OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

言いきって痛快

2019-12-22 16:42:30 | 歌謡曲

1/2の神話 / 中森明菜 (ワーナーパイオニア)

今となってはツッパリ歌謡アイドルのトップスタアという称号にも哀しいものがありますが、しかし中森明菜が登場したからこそ、昭和50年代後半の歌謡曲には勢いがあった様な気に思います。

それは所謂「ポスト百恵」という立ち位置から、さらに個性を確立して行く過程で発表していた歌謡ロック系の楽曲がサイケおやじは大好きで、中でも昭和58(1983)年2月に出された本日掲載のシングル盤A面曲「1/2の神話」は傑作!

なにしろイントロからアップテンポのハードロックが炸裂し、タイトなリズムと激したギターに導かれて歌い出す中森明菜のボーカルにはアイドルらしからぬ捨鉢フィーリングが全開で、まあ、このあたりは山口百恵からの影響は打ち消せないんですが、曲構成にはテンポを落としたりするプロのワザが仕込まれていますから、中森明菜にしても自分だけの「味」を懸命に出そうとする、その意欲が上向きのベクトルを描いているんですねぇ~~♪

ちなみに作曲を担当した大沢誉志幸はクラウディ・スカイと名乗る、個人的には注目していたロックバンドをやっていた才人で、後には「そして僕は途方に暮れる」の自演ヒットも出した事は有名ですが、この当時はソングライターとして主にアイドルに楽曲を提供していた事から、こ~ゆ~歌謡ロックも手際が冴えていたのでしょう。

萩田光雄のアレンジとも相性がバッチリと思います。

そして、それ以上に強力なのは売野雅勇が綴った歌詞の思いっきりの良さで、それは曲タイトルどおり、未だ完全にツッパリきれていない少女から大人の女性への不安定さを言いきっているとすれば、それを断言するが如き中森明菜のスバっと痛快な勢いが実に最高なんですねぇ~~~♪

 いいかげんにしてぇ~~~

このキメ&捨て台詞が、痛快至極!

ですから、もうひとつ、特筆しておきたいのが、このジャケ写の素晴らしさで、ご覧いただいたとおり、全く可愛い彼女が、歌の世界ではツッパリまくりという、まさに「1/2」=「半分」ずつが女の本性!?

レコードを鳴らしながらジャケ写スリーブを眺めていると、なんとも倒錯的な感度は良好というわけです♪♪~♪

ということで、最近の世相における諸々の不条理に対しては、嘆く事より「いいかげんにしてぇ~~」と言い放ちたい気分にジャストミートなのが、この歌というわけです。

この年末の流行語にならないかなぁ~~~。

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