OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

雪の日の黛ジュン

2014-02-08 15:42:06 | 歌謡曲

雪が降るのに / 黛ジュン (フィリップス)

本日は全国的に雪模様なんでしょうか、東京は明日までに真っ白になりそうな予感がしているということで、あんまりにもベタなチョイスではありますが、定番「雪の歌」を取り出してきました。

歌っている黛ジュンは、これを出した昭和46(1971)年末には既に人妻という事で、ジャケ写のポートレイトからはフェロモンが滲みまくりという、なかなか嬉しいブツなんですが……。

結果的に大きなヒットにはなっていなかった印象です。

そのあたりの状況については、今日の歴史からも前作「とても不幸な朝が来た」が局地的に放送禁止になったり、また彼女に関する芸能マスコミの扱いが結婚生活諸々のプライベートなものがメインだったという、如何にもマイナスのベクトルだったことから、制作側も心機一転を狙っていたのでしょう。

この「雪が降るのに」は作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平という、当時最高のヒットメーカーコンビと黛ジュンの初顔合わせに期待も大きかったはずです。

しかし既に述べたとおり、どうにもイマイチ精彩が感じられないのは、彼女と件の黄金コンビの相性が良くなかったと思うのは、サイケおやじだけでしょうか?

もちろん楽曲が悪いはずもありません。

特に筒美京平の作編曲は、イタリアンハードボイルド(?)とニューソウルの歌謡曲的融和施策がニクイはがりの仕上がりで、そのクールなサウンドと意図的なセクシーさを随所に表出させる黛ジュンのボーカルも良い感じ♪♪~♪

でもねぇ~、正直、これは彼女よりも平山三紀にジャストミートの楽曲だと思うんですよ、例えそれがサイケおやじの思い込みだとしても!?!

ただし、それでもサイケおやじは、黛ジュンの「雪が降るのに」が嫌いではありません。

だって、ジャケ写に登場している彼女に見つめられてはねぇ~♪

ということで、こういう雰囲気の人が一緒なら、雪の日も楽しいにちがいないと思う野郎どもが、当時も今も大勢存在するはずです。

我国芸能界には今日、同じムードの歌手が第一線で活動していない現況が寂しいと思うばかりです。


ソフトロック民謡で手拍子を♪

2014-02-07 15:09:47 | 歌謡曲

花の手拍子 / 英亜里 (CBSソニー)

民謡から歌謡曲に転じて成功したスタアの多くは、一般的な意味での歌唱力に加えて、個性的なセンスを持っていた事を鑑みれば、英亜里(はなぶさあり)も忘れられません。

特に本日掲載のシングル盤A面曲「花の手拍子」は、発売された昭和43(1968)年の我国音楽状況の中にあっても、なかなかお洒落なサウンドと彼女持ち前の民謡調のコブシが絶妙の按排で楽しめる傑作として忘れられません。

とにかくライトタッチのラテンフィールにジャズっぽいギター、意図的に薄くしたが如くストリングの存在もさることながら、フックの効いたメロディ展開のイヤミの無さは流石、浜口庫之助の作詞作曲と納得して感服ですよ♪♪~♪

もちろん森岡賢一郎のアレンジが冴えている事は言わずもがな、あくまでも英亜理のボーカルがメインから外れない仕掛がニクイわけです。

う~ん、これぞ昭和歌謡曲の底力!

もう、何も言えず、書けませんですよ。

つまり皆様には、ぜひともお楽しみいただきたいと切に願うばかりであります。

ということで、最後になりましたが、妙な病を患って、指の動きがぎごちないサイケおやじは、そのリハビリという大義名分を得て、キーボード、もちろん楽器のですが、それを買おうと画策しています。

フェンダーローズが欲しいんですが、流石にそれ無理ですから、あれこれネットで探索しては、ニヤニヤするのも楽しいのでした。


羨望のタックスマン

2014-02-06 14:52:08 | 日本のロック

恋よ恋よ恋よ / ザ・タックスマン (日本コロムビア)

