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サイケおやじの生活と音楽

カーネーションと夏木マリ

2012-02-29 15:55:49 | 歌謡曲

お手やわらかに / 夏木マリ (キング)

日頃、テレビドラマは全くと言っていいほど観ないサイケおやじにしても、現在 放映中のNHK朝ドラ「カーネーション」は面白い!

そう、素直に思って、鑑賞しています。

しかし、もちろんリアルタイムでは無理なんで、毎日録画しておいて、時間が出来た時に纏めてのお楽しみではありますが、番組スタート時から欠かさずというのは、恥ずかしながら、本当に何年ぶりか? という状況です。

それはご存じのとおり、ファッションデザイナーとして世界的に有名なコシノ三姉妹の母親で、自らも戦前から大阪の岸和田で洋裁店を独立開業していた小篠綾子をモデルにした物語なんですが、実はサイケおやじの祖父は大正時代からテーラー、母も数年前まで洋裁店をやっていたので、そういう業種や業界については子供の頃から慣れ親しんでいた所為もあり、最初は母が楽しんでいたところに釣られたというわけなんですが……。

なんとっ! いよいよヒロインの晩年が描かれる物語の流れから主役女優が交代となり、それを夏木マリが演じるとあっては、もはやドキドキ感は高まるばかり!?

ちなみにテレビドラマの中の小篠綾子や三姉妹は、当然ながら別の役名での登場でありますが、キャラクター造形や物語展開は現実的な部分の重なりが大切にされ、中でも役名が直子=川崎亜沙美のコシノジュンコはクリソツ! 全く、どっから探してきたのかと思われるほどですねぇ~~~~、この驚嘆の意味として。

ですから、他の出演者のアクが些か薄まっている点は否定出来ませんが、しかしヒロイン・糸子≒小篠綾子を演じた尾野真千子は岸和田弁のセリフも違和感が無い、実にナチュラルなコテコテ感が素晴らしく、またお笑い芸人のほっしゃん。の常に煮詰まった佇まいと演技も最高♪♪~♪

という状況ですから、かなりの視聴率を稼いでいるらしいんですが、小篠家の内部事情としては有名な姉妹確執がそれなりに描かれ、小篠綾子本人の長年の不倫騒動が逃げずに演出されたところも、人気の秘密かもしれません。

ただし、あくまでもドラマですから、真実と異なるソフトタッチの綺麗事も当然あるわけで、例えば前述の不倫騒動が劇中ではあっさり片付いたり、三姉妹の結婚や離婚、再婚の顛末等々は禁断の領域!?

まあ、そのあたりは今後の物語展開のお楽しみなわけですから、いよいよ晩年のヒロインを演じる夏木マリの登場が、実にたまらないというわけです。

それはサイケおやじがセクシーシンガーとして大ブレイクした頃からの夏木マリファンであり、実は密かにコンプリートコレクションに勤しんでいるという事情もあり、また役者としての自我の強い芝居も好きなところから、う~ん、これはどうなるんでせう!?

全く期待と不安がゴッタ煮の心境なんですねぇ……。

さて、そこで本日掲載した1枚は、そのお色気歌謡路線で人気を集めていた昭和49(1974)年当時の夏木マリが出したヒット盤で、とにかくA面の「お手やわらかに」はブラスロックとニューソウルを巧みに融合させた、まさにリアルタイムの最先端歌謡ポップス♪♪~♪

しかも決してイケイケではなく、極言すれば同時代のカワイコちゃんアイドルが歌っても不思議ではない、絶妙の「ぶりっ子」フレィヴァーがあるんですねぇ~♪

う~ん、流石に作詞:阿久悠、作編曲:川口真の企みは深淵というか、抜群の歌唱力はもちろん、既に秀逸な演技力を兼ね備えていた夏木マリなればこその世界が楽しめますよ。

ということで、そこまでやっていた夏木マリですから、70歳以降の老女を演じたとて、小篠綾子という稀代の女傑の色気はきっちり滲ませるものと思います。

それはサイケおやじが以前、仕事の関係で唯一度だけお会いしたご本人の存在感の強さを忘れていないからで、当時は既に80代半ばであったはずなのに、流石はファッション界を生き抜いてきた証なんでしょうか、妙に「女」の部分が濃かったですねぇ。

しかも、なかなかハートウォームな人柄は忘れ難い印象でありましたが、それにしても後年、人気ドラマのヒロインに描かれようとは想像も出来ませんでした。

最後になりましたが、既に述べたようにサイケおやじの母親は洋裁業でしたから、このドラマ鑑賞については様々な解説も詳しくあって、時には有難迷惑でもありますが、味わい深い事も確かです。

例えば洋裁業は戦中・戦後、本気モードで寝る暇も無いほどの盛況であり、それゆえにお客さんは何かしらの「お遣い物」を持参しないと仕事は頼めず、特に戦中は食物がその中心でしたから、配給が当たり前の時代にも所謂「ひもじい思い」は無かったとか!?

