■Miles Daves Quintet Live At The Oriental Theatre 1966 (Sunburn = CD)
全く尽きることの無いマイスル・デイビスの復刻商売の中で、いよいよ登場したのが本日ご紹介の2枚組CD♪♪~♪
実はこれ、アナログ盤時代から優良ブートのひとつとして有名なライプソースだったんですが、今回は散逸していた音源を可能なかぎり纏め、中には未発表とメーカー側が主張するテイクも含め、最新のリマスターで提供された嬉しいブツになっています。
CD-1 01 Announcement
CD-1 02 Autumn Leaces / 枯葉
CD-1 03 Agitation
CD-1 04 Stella By Starlight
CD-1 05 Gingerbread Boy
CD-2 01 The Tmeme (= No Blues / incomplete)
CD-2 02 All Blues
CD-2 03 Who Can I Turn To
CD-2 04 So What
CD-2 05 My Funny Valentine
録音は1966年5月21日のオレゴン州ポートランド、メンバーはマイルス・デイビス(tp) 以下、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、トニー・ウィリアムス(ds) という黄金のレギュラー陣に加え、この日は何時ものロン・カーターに代わってリチャード・デイビス(b) が入っているところが珍しく、それが人気のポイントでもありました。しかし上記演目からもご推察のとおり、特段に変わった演奏が披露されているわけではありません。
むしろマイルス・デイビスの保守性が、この時期にしては色濃く滲んでいると思うほどです。
例えば冒頭の「枯葉」、あるいは同列のスタンダード曲「Stella By Starlight」や「Who Can I Turn To」、さらには今回が初登場とされる「My Funny Valentine」でのメロディフェイクの上手さは、例によっての思わせぶりが全開♪♪~♪
しかも後年のライプと異なり、この当時はラストテーマもきっちり吹いていますから、尚更にマイルス・デイビスならではの歌物解釈が楽しめるのです。
中でも「Who Can I Turn To」は良いですねぇ~♪ じっくりと原曲メロディを醸成させながら、リズム隊を思うがままに操るようなリーダーシップの強さは、それがそのまんま流石のジャズ魂だと思います。
しかし子分達だって、そうそう親分の操り人形にはなっていませんっ!
全篇で変幻自在、過激にプローしまくるウェイン・ショーターは言わずもがな、面従腹背的なハービー・ハンコックに激しく同意するトニー・ウィリアムス、さらには平気な顔で危険なベースワークに踏み込むリチャード・デイビス!?!
気になる録音状態も、トニー・ウィリアムスのシンバルがきっちり録られていますから、自然とその他の楽器のバランスも、時代を考慮すれば良好でしょう。と言うか、このあたりを許容しなければ、全盛期モダンジャズは楽しめないと思いますし、ジャズ者ならば、なんら問題無く楽しめるはずです。
そこでアグレッシヴな「So What」に熱狂し、じっくり構えた後に突進する「All Blues」で震え、さらに良く知られた歌物曲の解体と再構築に酔わされてしまえば、後は至福のマイルス天国♪♪~♪
個人的には「Agitation」や「Gingerbread Boy」あたりの所謂モダンジャズオリジナルが、どのようにリアルタイムで料理されていたのか? なかなか興味津々で楽しめましたが、やはり俊英リズム隊が存在してこそのマイルス流モダンジャズという感があります。
ちなみにリチャード・デイビスの参加が一番顕著に表れたのが、「So What」のテーマリードで味わえるエグ味じゃないでしょうか。このあたりは本当に聴いてのお楽しみです。
ということで、サイケおやじは例によって「Previously Unissued!」というステッカーに幻惑された弱みも否定致しませんが、こうした発掘音源集の魅力は、その度に向上しているであろう音質への期待感も第一義だと思います。
そこで今回の結果は、比較出来る私有盤が「Stone」というレーベルから出たアナログLPしか無いので、確定的なことでは無いかもしれませんが、低音部の分離が相当に良くなっていると思います。
もちろんアナログ盤には未収録だった「All Blues」や「So What」の過激な急進性にしても、こうしてCD化されたおかげで、尚更に心置きなく楽しめるというものです。
収録時間は全篇で約90分!
時期的には次なるレコーディングセッションから誕生する充実の名盤「マイルス・スマイルズ」の5ヵ月前ということで、親分の貫録と子分達の義理人情、そして新旧意地の張り合いが、とことん堪能出来ること、請け合いです。
(1965)ESP→Plugged Nickel→(1967)Miles Smiles
ということで1966年モノが欠落していたはずなのに
Miles自身の歩みは止まることなく・・・ということなんですよね
しかしMilesの歩みにつき合う我々からすると・・・・しんどいです
よって最近のMilesブート盤とのつきあい方は
ボクが聴きに行ってるはずのLiveに限定しています
それでも4枚ほど見つかっています
Milesはやっぱり凄いですね
コメント、ありがとうございます。
個人的には「Plugged Nickel」の音源よりも、こっちが保守的だと感じました。
マイルスは案外、その日、その場のお客さんを大切にしたプレイをやっていたのかもしれませんね。
マイルスのプートがガンガン出るのは歓迎なんですが、それが売れるんで、最近は本家のCBSが本気になっているらしいですよ。
嬉しい悲鳴になれば良いんですが(笑)
意外な選曲ですね?
Richard Davis はおかしな音拾うので
あまり好きではありませんが、
やっぱり気になります。
コメント、感謝です。
久々に歌物を吹いてくれるマイルスの良さを再認識しています♪
リチャード・デイビスとの相性も良いんじゃないでしょうか。
この復刻は快挙だと思います。