■幻のアマリリア / 加山雄三 (東芝)
とにかく加山雄三が大ブレイクしていた昭和40年代は、もちろん自身の主演映画「若大将シリーズ」において、痛快な演技に颯爽とした歌と演奏の両方を遺憾なく発揮していたからではありますが、流石に年齢的な壁と申しましょうか、三十路ともなれば学生には見えづらくなり、それゆえに前述の人気シリーズも社会人になった若大将が描かれるというスタイルに転換された事は歴史的事実として、その端境期に作られた映画や関連楽曲には、それゆえの面白さが確かにあると思っています。
例えば、本日掲載のシングル盤A面曲「幻のアマリリア」は昭和42(1967)年末に公開された「ゴーゴー若大将(岩内克己監督)」の挿入歌だったんですが、レコード化しての発売バージョンと劇中サントラ音源では当然ながらテイクも異なり、加えて歌詞の違っていたという逸話は良く知られるところでしょう。
もちろん、制作クレジットは作詞:岩谷時子&作曲:弾厚作=加山雄三ですから、楽曲そのものは何時もの味わいという、所謂「若大将節」が全開したミディアムテンポのポップス歌謡ながらも、劇中の若大将は驚くなかれ、トランペットを吹きながら、歌も披露するという新機軸!?!
そして、あらためてスタジオレコーディングされたシングルバージョンは、掲載したジャケットスリーブにも記載があるとおり、ハプニングス・フォーがバックを務めたもんですから、そのアレンジは河内邦夫=クニ河内によるキーボードサウンドがメインのラウンジロック仕様なんですねぇ~~♪
このあたりの経緯は知る由もありませんが、楽曲としての「幻のアマリリア」は前述した映画本篇の中では2回歌われており、その両方で歌詞が違っているのも問題(?)ですが、このレコードのシングルバージョンは2回目に歌われた歌詞に極め近くなっていますので、気になる皆様は既にソフト化されている映画「ゴーゴー若大将」をご確認くださいませ (^^)
いゃ~~、それにしてもシングルバージョンの「幻のアマリリア」は左にオルガン、右のピアノがミックスされた分厚い演奏パートが見事に「若大将節」を引き立てているというよりも、その素晴らしいコラボが最高ぉぉ~~♪
カントリー&ロカビリー、フォーク&フォーロック、エレキ&エレキ歌謡等々、その時流にアクセスした幅広い音楽性こそは、加山雄三というシンガーソングライターの神髄であろうと思うばかりですが、いよいよ……、ここではニューロックに踏み込んだ感もあり、同時に歌謡曲も大好きなんでしょうねぇ~~、若大将は (^^♪
ちなみに奥村チヨもレオ・ビーツと共に「幻のアマリリア」を企画レコーディングしておりますが、そのトラックは幾分エレキ歌謡っぽさを残した仕上りになっており、それはそれで魅力たっぷり (^^♪
現在では「チヨとベンチャーズとレオ・ビーツ」というCDに収録され、復刻されておりますので、これまたお楽しみくださいませ (^^)
ということで、この時期になると、こ~ゆ~キーボードサウンドもイイですよねぇ~~♪
実は、加山雄三の「幻のアマリリア」では、ちょっぴりですが、あのロシア民謡「トロイカ」がワンフレーズだけ、カラオケパートのオルガンで奏でられるという遊び心もニクイわけでして (^^)
オルガン歌謡、万歳♪♪~♪
始まりから27分頃に1回目の「幻のアマリリア」(ロックぽい)2回目は終盤にアコギで歌ってましたが、…チョット呆気ない終わりには残念!!
*チヨとベンチャーズとレオ・ビーツ*
1.*北国の青い空 [別ヴァージョン]
2.*雨の御堂筋
3.*京都の恋
4.*涙いろの恋
5.*手と手を
6.*君を歌う
7.*私を愛して
8.*涙のかわくまで
9.*愛の真珠貝
10.*北国の青い空
11.*幻のアマリリア
12.*恋のフーガ
13.*霧の摩周湖
14.*ひみつ
15.*あなたに逢いたい
*当時 奥村チヨさんは渡辺プロに所属していた関係で渡辺プロが出資参加していた「アポロン音楽工業」(カセットテープ、8トラックカートリッジの専門会社)にも多数の音源を残していた。
1曲~3曲目は独自のアレンジ
4曲~15曲目はレオ・ビーツとの共演
しかしながらこのCDの北国の青い空は東芝盤よりずーっと良い音源です。と私は思います。
この頃の奥村チヨさんはキュートでめちゃ可愛い!
ちなみに「レット・リバーロック」のキーボード演奏はなかなかいいですね~♪(米オリジナル盤入手)
.
コメント&フォロー、感謝です。
奥村チヨのキュートさは初期のカバーポップス時代から受け継がれている魅力でもあり、それがフェロモン過多期に入っても、失せる事がありませんでした。
もちろん、全ては彼女の歌の上手さがあればこそでしょう。
オルガン入りの音楽はゴスペルであり、ロックやソウルであれ、大好きです。
それが歌謡曲であるならば、尚更ですねっ!