これは、週刊朝日4月9日号の記事の紹介である。大見出しは【「記者クラブ崩壊」 鳩山首相の会見に初出席】。その枠外ゴチック書き出しがことの本質を上手くまとめているので、それと、本文書き出しとを、先ず見ておこう。
【民主党政権誕生から約半年、鳩山由紀夫首相が日本最大の記者クラブ「内閣記者会」の支配する「官邸記者会見」を開放した。霞ヶ関と記者クラブが一体となった「官報複合体」による世論誘導と国民洗脳の実態を告発してきたジャーナリストの上杉隆氏に、「官邸記者クラブ崩壊」の瞬間を聞いた】
【 政権交代から約半年を経た3月26日、鳩山由紀夫首相がようやく官邸での首相記者会見をオープンにしました。「内閣記者会」の抵抗を排して「記者クラブ制度の改革」に一歩踏み出した鳩山首相には率直にお礼を申し上げたい】
次いで、このことのこの上なく重大な意味。
【 公権力が自己防衛のために情報を操ろうとするのは古今東西当たり前の話で、そうさせないように権力を監視するのがジャーナリズムの使命です。しかし、日本の既存メディアは公権力と対峙するどころか、官僚と「官報複合体」をつくり一体となって情報を操作し、国民を洗脳してきました。
その「官報複合体」の象徴が「記者クラブ制度」ですからね。
記者クラブには大手メディアの記者しか加盟できず、 そうやって情報を寡占する一方で、クラブ加盟社は権力側からリークされる情報を疑うことなく横並びで「広報」してきました。リーク情報に無批判になり、メディア間の競争原理もほとんど働かない状況は、事実上国民の知る権利を奪ってきたとも言えます。
しかも、たちの悪いことに、日本の既存メディアには自分たちが国民をミスリードしているという意識さえありません。記者も洗脳されているからです】
さらに、筆者達のここまでの実践と苦労、および、大メディアの妨害の数々。
【(ビデオジャーナリストの神保哲生氏などは21年闘ってきたのですが)私は「政府の記者会見の開放」を11年前から訴えてきました。しかし、記者クラブ批判を展開することほど損な役回りもありません。
たとえば私の場合、記者クラブ批判を初めて以来、テレビ局の解説やレポートの仕事が一切なくなりました】
最後に、今後への希望と言っても良いものを。
【外務省の記者会見をいち早くオープンにした岡田克也外相もオープン半年を振り返って、「(フリー記者が入ることで)いろんな価値観、多様性のある質問に触れて非常に勉強になった。楽しんでいます」と言っていました。
そう、政治の記者会見の開放は、政治家、官僚、記者の健全な緊張関係の構築を促し、民主主義の発展に寄与し、結果、国民全体の利益になるんです】
ところで、こんな大ニュースなのだが、大マスコミ、テレビは報道しないよな! これだけでも「報道規制」「偏向報道」の典型であり、こういう「実績」についておおいにやましいところがあるということにもなる。何が「公器」だ、何が「公正」だ!! 昨日ここに書いた拙稿も多分正論なのだろう。元テレビディレクターらしき「らくせき」さんも、おおむね正鵠だろうと、支持メールをくださったことでもあるし。