ひとつのブームが大きな広がりとなれば、そこに有象無象が表れるのは、この世に理でしょう。

例えば昭和元禄期のGSブームは、その最盛が2~3年間であった現実の中で、夥しいバンドやグループがGSを標榜ししてレコードを出せたという、実に幸せな時代でありましたから、必然的に大ブレイクは無理だったとしても、忘れ難い印象を残し、今となっては「カルト」とさえ呼ばれる面々も少なくありません。

本日掲載したシングル盤がデビュー作であるタックスマンも、まさにそのひとつであり、失礼ながら、個性が無いのが個性的!?

みたいな逆説と後年の再発見~再評価によって、特に収録A面曲「恋よ恋よ恋よ」は人気が高いと思われます。

いゃ~、バンド全体のノリがツッコミ気味なのが、なかなかロックっぽい仕上がりなのは言わずもがな、実はこの「恋よ恋よ恋よ」は欧州で活動していたと言われるジェス&ジェイムズという男性デュオの持ちネタだった「Nothing But Love」が原曲であり、そこに片桐和子が日本語詞を附したという、所謂企画物に近い狙いが結果オーライ♪♪~♪

チープなギターの響き、荒っぽいドラムス、ちょっぴりズレ気味のコーラスをバックに切迫感のあるボーカルが、なかなか素敵なんですよっ!

書き遅れましたが、メンバーは吉見聖(vo)、上月潤(g)、葉山浩二(g)、三条タケシ(b)、瀬尾ヨシオ(ds) という5人組で、最初は関西周辺で活動していたそうですが、昭和42(1967)年末頃に上京し、翌年春に件の「恋よ恋よ恋よ」でメジャーデビューという経歴になっています。

そして一応、解散まで4枚ほどのシングル盤を出した事になっていますが、サイケおやじが実際に聴いたのは、その中の半分なんで、決定的な内容紹介は出来かねます。

しかし、それでも「恋よ恋よ恋よ」は突発的な傑作じゃ~ないのかっ!?

と思えるほど、素晴らしいですっ!

現在では様々なGSオムニバスの隠れ定番としてCD復刻もされていますから、機会があればお楽しみ下さいませ。

最後になりましたが、もちろんバンド名はビートルズの傑作曲に因んでいるわけでして、その堂々の開き直り(?)は羨ましくなりませんか?


 


それは深遠な川口真と由紀さおり

2014-02-04 14:23:48 | 歌謡曲

手紙 / 由紀さおり (東芝)

しかしイケイケな気分になりたくても、やっぱり独りになると癒しが欲しくなってしまうのは、生きていて当然の心理なのでしょう。

そこで聴きたくなるのが、由紀さおりの歌声である事も、また然り!?

本日掲載したのは、昭和45(1970)年に発売されたシングル盤で、もちろん収録A面曲「手紙」は説明不要、彼女の代表的な歌謡ヒットの決定版ですから、その安心感も今となっては癒しの大切なポイントかと思います。

ところが朝イチ、これを久々に聴いて吃驚仰天!

結論から言えば、作編曲を担当した川口真の天才性、特にアレンジの凄さには心の平静を失ってしまいましたよっ!

なんとっ! 全篇のベースライン、リズムアレンジが16ビートじゃ~ないのかっ!?

いゃ~、もう、ベースをメインにリズム隊だけ聴いても、全身の血液が沸騰してしまいそうです♪♪~♪

もちろん皆様ご存じのとおり、それは決して派手なプレイでは無く、楽曲の表層はエキゾチックな彩りが施された哀愁系のメロディは大いなる魅力なんですが、それにしてもねぇ~、リアルタイムよりは今頃になってハッとさせられる仕掛の妙は、まさに昭和歌謡曲の醍醐味のひとつと痛感させられました。

