■The Jazz Messengers At The Free Trade Hall 1961 (Head On Fire = CD)
実は最近、ジワジワとジャズモードに回帰しつつあるのがサイケおやじの本性です。
昨日も病院での検査帰りにソフト屋を急襲! 諸々ゲットしてきた中の1枚が本日ご紹介の発掘音源CDなんですが、なんとっ! リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds) という全盛期ジャズメッセンジャーズによる1961年5月6日のリアルなライプが良好な音質で楽しめたんですねぇ~~♪
01 It's Only A Paper Moon
有名な歌物スタンダードをモード的解釈で演じるという、当時のジャズメッセンジャーズ十八番の手法がいきなりの大爆発!
なにしろイントロからの重厚なリフをバックにリー・モーガンが縦横無尽なアドリブをやってくれますからねぇ~♪ その後に出てくるお馴染みの原曲メロディが尚更に愛おしいのもムペなるかな、続くウェイン・ショーターの意味不明なソロ展開も、好きな人にはたまらない世界でしょう。
もちろんサイケおやじも、その中のひとりとして、ここは発作的なシビれに、どっぷりと浸らせていただきました♪♪~♪
しかし同時に凄いのはアップテンポで突進するリズム隊の骨太感!
それゆえに再び登場するリー・モーガンの飛び跳ねフレーズの連発にしても、バンドとしてのグルーヴは決して揺るがないのですから、いゃ~、素晴らしい限りです。
02 Dat Dere
当時のジャズ・メッセジャーズには欠かせなかったファンキー部門の担当者がボビー・ティモンズであるとすれば、本人自作のゴスペル節が自信たっぷりに披露されるのは自然の流れでしょう。
ここでもどっしり重いハードバップのグルーヴと真っ黒なソウルフィーリングが全篇に横溢し、加えてウェイン・ショーターのテナーサックスがハードエッジなアドリブを演じれば、リー・モーガンがダークな思わせぶりから情念の噴出を聞かせてくれるのですから、これまた、たまりませんよ♪♪~♪
ところが肝心のボビー・ティモンズのアドリブが短く、あっさりしているのが、ちょいと勿体無いです。せっかくリズム隊がグリグリに煽っているんですからねぇ……。
03 Are You Real?
と思った次の瞬間、颯爽と始まるのが、ベニー・ゴルソン時代からの定番ヒットなんですから、思わずグッと惹きつけられるのはジャズ者の宿業でしょうか。
スピードに乗ったテーマ合奏からウネウネと奇怪なアドリブフレーズを積み重ねていくウェイン・ショーター、直線的でありながら千変万化なリー・モーガン、その対象的な遣り口を演じてくれるフロントプレイヤーの存在こそが、予想を裏切るが如き抜群の相性を感じさせてくれるんですから、これぞっ! 全盛期の証のように思います。
そして、ボビー・ティモンズの快調なアドリブ、終盤でのソロチェンジは言わずもがな、それを支える硬質なドライヴ感を提供するジミー・メリットのペースも流石の一言!
04 A Night In Tunisia
これまた常にバンドの定番演目であった有名曲という事で、それは歴代メンバーの実力をリスナーが推し測る意味でも毎度のお楽しみ♪♪~♪
結論から言うと、ここでのウェイン・ショーターの破壊力は強烈至極で、特にテーマ直後のブレイクの凄さは、とにかく聴いていただく他はありません。また、直線的にぶっつけてくるアドリブフレーズの面白みも、当時としては相当に破天荒だったと思われます。
そして一方のリー・モーガンも、これまたハチャメチャにぶっ飛んだ存在感をアピールしまくりですよっ! これまでよりもテンポアップしたアンサンブルからアドリブパートまで、ジコチュウ全開なんですから、既に「お約束」となっている終盤の無伴奏ソロのマジギレも火傷寸前でしょう。
う~ん、時の勢いってのは、こういう事だと痛感!
05 The Summit
これはなかなかの曲者というか、ウェイン・ショーターが書いた最先端モードの演奏というわけですから、バンドの意気込みとは裏腹に観客の反応は、完全に新しいものを聴いているという感が、この音源録音状況からも伝わってきます。
つまり非常にクールで熱いメンバー各々のプレイが、観客を圧しているような、ちょいと突っぱねた姿勢が散見されるというか……。
しかし個人的には、これもリアルなジャズメッセンジャーズとして、大好きです。
06 Like Someone In Love
という尖がった姿勢から一転、和みのスタンダード曲を柔らかくやってくれるのも、ジャズメッセンジャーズの魅力でしょう。
ここではリー・モーガンの歌心、ボビー・ティモンズの上手い伴奏、そしてウェイン・ショーターの変態アドリブが見事な融合を聞かせてくれますよ♪♪~♪
07 Kozo's Waltz
そしてオーラスは威勢の良いアート・ブレイキーのドラムソロからグイノリのモダンジャズが展開される、これがハードバップの保守本流という演奏です。
あぁ~、こういうものが聴けるからこそ、ジャズの黄金時代はそこにあるっ!
些か確信犯的なレトリックではありますが、エキセントリックなウェイン・ショーター、作者の強みを活かしたリー・モーガンの突撃ラッパ、親分の敲くワルツビートに強引とも思えるスイング感を付与するボビー・ティモンズ、その隙間を埋め、さらには自己主張も忘れていないジミー・メリット!
まさにジャズメッセンジャーズの底力を堪能させてくれる演奏です。
ということで、演目はリアルタイムでブルーノートと契約していたジャズメッセンジャーズが、既に1960年春~秋に正式レコーディングしていたものが中心ですから、それ以前の十八番であった「Are You Real?」も含めて、手慣れた中にも前向きな勢いは存分に楽しめますよ。
気になる音質は全7曲で収録時間が約79分強ですから、正直に言えば音圧レベルが幾分低く、ベースとドラムスが目立つモノラルミックスではありますが、それゆえに迫力は充分だと思います。おそらくはラジオ放送用の音源だったのかもしれません。
いゃ~、今でもこんな素晴らしい発掘物が出るんですから、まだまだ世の中、捨てたもんじゃ~ありませんねぇ~♪
ジャズが好きで良かった♪♪~♪
心底、思っています。
このコ-ナ-に書いてあるジャズメンは全て大好きですよ!ブレイキ-のjazz messagersは、ジャズの美味しいエッセンスを凝縮した様なバンドですよねぇ♪ 奈々ちゃんの「青春の坂道」と並行して(笑)ジャズを聴きましょうo(^o^)o
コメント、ありがとうございます。
私も基本的にジャズは大好きなんですよ♪
過去ログでは、ほとんど連日がジャズばっかりなんで、未だ「Weblog」扱いになっている拙文もご一読願えれば、望外の幸せであります。
それと当時のメッセンジャーズ、嫌いなジャズファンは極少数でしょう。
進歩的でありながら、大衆性を重んじていたブレイキー親分は流石だと思っています。