■マドモアゼル・ブルース / ザ・ジャガーズ (フィリップス)
所謂ビートルズサウンドは個性が強過ぎるので、安易に真似ればデッドコピーと言われるし、憧れがれるほどにパロディと軽視されていたのがビートルズの現役時代だったと思います。
つまりビートルズの人気にあやかって売れる商品を作るためには、その高い音楽性を少しでも取り入れたいと目論むのが殊更プロの生きる道だった頃、しかし洋楽はともかくも、基本的にモードが異なる我が国の歌謡曲においては、なかなか困難を極めていたのが現実だったように思います。
ところがそんな中に堂々と出されたのが、昭和43(1968)年の正月明けに発売されたジャガーズのシングル盤A面曲「マドモアゼル・ブルース」でした。
なにしろ筒美京平の作編曲によるイントロのギターカッティングからツカミの曲メロが、丸っきりビートルズの「今日の誓い / Things We Said Today」ですからねぇ~~~♪
そしてさらにご丁寧なのは、そのパートにおける橋本淳の綴った歌詞が、しつかり英語ですよっ!
ベビ~ビィマイフリィ~~ィイ
ベビ~ビィマイフリィ~~ィイ
と歌いだされてしまえぱ、「Baby, be my free」という歌詞もカタカナ英語としての機能が全開というあたりは、如何にもGSの真骨頂かもしれません。
しかし本当に素晴らしいのは、そこから続く湿っぽい歌謡曲保守本流の展開で、特にゴージャスなオーケストラを従えたサビでのコブシから、
シルクのぉ~ ドレスをぉ~ 着せてあげぇたぁ~いぃ~~
と持っていくキメの鮮やかさは絶品ですよぇ~~~♪
当時のジャガーズは公式デビュー曲「君に会いたい」から「ダンシング・ロンリー・ナイト」と続けた大ヒット、さらにはGS映画の傑作「進め!ジャガーズ 敵前上陸」に主演するという勢いがそのまんま、この「マドモアゼル・ブルース」の快演名唱を披露していた全盛期でした。
ところがその反動なんでしょうか、以降はメンバーチェンジが頻発し、また偶発的な交通事故とか、マイナスイメージばかりが報道されるという苦境から実質的な人気は低下……。
それでもジャガーズが残してくれたレコードには名曲が多いという真実は不滅であって、それはリアルタイムのファンばかりでなく、後追いのGSマニアや昭和歌謡曲愛好者にも共通の認識と思います。
ということで、冒頭に述べたとおり、ビートルズのサウンドを歌謡曲に活かさんとする試みがGSブーム期以降、ひとつの潮流になっていったのは、それが本家ビートルズの活動停止後に開花した事で、ようやく世界的なレベルになったんじゃ~ないでしょうか?
その意味でジャガーズの「マドモアゼル・ブルース」は、それがパロディとかパクリとか言われるよりも、ネタ元の活かし方の上手さを味わう典型として、素直に楽しむのも悪くはないはず!?
うむ、年末は、これを宴会芸にさせてもらおうかなぁ~~~。
導入部では、確かに「今日の誓い」に似たところもあります。そして、ご指摘のとおり、後半の歌謡曲的展開が、ビートルズとは違う、GS・ジャガーズの個性を醸し出してもおります。
ボーカルの方は、とてもハンサムですね。
「進め!ジャガーズ 敵前上陸」は、ぜひ見てみたい映画です。
http://www.youtube.com/watch?v=0P94wD5zC9g
マドモアゼル晃子さんが、若くてステキです。
コメント&ご紹介、ありがとうございます。
「敵前上陸」はDVD化されていて、ゲットしていますが、やはり何度鑑賞しても、中村晃子が素敵です♪
「マドモアゼル」は橋本淳の趣味のような気がします。
「新宿~」も拙ブログで以前に書いていますので、よろしくお願い致します。
でもベースを聴いていたら愕然としました。
メロディーしか弾いてないんです。
タイガースを聴くことが多く、サリーの素晴らしいベースに慣れているせいでしょうか。
ジャガーズを聴くときは低音に耳を押さえて聴くようにしています。
コメント、感謝です。
サリーのベースは別格です!
比較されたら、ほんどのプレイヤーは浮かばれませんよ(微笑)。
ジャガーズはライブも良くて、コーラスもバッチリやっていましたよ。
ライブ音源が発掘されないかなぁ~。