■面影 / しまざき由理 (日本コロムビア)
すっかり今は廃れてしまったテレビドラマではありますが、「昭和」という時代においては劇場用映画本篇よりも需要と影響力が強く認められ、だからこそ関連する流行が次々に飛び出していたのは、拙ブログを訪れてくださる皆様であれば、説明不要の真実と推察する次第です。
例えば、その中でも特に売れていたのが、ドラマの主題歌や挿入歌であり、場合によっては放送前にレコードが発売されていた楽曲もあったほどですし、その楽曲を歌った事でメジャーになった芸能人も珍しくありませんでしたねぇ~~ (^^)
本日掲載のシングル盤A面曲「面影」を歌ったしまざき由理も、そ~した歌手のひとりであり、実は以前からテレビアニメ関連の楽曲をレコーディングし、また別名義でも数枚の歌謡曲レコードを出していたわけですが、それは局地的に知られていただけだったんじゃ~ないでしょうか。
実際、この「面影」は、昭和50(1975)年5月から放送された刑事アクションドラマ「Gメン’75(TBS)」のエンディングテーマとして、作詞:佐藤純彌&作編曲:菊池俊輔によって書かれた、ミディアムテンポの哀愁歌謡バラードなんですが、これがウケたのは、しまざき由理のソフトで綺麗な声質と感傷的な節回しの妙があればこそっ!
忽ちにしてドラマの世界から巷に溢れ出た大ヒット曲となり、しまざき由理の存在そのものがクローズアップされてみれば、前述した様な彼女のキャリアが後追いで認められ、関連レコードも売れてしまったという好循環 (^^)
おまけに「Gメン’75」関連の楽曲も次々に制作され、使用楽曲トラックも再録音して収録というアルバムも数枚は出ていたはずです。
ちなみに「Gメン’75」というドラマは所謂「刑事物」ではありますが、決して警察官が主人公ではなく、一応は警視庁の外郭団体(?)みたいな組織に属する潜入捜査官=Gメンが、時には破天荒な活動・活躍をやってしまうというアクションドラマでありながら、ドラマのプロットには人情の機微や大人の恋愛模様、そしてオンタイムの社会事件等々を織り込んだ、ある意味ではドロ臭い人間ドラマという趣があったもんですから、放送そのものは約6~7年は続き、その間には既に述べたとおり、幾つもの関連楽曲がレコード化されていましたですねぇ~~ (^^)
ですから、ドラマ本篇もビデオ時代からパッケージ化された傑作集が発売されていましたし、現在では近々、CS東映チャンネルで全話の放映が予定され、また例の「ディアゴスティーニ」は既にDVD付きの隔週刊行がスタートしているのですから、その人気は不滅 (^^)
まあ、個人的には同系の「キイハンター」が尚更に好きではありますが、しまざき由理が歌ってくれた「面影」があるかぎり、「Gメン’75」も決して忘れられません (^^ゞ
それと長期間続いた放映でしたので、しまざき由理は他にも関連テーマ曲を歌っておりましたし、また、例えば范文雀とか、他の出演者が歌ったレコードも残されていますので、追々に纏めておきたいと思っています。
ということで、冒頭に述べたとおり、過言では無く、最近のテレビには面白い番組は皆無という状況で、それは放映プログラムそのものをテレビ局が主導して作っておらず、その時間枠だけを買った制作会社が独自にスポンサーを見つけ、その予算内で自前の番組を作っているからじゃ~ないでしょうか?
ですから、必然としてのマンネリが各曲同時並列的に表れ、似た様な出演者による同じスタイルのバラエティばっかりが同時間帯に放送されるのは、その証左かもしれません。
誰が……、そんなのを本気で見るんですかねぇ……。
実際、国民のテレビ離れは紛れもない現実であり、加えて最近のバカマコ騒動にしても、宮内庁や外務省から要請を受ければ、唯々諾々と関連放送を止めてしまうという協定なんか、強い者には弱いという真の姿を露呈したマスコミの薄汚さが、これまで以上に表面化したんですから、いやはやなんとも……。
そんな現在のテレビを見るよりは、昔のドラマに救いと憩いを求めるのも、我々の正直な気持ちでありましょう。
テレビは死んでも、昔の番組だけは生き続けるということで、サイケおやじは納得しているのでした。