■恋はお伽話じゃないから / 林寛子 (キャニオン)
それが正方形であるがゆえに、大アップのポートレートを用いたジャケットスリーブにエキセントリックな魅力を感じてしまうサイケおやじですから、本日掲載した林寛子のシングル盤にしても、中古ながら、見つけた瞬間に即ゲットは、お約束!?
しかも、収録されていたA面曲「恋はお伽話じゃないから」が、これまたエキセントリックなムードも色濃い疑似AOR歌謡だったんですから、うれしくなりましたですよ♪♪~♪
発売されたのは昭和52(1977)年4月とされていますから、まだまだ彼女は17 or 18歳ぐらいだったと思うんですが、既にして女の子アイドルからの脱却を図っていたのでしょうか、とにかく作詞:森雪乃丞&作曲:佐瀬寿一が企図提供した楽曲には、アイドル歌謡にありがちなキャピキャピした高揚感よりは、マイナーモードで抑揚の薄いメロディライン、そして16ビートでミディアムスローのテンポ設定等々、相当に難しいカラオケに背伸びした大人の世界が綴られ歌詞!?
あぁ~~、こんな試練(?)をクールに歌ってましう林寛子の歌唱力には、脱帽するしかありません (^^)
なにしろ、繰り返しになりますが、シンコペイトしまくったリズム隊がグルになって作り出すグルーヴは、微妙な転調(?)と細かい譜割を伴っているもんですから、一筋縄では歌えるものじゃ~ないと思うんですよ、このカラオケではっ!
もちろん、トーシロがコピーして簡単に出来る演奏ではありませんし、カラオケを歌いに行ったとしても、スルーされてしまうのが、この「恋はお伽話じゃないから」かもしれません (^^;
う~ん、告白すれば、この名曲・名唱をサイケおやじはリアルタイムで聴いていた記憶が薄く、やはり……、それなりに親しまれていた楽曲ではなかったんでしょうか……。
冒頭に述べたとおり、このシングル盤そのものを中古屋でゲットした時の新鮮な感覚にしても、その存在を結局は知らないに等しかったがゆえの事だった様に思うばかりです (^^;
そして密かに進行中らしい和製AOR再発見ブームの今であればこそ、聴いていただきたい問題作かもしれません。
ということで、このジャケ写ポートレートの大アップは、撮影ライティングの妙によって影が出来ず、ハイキー調に作り込まれているあたりも、当時のファッションでありました。
ニューミュージック系の歌謡曲が盛り上がりつつあった昭和50年代前半には、アイドル歌謡も進化の波に晒されながら、やはり歌唱力の証明作業が面白い結果を生んでいたんですねぇ~~ (^^)
その時代の林寛子、案外宝庫なのかもしれません。