そして由紀さおりの素直なようでいて、実は奥深い歌唱表現は、本来の持ち味である癒し系の声質があればこそ、さらに輝く絶妙のフェイクが冴えまくり♪♪~♪

特にサビラストのキメになっている――

 なぁ~みだでぇ~ つづりぃ~おえた
 おわかぁれぇ~のぉ てがみぃ~~

――一その「ひとり芝居」の多重コーラスパートの素晴らしさは最高ですねぇ~♪

ちなみに作詞はなかしに礼なんですが、ここまで意図的にズラした川口真の作編曲にはご本人、どのような感慨を御持ちなのか、ちょっぴり気になるところでもあります。

極言すれば、これは隠れたニューソウル歌謡曲なのかもしれませんねっ!

ということで、所期の目的は癒しを求めていたはずが、すっかり気分が高揚モードに入ってしまいました。

うむ、やっぱりこうやっていくのが、今のサイケおやじには必要なんでしょうねぇ~。それを歌謡曲の神様が教えてくれたにちがいありません。

最後になりましたが、先ほど病院で医師から、当面のOKサインをいただきました。

もちろん自分でも体調が回復している事は実感していますし、気になる指の動きの「ぎごちなさ」も、なんとかなりそうな気配です。

そしてこの間の皆様のご厚情には、心から感謝しております。

さあ、心機一転、行けるところまでは、いきますよ。


イケイケ! あきいずみ♪

2014-02-03 14:38:43 | 歌謡曲

ヒッチハイク / あきいずみ (NAVI)

とにかく今の率直な気持ちとしては、行けるところまでは行こうっ!

体調も仕事も決して良い状況とは言えませんが、そんな中でも生かされている以上、常に前を向いていることが、ひとつの現状打破に繋がるように思うわけです。

そこで本日は突発的にイケイケな歌謡ロックをやらかしていた異端のアイドルとして、今や伝説のあきいずみ! その決定的な名曲名唱の「ヒッチハイク」を朝っぱらからドカドカ鳴らしてしまいました。

あぁ~、イントロからテンション高すぎるホーンセクションとリズム隊の攻撃的な姿勢、そしてネチネチ寸前のスケールワークに奔走するギターの響きに導かれ、エグ味と艶っぽさを同居させた彼女のボーカルの節回しは、およそアイドル歌謡なんて言葉は論外のロックフィーリングに溢れているんですねぇ~♪

それが昭和49(1974)年春に出されていたという事実を鑑みても、所謂「日本語のロック」に歌謡界から殴り込んだ感も強いと思われるのは、後追いのリスナーであるほどの感想かもしれません。

しかしリアルタイムで接したサイケおやじにすれば、これは平山三紀からの影響も激甚な歌謡曲であり、歌謡ロックの新しい展開としてシビれまくったんですけどねぇ~~♪

ちなみにこれは作詞:阿久悠&作編曲;井上忠夫の名コンビが書いたものですが、殊更井上忠夫は当時、なかなかR&Rに拘った作風も単なるオールディズ趣味に浸ることのないイケイケな仕様を優先させていたようで、他にも「うれしい体験 / 青木美冴」とか、非常に好ましいかぎり♪♪~♪

実は「ヒッチハイク」に続くシングル曲「バカンス」が、さらに高揚感の強い裏傑作として、井上忠夫の真髄を楽しめるんですから、流石と思うばかりです。

もちろん、あえて「裏」と書いてしまったのは、その「バカンス」にしろ、ご紹介した「ヒッチハイク」にしろ、現実的には全くヒットしていませんからっ!!

それは悲しい真実として受け止める必要があるでしょう。

ただし、あきいずみの歌の実力は本物であって、決してキワモノではありません。

未確認ですが、どうやら彼女は「あきいずみ」以外の名義で数枚のレコードを残していると言われていますし、もしかしたらその中には真性(?)ロックな歌唱も聞かれるのではないか?

そんな推察したくなるのがサイケおやじの本音というわけです。

ということで、相変わらず指の動きは上手くいきませんが、この「ヒッチハイク」におけるギタースケール風のキメリフを練習することが、案外とリハビリに適しているなぁ~んて、思っています。

よしっ! やってみようっ!


