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サイケおやじの生活と音楽

歌謡フォークの梓みちよ

2023-09-05 17:54:21 | 歌謡曲

赤いつるばら c/w 白い浜 / 梓みちよ (キングレコード)

何を歌っても上手い梓みちよが昭和41(1966)年の流行ド真ん中だった歌謡フォークで素晴らしい結果を出したのが本日掲載のシングル盤A面曲「赤いつるばら」です。

サイケおやじと同世代の皆様であれば説明不要かもしれませんが、当時の我が国歌謡界はエレキ ~ GSの大ブームと並んで、所謂「フォーク」「フォークソング」が若者にはウケまくっており、その中には反戦とか反権力を高らかに訴える硬派から私小説的な内省派、さらにはパロディともプログレとも判別不能なアングラ系のレコードで勝負する有象無象が文字どおり、群雄割拠(?)していたもんですから、商業的な成功を第一義とする大手レコード会社や芸能プロダクション各社は、従来の歌謡曲と遊離しないスタイルとして「歌謡フォーク」を提唱・制作しており、特に昭和42(1967)年初頭に公式レコードデビューした森山良子が、その代表格に上り詰めた事は今や歴史でありましょう。

そして、その流れを鑑みれば、既に梓みちよは既に前年、この「赤いつるばら」で先鞭をつけていたとも思えるわけですよ、サイケおやじには (^^)

なにしろ、それは作詞:水島哲&作曲:平尾昌晃が明確に「歌謡フォーク」を意識して書き上げたとしか思えない、スローテンポの泣きメロと甘美な愛情が刹那の幸せという歌詞の世界に、どこからしら儚げなものを滲ませる歌唱表現こそは、梓みちよの一期一会の節回しであり、絶妙のブレスが実にたまりませんよ (^^)

ですから、ガット弦のアコースティックギターやハーモニカをメインに用いた森岡賢一郎のアレンジもジャストミートのフォーク色♪♪~♪

あぁ~~、これこそが「歌謡フォーク」のプロトタイプと言うよりも、初期の完成系じゃ~ないでしょうか。

そ~思ってしまえば、弾厚作=加山雄三が自作自演で同時期に発表していた「白い浜」が作者十八番のハワイアン歌謡で、森岡賢一郎のアレンジも、その味わいを優先させたものでありながら、梓みちよのフェロモンをソフトに漂わせる歌唱には、妙にゾクゾクさせられてしまいますよ (^^♪

このあたりはA面曲「赤いつるばら」にも感じられる、梓みちよだけのセクシー衝動とでも申しましょうか、それも彼女の大きな武器(?)なのかもしれませんねぇ~~♪

ということで、「歌謡フォーク」は所謂「フォークブーム」から派生した商業主義の大衆音楽ではありますが、それゆえにアマチュア感覚では作り出しえない魅力が確かにあります。

それを当時は「シャリコマ」なぁ~んて言い表していたので、ちょいと売れたフォークシンガーやグループを軟弱と貶める風潮があり、その良し悪しを二の次にされていたのが、楽曲そのものの楽しみだった様に思いますが、いかがなものでしょう。

個人的には十代の頃、フォークや歌謡フォークをやっている連中を一概に「軟弱」と表向きは言い放っていたサイケおやじではありますが、「歌謡フォーク」は決して嫌いではなく、むしろ……、大好きだったという告白が本日のオチであります。

失礼いたしました <(_ _)>


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