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サイケおやじの生活と音楽

ヴィレッジ・シンガーズの亜麻色って?

2010-10-12 16:53:44 | 歌謡曲

亜麻色の髪の乙女 / ヴィレッジ・シンガーズ (日本コロムビア)


「GSの貴公子」として売り出され、そのスマートなイメージと親しみ易さで人気があったヴィレッジ・シンガーズは、しかし決してロック的なGSではなかったと思います。

それはバンドのスタートが所謂カレッジフォークのグループであり、一応はエレキを使いつつも、サウンドの要は12弦のアコースティックギターでしたからねぇ。

実は少年時代のサイケおやじは、隣にあった町医者に出入りしていた若い先生がフォーク大好き人間だったことから、フォーク・トレッカーズと名乗っていたヴィレッジ・シンガーズの前身グループのライプに接したことがあるんですが、その爽やかにして前向きな歌の集会は、なかなか記憶に鮮烈です。

これは昭和40(1965)年頃の話で、そのフォーク・トレッカーズがヴィレッジ・シンガーズとしてレコードデビューしたのが翌年の秋頃だったと思うんですが、実はここでのメンバーは全盛期となった昭和43(1968)年当時とは違っています。

このあたりの経緯については知る由もありませんが、とにかく一般的に知られているヴィレッジ・シンガーズは清水道夫(vo,g)、小松久(g)、小池哲夫(key)、笹井一臣(b)、林ゆたか(ds) という5人組で、その再スタートが昭和42(1967)年夏に発売されたシングル曲「バラ色の雲」の大ヒットです。

ご存じのとおり、当時の我国芸能界はグループサウンズ=GSと称されたロックバンド形態が大ウケの上昇期でしたから、必然的に長髪とエレキをウリにしたグループが多い中で、ヴィレッジ・シンガーズは髪も短く、また衣装も清潔感優先でしたから、およそロック的ではない歌謡フォーク系の楽曲がジャストミート♪♪~♪

例えば前述したブレイク曲「バラ色の雲」は、イントロから大袈裟なストリングスが配され、覚え易いメロディを歌うリードボーカルとコーラスの兼ね合いは、ほとんど歌謡コーラスグループの様相です。

しかし、これがウケたんですよねぇ~♪

そして路線の決定打となったのが、翌年春に出た本日ご紹介の「亜麻色の髪の乙女」でした。

なにしろ曲メロと歌詞がちょいと胸キュンですし、ストリングアレンジの中でセンス良く使われるエレキギターとラフなドラムスが良い感じ♪♪~♪ またレイジーで甘いボーカル&コーラスが、強い印象として残ります。

ちなみに今では有名なエピソードになっていますが、すぎやまこういち作曲によるメロディは、昭和41(1966)年に発売された青山ミチのシングル曲「風吹く丘で」と、ほとんど同じです。

もちろん、それと「亜麻色の髪の乙女」は歌詞が違います。こちらは橋本淳が書いたオリジナルという真相があるものの、個人的には青山ミチのシングル盤を探しているんですが、なかなか良い出会いがありません……。

閑話休題。

こうして人気が安定したヴィレッジ・シンガーズは、この昭和43(1968)年に、いずれも松竹制作・斉藤耕一監督の「思い出の指輪」「虹の中のレモン」「小さなスナック」「落葉とくちづけ」等々の劇場公開作に出まくり、当然ながらそれらは所謂歌謡映画として主題歌や挿入歌をヴィレッジ・シンガーズが歌うという企画でしたから、相乗効果的にヒット曲も連発されましたし、メンバーが演技を披露することについても、なんら違和感をファンに与えない広範なスタア性は保証付き!

ですからGSブームが過ぎ去った昭和45(1970)年頃からは、堂々とムード歌謡コーラスのグループになり、結局は翌年に解散したらしいのですが、メンバー各々はソロ歌手や俳優へとすんなり転身していきました。

中でも林ゆたかは1970年代の我国を代表する俳優のひとりとして映画やテレビ出演も夥しく、特にロマンポルノでは「暴行切り裂きジャック」という決定的な名作に登場し、素晴らしい演技を披露しています。

ということで、最後に告白致しますが、以前にも述べたとおり、サイケおやじが高校で入れてもらっていた同好会のバンドは、当時の情勢からロック禁止令が出ていたところから、この「亜麻色の髪の乙女」のような歌謡フォークをやる事が日常でした。

そして正直に言えば全然、気乗りしていなかったサイケおやじは、実際に演奏へ加わってみると、そのフォークロック的なアプローチが自然体で秘められていた事に驚愕した覚えがあります。

確かにヴィレッジ・シンガーズはロックグループでは無いと思いますが、それでもロックの魅力をいっぱい携えたバンドでした。そういうところが、やはりGSブームそのものの勢いと凄さだったんだなぁ~♪

と、シミジミ痛感しています。

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