お久しぶりの日曜日に

2014-02-02 09:59:37 | 日本のロック

涙の日曜日 c/w 赤いリンゴ / ザ・スパイダース (フィリップス)

皆様、お久しふりでございます。

ここ数日の沈黙逼塞中、大変な失礼不義理を重ねてしまい、申し訳ございませんでした。

結論から申し上げれば、既に皆様ご推察のとおり、仕事の難儀からストレスと疲労の蓄積ゆえの事でしょうか、先月中頃から低血圧が続き、おまけに体が硬くなったというか、全身の柔軟性が失われた感じで、腹筋は痛いし、尻から太股の筋肉もバンバンに張って、歩行がぎごちない事が周囲にも分かるほど……。

しかも指までもが上手く曲がらなくなって、まあ、物を掴めますが、滑らかに動かないのですからキーボードも打てず、必然的に拙プログの更新も出来なくなりました。

もちろん医師の受診も、何か煮え切らず、数種類の薬とリハビリ&休養しか、当面は不可という事ですからねぇ……。

しかし、こっちは所詮素人ですから、言われてとおりに苦しんで本日、ど~にかこれを書いている次第であります。

う~ん、まだまだ指が上手く動かないですよ、ヤバイなぁ~~~。

何やっても、腹筋や首筋や尻筋が痛いしなぁぁぁぁぁ~。

これで今日が日曜日とあっては、サイケおやじが口ずさむのは、掲載のシングル盤A面曲「涙の日曜日」しかありえませんよ。

 君のいない さびしさつのる
 雨のふる 日曜日・・・

演じているスパイダースは説明不要、我国GSブームを牽引し、実力も人気もトップに君臨した最高のロックバンドでありましたが、流石に昭和44(1969)年に入ると業界全体が衰退期に入ったようで、それはロックを標榜しつつも歌謡曲や歌謡フォーク、あるいはムード歌謡コーラス等々までも包括する汎用性の高いジャンルとしてのGSの新しい進化の道を辿る事でもあったとはいえ、流石のスパイダースもその流れに些かの……。

こうして同年春に発売された件の新曲「涙の日曜日」は、久々に外部作家が起用され、それは作詞:なかにし礼&作編曲:鈴木邦彦という、丸っきり歌謡ポップス路線にどっぷりの楽曲を実質的に堺正章のソロで仕上げるという超荒業!?!

なにしろ曲メロが哀愁のカントリー歌謡とでも申しましょうか、バックには甘いストリングスが配され、堺正章の節回しも既に後の歌謡ヒット連発時代と何ら変わらない、あの「味」が強く滲んでいますからねぇ~~~♪

もちろん、リアルタイムでは、そんなこんなは意識していませんでしたが、GSやニッポンのロック云々は別にして、素敵な歌だなぁ~~♪

という思いは強くありましたですねぇ~~♪

ちなみにバックの演奏にはイントロやリズム隊のグルーヴ感等々にスパイダースとしての存在感が、どうにか打ち出せているのは流石というところでしょうか。

その意味でB面収録の「赤いリンゴ」がA面と同じ職業作家コンビからの提供楽曲でありながら、グッとヘヴィなソウル歌謡になっているのは大野克夫がアレンジを担当した成果でありましょう。

特にギターやエレキベース、キーボードとホーンセクションの結果論的コンビネーションの快感はクセになるんですよ♪♪~♪ 当然ながら、演奏パートはスパイダースがメインと思いたいです。

ということで、まだまだ体調は不完全なんですが、仕事は完全に休ませてもらえるはずもない酷い世界ですから、せめて好きな音楽や映画等々は日々の生きる糧にしたいものです。

あぁ~、そしてこうして久々にキーボードを打っていたら、少~しずつですが、調子も戻ってきました♪♪~♪

一応、今週火曜日には完全復活を目指すという状況というご報告を最後に、本日はここまでとさせていただきます。