■不思議あげます / 黒沢ひろみ (ポリトール)
今と違って、所謂コンプライアンスなぁ~んものが曖昧だった昭和の芸能界には殊更、女の子アイドルが全盛だった昭和50年代末頃にブッ飛んだ活躍を見せていたタレントが頻繁に登場し、本日の主役たる黒沢ひろみも強い印象を残しているんじゃ~ないでしょうか (^^)
もちろん、彼女にしたってデビュー当時の基本はアイドルシンガーでありながら、発表していたレコード収録の楽曲には何処かしらズレた感覚があったと思えば、本日掲載のシングル盤A面曲「不思議あげます」こそは昭和59(1984)年2月に出された、これが曲タイトルどおりのミョウチキリンなポップス歌謡 (^^)
それは結論から申し述べさせていただければ、何だか分からないけど、聴いていて気持ちイイっていう歌と演奏なんですよ (^^)
だって実際、イントロからエスニック風味のポップス感覚が仕掛けられたミディアムアップの演奏パートはキーボード主体で作られたニューウェイヴがド真ん中であり、そしてキャッチーなメロディラインに附された歌詞が、これまたドリーミーな浮世節と申しましょうか、それゆえに歌っている黒沢ひろみの疑似ロリボイスが冴えまくり♪♪~♪
いゃ~~、本来……、こ~ゆ~ニューウェイヴ系シンセポップは苦手なサイケおやじにしても、これには無条件降伏でありました (^^)
なにしろ、珍しく新品のレコードまで買ってしまったほどですからねぇ~~♪
そして速攻で気になる制作クレジットを確認すれば、それは作詞:森雪之丞&作曲:田所純一郎、そして編曲:白井良明という面々でしたから、歌詞の世界は如何にも森雪之丞!
―― と忽ち得心がいったところですし、ポップなシンセサウンドの編曲が白井良明であれば、演奏しているのはムーン・ライダーズ所縁の面々かもしれず、だとすれば黒沢ひろみのメインボーカルに掛け合いを入れる男性コーラスも、また然り?
皆様ご存じのとおり、黒沢ひろみはアイドルシンガーとして数枚のシングル盤を残しつつ、結果的に大きなヒットは放てないままに同時並行的活動だったグラビア&イメージビデオの世界で人気を得たわけですが、それでも……、この「不思議あげます」は歌手としての黒沢ひろみを忘れ難いものにしているんじゃ~ないでしょうか?
それは、もうひとつの真相というか、ここに作曲担当としてクレジットされている「田所純一郎」が「井上陽水」の別名義であった事が後に明かされるに及んで、尚更という印象です (^^)
う~ん、確かに……、このメロディ展開は「井上陽水の節」ですよねぇ~~ (^^)
最後になりましたが、黒沢ひろみがアイドルとしての本人と宇宙人レミの二役を演じた劇中劇的な名(迷)作映画「LEMY レミ(昭和63年・山前五十洋監督)」の摩訶不思議な世界は、それが成人指定になっている云々は別にしても、サイケおやじには、この「不思議あげます」の歌謡世界とリンクしている印象でありまして、これはビデオ化され、サイケおやじも、それでの鑑賞ではありましたが、気になる皆様には、ぜひっ!
う~ん、こ~ゆ~ニューウェイヴなら、許せるかも…… (^^;