■薔薇詩集 / 神田広美 (ポリドール)
スタアはルックスも含めて、華やかな雰囲気があるからこそスタアであるとしたら、昭和53(1978)年に発売された本日掲載のシングル盤のジャケ写に登場している神田広美は、あまりにも普通っぽいムードで、極言すれば昭和50年代の地域商店街では、こういう女性に出会う事が珍しくなかったですよねぇ。
しかし逆に言えば、それは親しみ易さにも繋がるわけで、だとすれば作詞:松本隆&作編曲:馬飼野俊一が提供した収録A面曲「薔薇詩集」が、ありがちな下世話でせつない歌謡フォークに仕上がっているのは大正解なんでしょうか。
なにしろ歌われているのが、思いを寄せた男に逃げられても、諦めきれない女の小さな希望、そして辛い現実ですから、件の男の部屋を訪ねる顛末が当たり前な絶望になっているところは、アコースティックギターのアルペジオがリードするアレンジという歌謡フォークの常套手段(?)には持ちつ持たれつ!?
また、湿っぽい情感を盛り上げるようなストリングスアレンジも秀逸だと思います。
そして神田広美の清涼な歌声が、とても上手いコントロールの節回しを伴って聞かせてくれる、この悲しい別れの歌は、それほどのヒットにはなりませんでしたが、秋という季節にはジャストミートじゃ~ないでしょうか。
サイケおやじは好きです♪♪~♪
う~ん、そうなってみると、このレコードはジャケ写が先か? あるいは楽曲が先か?
なぁ~んていうのは、ど~でもいい余計なお世話ですかねぇ~~。
ということで、秋という季節には思い出す歌も多いというわけです。
あっ、薔薇は春~初夏のイメージでしたか……?
でも、秋に咲く薔薇って、ちょっぴり小さいところに微妙な寂寥感がありますし、それでいて色彩が鮮やかというあたりは、この歌に合っていると思うでした。