他にもちょいと書くのは憚られる事情を様々に知ってみると、「カーネーション」の脚本が如何に細かく作られているか、感心してしまいましたですねぇ~♪

また実在の人物をモデルにしたドラマゆえに、登場人物の虚偽あれこれも楽しく、最近じゃ女優の「白川ななこ」とか、歌手の「ジョニー」なぁ~んていう、あっ、この人はあの人だろうなぁ~~♪ という楽しみもありますよ。

そして夏木マリへの期待も、高くなるのでした。

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14 コメント

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回想シーン (サイケおやじ)
2012-03-13 17:03:23
☆流氷様
コメント感謝です。

なにか本日放送回にチラリと回想シーンで尾野真千子、登場したらしいですね♪
後日の録画確認が楽しみです。
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お願い! (流氷)
2012-03-12 22:27:49
回想シーンでオノマチ糸子を出してください。
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有終 (サイケおやじ)
2012-03-11 11:10:59
☆流氷様
コメントありがとうございます。

皆に惜しまれて去る尾野真千子は幸せな女優だと思いますよ。
さっきまで録画しておいた尾野真千子出演のスタパ観てましたが、ちょいと図星のコメントに泣いてしまった彼女が愛おしい……。
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無題 (流氷)
2012-03-11 00:14:39
小学校6年間、慣れ親しんだ担任の先生が卒業間際の3月に突然、替わったーそんな感じが抜けません。


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私見再び (サイケおやじ)
2012-03-09 19:50:29
☆チカラ様、ハート様
コメントありがとうございます。

皆様のお気持ち、サイケおやじも分かっているつもりです。正直、夏木マリ篇は作られるべきでは無かったと思います。
しかし晩年ヒロインを描く事に決定すれば、残念ながら尾野真千子では無理でしょう。

その大きな要因は、あくまでも私見ですが、彼女の衣装の「着こなし」です。
一説によると現在の糸子の衣装は小篠綾子が晩年に実際に着用していたり、デザインした服だそうですから、非常にお洒落なセンスに満ちているのも当然です。
そして夏木マリが着ていても違和感が無いのは、彼女のファッションセンス=着こなしの所為でしょう。
そこで失礼ながら、尾野真千子が同じ衣装で老女のメイクをしている絵を想像すると、これは???ですよ。

これまでの劇中、糸子はかなり長い間、和服姿でした。戦後、洋装店が繁盛している時でさえ、そうでしたよね。確か、お洒落な洋装でキメた最初は、周防さんと抱擁した日じゃなかったでしょうか?
また以降も時たま、洋装でお洒落をすると、なにか「洋服に着られてしまう」感じが尾野真千子の糸子には感じられました。
もちろん普段着の糸子は自然なんですけどねぇ……。それじゃ洋装を生業する女性として、どうなんでしょう。

ファッション業界を描くドラマの難しさかもしれませんが、夏木マリの糸子が直子のショウの楽屋裏でひとり椅子に座っている時の馴染み方は、ちょいと他の女優では想像出来ません。

それゆえにサイケおやじはDVDで再鑑賞する時は、あの「窓辺のシーン」までしか観ないような自覚症状を予感しています、
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お願いします! (ハート)
2012-03-09 17:45:45
以前は放送時間があっと言う間に終わったけど、今は15分が長い。
オノマチ糸子、回想で出てほしいです。
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無題 (チカラ)
2012-03-09 15:04:58
回想シーンを多くして尾野真千子さんを画面に出してください。
3月3日の尾野真千子さん最終日の回は秀逸でした。それだけに夏木マリさんに替わって脚本家も替わったかのように、突然、平凡な底の浅いドラマになってしまいました。違和感というより同じドラマとして繋がりません。夏木マリさん、演技をしている、芝居をしているのイメージがぬぐえません。もっと演技力のある女優さんかと思っていました。
尾野真千子さんや取り巻く人々を全て排除して、ドラマの再構築をすることの難しさ。
【カーネーション】が近来にない秀逸なドラマだっただけに残念です。

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カーネーション自己レス (サイケおやじ)
2012-03-08 17:44:44
ここからも妄想にすぎませんが……。

尾野真千子の時代で物語が終われなかったのは、そこで予定されていたエピソードや劇進行をカットせざるをえなかったのではないか?
つまり、その分だけ全体が短くなれば、補充パートが必要となり、晩年を描く道筋が出来たように思います。

では、そのカットされた部分は何か?

