■TOKIO FANTASY / 椎菜 (Radio City / ビクター)
我が国芸能界の所謂「80年代アイドル」ブーム期には、夥しい女の子シンガーが登場した事は今や歴史なんでしょうが、だからこそのマニアックな領域として、今に至る奥の細道が続いていると思うのはサイケおやじだけでしょうか (^^;
例えば、リアルタイムよりは相当後になって中古屋等々で邂逅する当時のレコードやカセットテープ等々の中には、圧倒的に自分が知らない名前があったりする現実は誰しもが経験しているはずで、逆に、もしも、「80年代アイドル」の全てを詳細に知っている奇特な人物が存在するとすれば、コレクターの鏡として、サイケおやじは尊崇の念を抱かざるを得ません。
そこで皆様に教えを乞う気持ちで本日取り出したのは、昭和59(1984)年に椎菜と名乗るアイドルシンガーが出したシングル盤で、まずはジャケ写の雰囲気からして、これは「ニューミュージック」なのか? それとも「アイドル歌謡」なのか? なんともサイケおやじには判別もつかぬままに中古ゲットさせられたという、そのミステリ性感度の高さは、これ如何に!?
そして実際、針を落として聴いたA面曲「TOKIO FANTASY」は作詞:森雪之丞&作曲:鈴木キサブローが提供したアップテンポでキャッチーなアイドル歌謡の王道路線であり、しかも穂口雄右がアレンジし、作り上げたサウンドは当時流行のキーボードメインによるデジタルシンセポップなんですから、それだけなら、サイケおやじには馴染めないはずが、主役たる椎菜の疑似アニメ声による薬師丸ひろ子っぽい節回しという、いやはやなんとも、狙いは、そこかっ!?
と、思った次の瞬間、サビからは明らかに声質の違う、アルトボイスの女性コーラスというか、そこからがユニゾン&コーラスのパートになり、再び最初のロリチックなボーカルに戻るという、その毀誉褒貶(?)な仕掛けには妙に惹かれるものがあるんですねぇ~ (^^;
結局は売れたとは言い難いシングル曲ではありますが、その確信犯的な制作意図は、侮れないと思っております。
ということで、椎菜というアイドルシンガーのプロフィールは全く知る由もなく、当然ながらレコードも、このシングル盤しか所有しておりませんが、なんとも気になる存在になっております。
あ~ぁ、またまた奥の細道への旅立ちかもしれません (^^;