■19回目の神経衰弱 / The Rolling Stones (Decca / キングレコード)
昔の写真を見るのは妙に恥ずかしかったりしますが、それというのも、そこにはリアルタイムの状況諸々が容赦無く記録されているからでしょうか。
う~ン、俺にはこんなに髪の毛があったのか!?
とか、うっ、この頃から既に腹が出ている!?
なぁ~んてのは、まだまだ笑って済ませられますが、一緒に写っていた仲間とのその後のあれこれ等々は、せつなくも甘美な思い出、あるいは悔悟、さらには屈辱や因縁が拭い去れないものもあるんですから、やはり恥ずかしくなって当然なのでしょうか。
さて、そこで本日掲載したのはストーンズが1966年に出した彼等の代表的なヒット曲「19回目の神経衰弱」をA面に据えた日本盤シングルなんですが、ここに冒頭からの話を適用すれば、まさに当時のバンド内の人間関係(!)が、これまで伝えられているとおりに表出しているように思います。
それは右端のキースが如何にもギターソロで日常茶飯事の「やっちまった」状態であるとの推察が容易ならば、思わず振り向いたミックの苦笑いも、なんだぁ、またかよお~~、ってなもんでしょう。
しかしリーダーのブライアンにしてみれば、お前は何度教えてもダメだなぁ……、何やってんだぁ~~! とナチュラルに厳しい気持ちが顔や態度に出ているわけで、それをマイペースなビルは知らん顔ですし、チャーリーも大人の対応という構図が、おそらくはテレビスタジオでライブ出演中のショットに凝縮記録されているあたりは歴史の必然というべきかもしれません。
実際、ブライアンはストーンズの今後の道筋を企図した場合、ほとんど進歩の無いキースのギターにイライラしていたそうですし、だからこそ自らがギター以外の楽器を操ることによってバンドのサウンドを彩り豊かにする手段に出ていたと言われていますが、さもありなん!?
また、ミックにしても、破天荒な人生経験を積み重ね、同時に様々な音楽に造詣の深いブライアンよりも、昔っからの友人であったキースと一緒だと気が楽だったんじゃ~ないでしょうかねぇ~?
そしてミック&キースが書いた件の楽曲「19回目の神経衰弱 / 19th Nervous Breakdown」は、如何にもストーンズらしいリズムとビートが特徴的な、ちょっぴり軽いR&Rとはいえ、ベースとギターが重ねられたテケテケサウンドやチャーリーが叩き出す裏ドトンパのリズム等々はメインで流用したボ・ディドリーのビート共々に痛快!
実は録音セッションは前年12月、大成功した北米巡業の直後にハリウッドのRCAスタジオで行われたことから、黒幕になっていたのがジャック・ニッチェであり、ここでストーンズが作り出したサウンドが以降のアメリカで登場していくアイドル系新進ロック&ポップスバンド、例えばモンキーズ等々に受け継がれていくのは言わずもがな、そのジャック・ニッチェと繋がりのある職業ソングライターやスタジオミュージシャンとの関わりも興味深いところと思います。
ということで、何が本題か分からなくなってしまいましたが、とにかく昔の写真はいろんな意味で面白い♪♪~♪
そこには自嘲も悔悟も屈辱的な気分さえも、「懐かしさ」という括りで許されるとしたら、そこから滲み出して来る喜怒哀楽にハートウォームな気分にさせられるのも悪くありません。
ですから、現在まで齢を重ねても、当時とそれほどイメージが変わらないストーンズの面々が羨ましくなったりするのも、些かせつないわけですが、まあ、いいか……。
ちょっぴり囁いて、自分に言い聞かせているのでした。
ほんとにメンバーの関係性がもろ浮き彫り~!
ミックとキースは「俺たちは仲いいもんな~♪」ビルとチャーリーは「う~ん 別にどうでもぉ~♪(´ε` )」で、残ったブライアンの戸惑いと苛立ちのようなものを感じます…そこだけを見ると当時ブライアンがどれだけ孤独だったのか…と(;_;)
コメント、ありがとうございます。
ミックとキースは諸事情あったにせよ、ブライアンの葬儀には出てきませんでした……。
負い目があったという世間の推察を無視するのがやっとみたいな、それもまた悲しいわけです。
ミックはバンド内では一番の常識人でしょうから、人間関係には気を使っていたと思いたいですねぇ。