!
それはスローな歌い出しから、ビシッとタイトなリズム隊が入ってのグルーヴィな雰囲気の良さ、そして如何にも下世話な男女の情愛が綴られた歌詞の世界を、きっちり歌謡曲保守本流の表現で節回していく、その衒いの無い歌謡魂は、決してニューミュージックなぁ~んていう軽薄な分類スタイルじゃ~無いと思うんですが、いかがなものでしょう。
もちろん、現在でも流行が継続しているらしい「シティ・ポップ」としての括りで聴いても、全く色褪せていないでしょう。
歌謡フォークの進化系的なメロディラインもイイ感じ ♪♪~♪
実は同時期、彼女は最初のアルバムであろう「My name is YOKO」と題されたLPを制作発売しているんですが、これまた絶妙の名盤と申しましょうか、当時の売れっ子セッションプレイヤーが参加したバックの演奏に全く臆する事のない西群よう子の歌の世界が存分に楽しめますので、気になる皆様は、ぜひっ!
確か、CD化されているはずですよ (^^)
それと話は前後しますが、本日のお題「この愛に生きて」がヒットしたのは、当時放映されたテレビドラマ「結婚の四季(フジテレビ)」の主題歌だった影響もあったそうですが、サイケおやじは件のテレビドラマには全く接しておりませんので、ここではスルーさせていただきますが、それでなくとも、ヒット性は確実にあったとしか言えませんし、何よりも西群よう子という実力派ボーカリストを世に知らしめただけでも、このシングル盤の存在価値は高いはずです。
ところが、何故か……、この後の彼女はシングル盤を1枚出したっきり、フェードアウト気味となり、どうやらスタジオシンガーとしての活動にシフトしたとか、様々な情報は耳にしているんですが、近年はジャズボーカリストに転身したとか……。
う~ん、サイケおやじとしては、正統派歌謡曲を演じて欲しかったと思うですけどねぇ……、しかし、彼女自らが選択決断された道であれば、ファンとしては納得するのが冥利でありましょう (^^;
ということで、なかなか本日は寒くて、冬が確実に近づいている事を痛感させられました。
そして、そんな日にこそ、ハートウォームな歌が聴きたくなり、あれやこれやとレコードを取り出している休日の幸せに感謝するばかりでございます <(_ _)>