■だれかが風の中で / 上條恒彦 (キングレコード)
いきなりの泣き言で申し訳ありませんが、現在のサイケおやじは孤立無援……。
もちろん仕事での話なんですが、一番頼りにしていたスタッフが重度の鬱病らしく、二ヶ月近くも寝たきりの引き籠り状態で、電話にも出られないし、家族もお手上げという中、もちろんそれなりの治療も拒否しているとか???
当然ながら家を訪ねても会えず、しかもあんまりこちらからの励ましや苦言は厳禁という周囲の注意もあるもんですから、様子を見るというよりも、この先はアテにならないというのが本当のところと覚悟はしています。
しかし、こんな急場でサイケおやじは他所に義理を借りてばかりいられず、あ~ぁ……、こっちが全てを投げ出したいというのが本音ではありますが、そんな時こそ、助けてくれるのは「歌」という思いを強くしている次第でして、例えば本日掲載のシングル盤A面曲「だれかが風の中で」もそのひとつです。
それはサイケおやじと同世代の皆様は言うに及ばず、昭和47(1972)年にフジテレビ系列で放送され、社会現象ともなった時代劇「木枯らし紋次郎」の主題歌ですからねぇ~~、主人公の渡世人・紋次郎は誰とも関わりを持つ事を避け、ギリギリ一宿一飯の恩義だけで孤独に強く生きていこうとするはずが、物語中では常に世の中の「しがらみ」や「義理人情」の板挟みに迷い、それを振り払っては後悔モードで去っていくという、なかなかリアルタイムでは新感覚の作風や演出が人気を集めました。
例の「あっしには関わりのねぇ~こってござんす」というキメの台詞は、前述した社会現象を呼び起こすには必殺の一言であり、しかしそれでも情に流されていく渡世人・紋次郎の生き様こそが、最高のハードボイルドだったんですねぇ~~~。
しかも紋次郎はチャンバラも実にカッコ悪く、ドスで斬りまくるというよりも、メチャクチャに振り回し、相手を殴りつけるが如き立ち回りどころか、負けそうにると走って逃げるというのが常套手段なんですから、それもまた新鮮味がありましたし、常に長い楊枝を加えている佇まいは、大人子供共通に真似て粋がる男が日本中に溢れていたほどです。
もちろんサイケおやじも、すっかり「その気」にさせられていましたですよ。
ちなみにそのテレビ版の主演は中村敦夫であり、原作は笹沢佐保、演出の総監督は市川崑、そして制作スタッフのメインは大映の精鋭集団でありましたから、既にオープニングから素晴らしい映像美学が満喫出来たのも素晴らしいところで、掲載のジャケ写は全くそのイメージの流用でしたから、主題歌「だれかが風の中で」も忽ちの大ヒット!
ところが、これが当時としては全然時代劇のテーマとは裏腹に、丸っきりの西部劇調だったというのも、作詞:和田夏十&作曲:小室等、さらには編曲:寺島尚彦が企図した新感覚というところでしょうか。
まさに上條恒彦のハートウォームでダイナミックな歌唱にはジャストミートしすぎていたほどで、孤独に流離う中にあっても、何時か希望は見えるかも…… という刹那的明るさを求めるクールな男の心意気がウケたんだと思います。
そして現在のサイケおやじには、あらためてそれがグッと身に滲みて、気分はすっかりハードボイルドっていうわけなんですよ、恥ずかしながら。
いゃ~、決して悲壮感に酔っているわけじゃ~ないんですよ、言い訳と受け取られるかもしれませんが。
ただ、そんなこんなの心情を吐露したかったというのが本日の主題でありまして、すっかり皆様のご厚情に甘えてしまいました。
もちろん、この世は厳しいけれど、決して捨てたもんじゃ~ない!?
光がなければ、陰の見分けもつかないはずで、だからこそ、光を求めるちっぽけな気持ちを失いたくはありません。
だれが風の中で待っていてくれるのかなぁ~~。
この前年に六文銭が上條と急場仕立てで組んだユニットが『出発の歌』で第2回世界歌謡祭のグランプリと歌唱賞を受賞していた。
六文銭に四角佳子がいたのが第2回世界歌謡祭で印象に残っている。
壮大でスケールの大きな曲で、十分に目立っていた。
小室等は吉田拓郎に注意するように言っていたが、やはり拓郎と結婚、そして離婚している。
スタジオ録音の「春の風が吹いていたら」は拓郎と四角佳子とのデュエット。
実際にはミュージック・フェアーでの南沙織とのデュエットの方が有名だろうが。
私もシンシア好きだから、後者の方を断然指示する。
確かに僕も音楽といいますか趣味の世界に救われることがあります。
それでも気分がスッキリするならOKかな。
「木枯らし紋路郎」もですが、「仕掛人(仕事人)シリーズ」もちっとも時代劇風じゃない楽曲を採用していましたね。
当時小学生だった僕にはそれがとても斬新に思えました。
笹沢佐保の原作小説は言うに及ばず、便乗企画の中村敦夫著エッセイ本まで買ってしまった記憶があります。
つまり、当時の紋次郎ブームに、見事ハマってしまったクチであります。が、全く恥ずるところなく、今でも時々口ずさんでおります。
「きっと誰かが待っていてくれる」というコンセプトは、「いい日旅立ち」等にも受け継がれ、自己否定感に囚われがちな現代日本の孤独者に、微かな希望を与えていてくれるのかもしれません。
「風の中」という枕詞は、至る所で用いられますが、ディランの影響でしょうか。
本当に大好きで毎週楽しみに見ていたのを思い出しました!僕が最初にハマったTV番組かもしれません!
哀愁漂うこの主題歌も大好きで、今聞いても心がざわつく曲の一つです。
音楽って良いですね!!
コメント、ありがとうございます。
四角佳子は西野バレエ団で、「志麻ゆき」としてレ・ガールズにも出ていましたですね。
自己名義のレコーディングもしていたはずなんですが、結婚のために……。
人に歴史ありってやつですね。
ありがとうございます。
いいえ、私は気持ちの弱い人間です。
長く生きていると、まあ、それなりに居直りや狡さを身につけているんでしょう……。
さて、「必殺」シリーズの劇伴も、非常にカッコイ~ですよね♪
チョッパーベースとかスペースシンセみたいなノリも凄かったですから♪
シリーズの様々な諸作、全ての復刻を望みます。
コメント、感謝です。
「風」というキーワード、確かに様々な「歌」が出来ていますねっ!?
シューベルツの「風」、カルメン・マキの「私は風」等々、どっさりと口ずさめる名曲ばっかりで(笑)。
「風」というテーマだけで、ボックス物のコンピが作れそうですよ。
コメント、感謝です。
その頃から、テレビでも「勧善懲悪」が飽きられていたんじゃ~ないでしょうか?
「傷だらけの天使」とか、「悪魔のようなあいつ」等々、大ヒットしたテレビ作品にも、「木枯らし紋次郎」は影響を与えたと思っています。
小さい音量で音楽をかけながらいつの間にか心地よく深い眠りにつく、これが一番の自愛かも・・・・
目覚めたあとに徐々に今日一日生きるための闘志が湧くために深い眠りが一番いいんですね
サイケおやじ様 音楽を愛している限りは必ず心が救われます、どんな宗教よりいいかもね