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サイケおやじの生活と音楽

和製AORと云えば、稲垣潤一でしょう

2021-07-20 16:55:02 | ニューミュージック

夏のクラクション / 稲垣潤一 (東芝)

1970年代後半からの洋楽最前線の中に顕在するAORのブームは、つまりは大人向けの歌謡ロックであり、真正ロックでは面映ゆい大人の世界の機微や人生の意義までも包括した耳に優しい音楽でしたから、我が国でも所謂ニューミュージックの定着と連動するかの様に、多くのヒット曲が残されてきました。

そこで本日は季節柄、その中でも決定的な「夏歌」として忘れられない皆様も必ずやいらっしゃるにちがいない、稲垣潤一の「夏のクラクション」であります(^^♪

既に述べたとおり、稲垣潤一は本来はドラマーとしてプロ活動をスタートさせながら、実はボーカリストとしての資質を業界関係者から高く評価され、昭和57(1982)年に「雨のリグレット」のスマッシュヒットを放って、堂々のメジャーデビューを飾ったのは鮮烈でした。

その声質はハイトーンとアルトボイスの巧みな変換と申しましょうか、なかなか耳に心地良い節回しの上手さ共々に、これぞっ!

ニッポンのAOR!

なぁ~んて思わせられる個性と味わいがありましたから、忽ちレコードの売り上げは安定し、またライブステージ活動やテレビ出演も活性化していく中で、ついに昭和58(1983)年7月、カセットテープのCMと連動しつつ発売したのが、この作詞:売野雅勇&作曲:筒美京平とのコラボも冴えわたりの「夏のクラクション」でありました。

いゃ~~、これが実に小憎らしいほどのAOR胸キュンソングと申しましょうか、男の哀愁と青春の残滓が仄かに漂う楽曲の味わいに加え、ミディアムテンポで構成される井上鑑のソフト&メロウなアレンジが、稲垣潤一のクールでありながらハートウォームな歌いっぷりにはジャストミート ♪♪~♪

筒美京平ならではのフックが効いたメロディ展開と売野雅勇の綴った悄然ギリギリの歌詞の世界には、これほど相応しいボーカリストは稲垣潤一だけじゃ~ないでしょうか。

名曲‎ゆえに今日まで、幾多のカバーバージョンが制作発表されていますが、本家を凌駕するトラックは無いと断じてしまいたくなるほどです。

ちなみに、ここまでの完成度を求めた所為でしょう、この1曲だけのレコーディングだけで数日を要したという伝説(!?)が残されているのも、納得です。

そうそう、もうひとつ、伝説と云えば、稲垣潤一は昭和58(1983)年末にライブアルバムを出しているんですが、凄腕ミュージシャンを従えての一発録りレコーディングが基本ながら、レコード化する編集過程で、当然の如く手直し、つまりは各パートの差し替え等々を行っている作業の結果、本人のボーカルやバックの演奏の大部分がスタジオで録り直されたっ!?

なぁ~んていう噂が当時、実しやかに流布されていたんですが、真相はど~なんでしょうかねぇ~~ (^^;

そんな都市伝説が流れてしまうのも、稲垣潤一の完全主義があればこそだと思います (^^;

ということで、「夏歌」は決して女性シンガーの切り札ではなく、男性ボーカリストだって古今東西、数多の名唱を残していますから、鬱陶しくない範囲でご紹介させていただく所存です。

例えば、本日の主役たる稲垣潤一は、鬱陶しさとは無縁の存在ですからねぇ~~、その人気の要因も、ひとつには、そこだと思うばかりです。

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