■バイエル91番 (Beyer No. 91) / Les Jeunes Étoiles (DENON / 日本コロムビア)
凡そ、1960年代から親しまれている音楽表現のひとつに、例の「シャバダバ」コーラスがあって、これは洋楽のみならず、我が国の歌謡曲にも大いに用いられた手法なんですが、これを最も世界に広めたのが、1962年頃にフランスで結成されたザ・スイングル・シンガーズでありましょう。
このグループは基本的に男女の混声の8人組で、ソプラノ、アルト、テノール、バスのパートを各2名で編成し、クラシックとモダンジャズの味わいを融合させたアカペラコーラスで様々な楽曲を披露し、大きな成功を収めたもんですから、忽ちフォロワーが各国で登場したとて、何らの不思議も無く、例えば我が国においては、昭和43(1968)年に本日掲載のシングル盤を出したジュヌ・エトワールが近年、なかなかの注目度!?
メンバーは泉麗子(メゾソプラノ)、山崎まみ(ソプラノ)、神長まさみ(アルト)、二宮真知子(アルト)、丸尾光(テノール)、曽根義則(ベース)、伊東始 (バリトン) の7人組とされ、このシングル盤での伴奏は吉村英世クインテットが担当した、殊更A面収録の「バイエル91番 / Beyer No. 91」は皆様ご存じ、有名なピアノ練習曲をアップテンポの4ビートジャズで披露する、麗しの「シャバダバ」コーラスが全開♪♪~♪
ちなみに「バイエル」とは、確かドイツ人のピアニストとして作曲活動にも熱心だったフェルディナント・バイエルが、ピアノ練習用に作った短い曲を集めた教則本の通称であり、その楽曲そのものは短いフレーズやスケールだけのパートで構成されているので、耳にも優しいメロディが多いんじゃ~ないでしょうか。
クラシックのピアノ音楽について、特に知識が無くとも、何処かで聴いた様な感じのメロディを「シャバダバ」で演じられては、自ずとリスナーの心は和んでしまいますよねぇ~~♪
実は、このジュヌ・エトワールは同時期にアルバムも制作発売しており、そこには全篇人気ポピュラーや洋楽ヒットを「シャバダバ」&「パヤパヤ」で演じたトラックが収められているんですが、サイケおやじは残念ながら現物は所有しておらず、どうにかカセットコピーで音源を楽しむという境遇……。
ですから、中古ながら、このシングル盤に邂逅した瞬間、ちょっぴり震えを覚えた記憶は、今も鮮明です。
さて、そこで気になるのは、ジュヌ・エトワールが実際のライブギグをやっていたのか?
また、レコーディングは一発録りだったか? それともオーバーダビングを駆使していたのか?
等々の素朴な疑問であり、何故ならば、やはり同じ頃にアメリカで結成され、人気を集めたシンガーズ・アンリミテッドと名乗るコーラスグループは、ジャズをルーツにしつつも、レコーディングでは多重録音による複雑にして繊細なハーモニーを披露したレコードを幾枚も出していたからでして、一説によれば、シンガーズ・アンリミテッドはスタジオセッションをメインに活動していたというのですから、このあたりは本当に気になるところです。
う~ん、真相は如何に?
ということで、秋になると、こ~ゆ~コーラス物が矢鱈に聴きたくなるのは、サイケおやじだけでしょうか?
あんまり些末な事に拘って聴いても、楽しくないのは分かっているつよりですが、そこは自らの変態性でしょうねぇ…… (^^;
失礼いたしました <(_ _)>