■長崎慕情 / 渚ゆう子 (東芝)
渚ゆう子と云えば、ブレイクの端緒となった「京都の恋」、そして続け放った「京都慕情」のヒットにより、正に「ベンチャーズ歌謡の女王」というイメージが今日では強いと思われがちですが、しかし彼女が残したシングル盤A面扱いの「ベンチャーズ歌謡」は、本日ご紹介の「長崎慕情」を含めての3曲だけというのが、渚ゆう子の全盛期における実相となるでしょうか。
で、件の「長崎慕情」は昭和46(1971)年12月の発売された、これが哀愁のメロディが強い印象を残す「ご当地ソング」であり、その原曲はジェリー・マギー(g)、ドン・ウィルソン(g)、ジョン・ダリル(key)、ボブ・ボーグル(b)、メル・テイラー(ds) という顔ぶれだった時期のベンチャーズが共作名義の「Nagasaki Memories」であり、ベンチャーズ自らも「長崎慕情」という邦題を附して同年11月、つまりは渚ゆう子よりも少しばかり早く、シングル発売をしていたんですが、それはそれとして、この渚ゆう子のボーカルバージョンは作詞:林春生&編曲:川口真による、ミディムスローで如何にも我が国の歌謡曲という味わいが見事に表出した仕上がりなんですねぇ~~♪
もちろん、それは渚ゆう子ならではの憂いを滲ませた節回しがあればこそっ!?!
実は本家ベンチャーズのインストバージョンはジェリー・マギーが十八番の「Classical Gas」っぽいギターワークで弾くアンプラグドなアレンジですから、殊更シングル発売したレコードに収録のトラックにおいては、他のメンバーの存在感が希薄というか……。
このあたりは実際のステージギグにおいても、ジェリー・マギーがフィンガーピッキングでアコースティックギターを弾くというショウケースの中の1曲に入れられているほどですから、好き嫌いはあるにせよ、人気名曲に違いありません。
そして、この「長崎慕情」は、なかなか歌ってみたくなる魅力が確かにあるんですねぇ~~ (^^)
告白すれば本日、ど~にかやれた高齢者バンドのミニライブで、最初はインストで演じるはずだった「長崎慕情」がジェリー・マギー風のギターが難し過ぎるという事により、普通のエレキインストにアレンジをやり直してみたものの、結局は味わいが出せず、ボーカルバージョンに変更してみれば、それなりに纏まったという次第です (^^;
うむ、やっぱり「ベンチャーズ歌謡」は琴線に触れますねぇ~~♪
ということで、現在入れてもらっている高齢者バンドの相方ギタリスト氏は、若い頃にフォーク等々をやっていたので、フィンガーピッキングが本当に上手く、またタイム感も素晴らしいので、コテコテのエレキ派というサイケおやじは全く頭が上がらないというテイタラク…… (^^;
もちろん、刺激を受けてはいるんですが今更……、フィンガーピッキングを練習したところで、決して上達はしないはずという自覚&居直りが先に立つもんですから、ひとつ覚えの「エレキのバカ大将」をやり続けるしかありません (^^;
そんな本音で、本日は失礼させていただきます <(_ _)>