個人的には、例えば戦後の闇市で生地を仕入れるところが一番に考えられます。
ご存じのとおり、当時占領下の日本では日本人が本当に押し込められ、経済的には在日華僑や朝鮮半島人が台頭していた頃であり、しかし戦中からの備蓄物資の流通は日本人優先にしたい進駐軍の反共に基づく思惑がありましたから、そうした闇市や流通機構の仕切りが出来るのは任侠団体だけでした。
平たく言えば、物資を潤沢に入手出来るのは、そうした団体から直接購入するのが商売上手の秘訣だったと言われています。
そこで例の「水玉」を大ヒットさせた糸子が、そうしたルートで云々という根性エピソードが描かれていても当然なんですが、流石に昨今の情勢ではNHKも小篠家も納得出来ないでしょう。
おそらくは糸子が、もっと激しい商売を演じるはずだったのかもしれません。

また問題の不倫騒動にしても、現実的には長年の同棲実態が続き、青春時代までの三姉妹もあちこちで苛められる要因となっていたそうですから、そのあたりも最初の脚本では、しっかりあったんじゃないかと思います。

それと決して洋裁だけではなかった小篠綾子の事業展開や幅広い人間関係からの諸々にしても、沢山の面白いエピソードがありますし、三姉妹の結婚や離婚の顛末等々、描かれるべき劇的な展開は多すぎるのですが……。

やはり製作段階や実際の撮影がスタートしてからもクレームが要所で入った事は想像に易いでしょう。

それゆえに構想段階の予定が崩れ、女優としての力量から晩年は無理と判断された尾野真千子の降板が……。

まあ、このあたりは、あくまでもサイケおやじの妄想です。

しかし現実的には戦中・戦後、税務署や当局から睨まれるほど盛況だったのが所謂「糸偏」の商売だったことは、サイケおやじが祖父や母親から聞かされ、また実際に見たままの現実です。

そのあたりを心して「カーネーション」を鑑賞するのも楽しく、発売のDVDも全話揃える覚悟は出来ているのでした。
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ふたりの糸子と周辺 (サイケおやじ)
2012-03-08 16:46:00
☆わーるど様
コメントありがとうございます。

あくまでも私見ですが……。
おそらく最初の構想と脚本段階では、夏木マリの起用と登場は無かったと思います。
それは尾野真千子篇最終話の見事な脚本演出に顕著で、本来ならば、あの窓辺のラストシーンで「完」の一文字が出ても不思議ではありません。
実際、サイケおやじは、久々にウルっときてしまいましたよ。

つまり糸子の晩年を描く必要が、製作段階で発生したのでしょう。
実在の人物をモデルにしている物語の性質からして、それは避けられませんよね。
それゆえに登場人物のほとんどが死去している現在の物語設定、さらに主役交代の必然性も認めるざるをえないのでは?

個人的には夏木マリの糸子は、何かしら上品になった雰囲気に違和感もありますが、中年以降の糸子を演じた尾野真千子の和服姿に「水商売」のムードが露骨だった事を思えば、ある意味では納得しています。

あと、ほっしゃん。演じる北村が本当に良い味出しまくりで、同じポジションのキャラクター登場を望みたいものですね。
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糸子さ~ん (わーるど)
2012-03-08 16:16:07
尾野糸子から夏木糸子になって、それまであっと言う間に過ぎた15分の放送時間が、今はやたらに長く感じます。
カーネーション第二部として割り切るしかありません。


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夏木マリ登場の希望演出 (サイケおやじ)
2012-03-03 17:00:42
☆TK様
コメントありがとうございます。

家庭内の事情って、大切ですよねぇ~。

さて、小野真千子が最終で登場するのは昭和48年の設定らしいので、そこにブレイクしたばかりの夏木マリ本人が登場するという演出が欲しいですねぇ~♪
CG使えば絶対出来ますよ。
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Unknown (TK)
2012-03-03 04:23:26
家庭内的状況で時々見てますがヒロイン夏木マリに変わるんですか~

日本の女性シンガーで一番エロいんじゃないかと思います、たまりません(笑)
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真偽 (サイケおやじ)
2012-03-01 07:38:27
☆JinSohma様
コメントありがとうございます。

確かコシノジュンコの初婚は昭和39年頃だったと記憶しています。で、再婚がそれから10年後ですから、まあ、ドラマの演出も苦しいですよねぇ(微笑)。
しかし川崎亜沙美の快(怪)演に免じて、ひとつよろしくですよ♪

そしてホンマモンの泉州弁がどんなもんか、判別は出来ないですけど、夏木マリはそれなりに頑固な人みたいですから(^_^;

いよいよのお楽しみってところです。
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 (JinSohma)
2012-03-01 00:50:25
コシノジュンコ結婚年の1970年に、「シーシーシー」「スマイルフォーミー」はちゃうやんけっ!と突っ込んだ私でしたwww

明日(3月2日・金)でオノマチ糸子とお別れですね。

夏木マリの第一声・・・生煮えの泉州弁でないことを祈っている私です ♪
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