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新聞の片隅に載ったニュースから(155)    大西五郎

2014年07月04日 16時16分07秒 | Weblog
「支出増え、ゆとりなし」 日銀、生活意識調査(14.7.4 朝日新聞)

収入は変わらないのに支出は増え、ゆとりがなくなってきた――。日本銀行が3日まとめた6月の「生活意識に関するアンケート」で、消費増税や物価上昇で家計のやりくりが苦しくなっている事情が浮かび上がった。
20歳以上を対象にした3カ月に1度の調査で、全国2275人が答えた。支出が前年より「増えた」と答えた人の割合から「減った」の割合を引いた指数はプラス25・1と、前回の3月調査より7ポイント増えた。これに対し、収入についての指数は前回から横ばいだった。さらに、物価が上がった」と回答した人は7割を超え、ガソリン価格が高かった2008年12月以来の高水準となった。
このため、今のくらしが1年前より「ゆとりがなくなってきた」と答えた人は43・7%にのぼり、13年3月以来の高水準となった。
景気が前年より「良くなった」と答えた人の割合から「悪くなった」と答えた人の割合を引いた指数はマイナス10・0と前回より3.6ポイント悪化した。1年後の景気も「変わらない」と答えた人が約6割を占めた。

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同じ紙面(ページ)に「賃上げ15年ぶり2%台 中小・非正規は低調 春闘 連合集計」という記事がありました。連合の集計によりますと、会社側に賃上げを求めた7174労組のうち、7月1日時点で約8割の労組が妥結し、平均の賃上げ額は5928円と前年よりも1062円多く、賃上げ率は0・27%だったということです。
しかし総務省が発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同期比3・4%の上昇でした(6月28日中日新聞)。2%の賃上げがあっても、3%の物価上昇に追いついていない生活実態を、日銀の調査は示しています。
さらに連合の調査で、中小企業の平均賃上げ率は1・76%、額にして2020円。大企業平均より1448円少なく、非正規社員の時給が増えたのは平均で11・64円でした。
やはり同じ紙面で「役員報酬1億円超 最多360人」と出ていました。数日前にも、日産のゴーン社長の2013年度の報酬が9億9500万円、トヨタ自動車の豊田章男社長も12年度より4600万円増えて2億3000万円ということが記事になっていました。
一方、6月27日に厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率は前月より0・01ポイント高い1・09倍でした。数字の上では仕事を探している人の数を上回る求人があったということですが、「求人の中心は依然非正規が占め、正社員に限れば求人倍率は0・67倍と3人に2人分の仕事しかない」(6月27日朝日新聞夕刊)というのが実情です。
アベノミクスは株高や自動車生産台数の増加など、一見華やかに進んでいるようにみえますが、庶民の生活を改善するには至っていないようです。
                                          大西 五郎
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随筆紹介  「爆 睡」    文科系

2014年07月04日 13時06分49秒 | 文芸作品
 爆 睡   H.S さんの作品です

   
 キリスト教の教えでは、人は死ぬと肉体は滅び消滅しますが、魂はこの世にのこり、後に残された人たちを見守り続けるといわれています。仏教の教えでは人は死ぬとどこかに生まれ変わり、命はつながってゆくと考えられています。突然皆様の目の前からご縁のある人が消えてしまいますが、これは生まれ変わるため、一時姿が見えなくなると思われた方がよいでしょう。年若い法話講師が広大な寺の庭の一角に立ち、何百人の人達を前にして話しはじめた。
 木立から降りてくる風が心地よく最良の法話日和だとうれしくなり、しっかり聞いてかえろうと身構えた。
 人は死んでもどこかにうまれかわるのか……。その言葉を心の中で復唱した時、体がふわりと軽くなった。?、?、?。
 突然、ざぁー。ざぁーと私の耳もとで大きな音響が湧き上がった。
 何事が起こったんだ。びっくりしたわたしは素早く周りを見渡した。それは、法話を語り終えた講師を労う人達のおおきな拍手のうねりだった。
 はじめの二、三分ぐらいの話を聞いて眠ってしまったようだ。居眠り? いやそんな軽いものじゃない。四十分の講演を丸ごと覚えていない。これは、爆睡だ。講師の話ぶりも好感の持てるものだった。だのに何故だ。人の話を聞く時はその話の中に入り込み、自分流の想像を膨らませるのが面白くて、居眠りなどする暇がない。そんなわたしが、こんなことをするようになっていた。
 劇場で落語を聞きながら、はじめから終演まで眠ってしまうおじさんに出会った。この人は、時間をかけ、交通費と木戸銭を払い、まわりの爆笑の中でも安らかに舟をこぐ不思議人だと、呆れて見ていた。が、今日のわたしは、おじさんと同じ事をやっているではないか。
 なんのために京都くんだりまで出かけてきたのだ。お寺が年二回春と秋に開催する親鸞さん、蓮如さんの生誕を祝うお祭日に合わせ、墓参りを兼ねて夫と二人で出かけるのは、法話と笙、篳篥、横笛など和楽器の演奏を聴くためではないか。毎年やっている我が家の年間行事だ。少々寝不足でも朝一で一座経をあげてもらい墓参りをすませ、駆け足で頼まれごともきちんとすませる。さあ自分の楽しみの時間と心弾ませていた。だのに、……。さぞ面白い話が聞けたことだろうにと、ちょっと悔しかった。

 日曜日、町内の清掃に出かけた。梅雨のさなかというのに、朝八時から気温は三十度に迫っていた。二時間の作業で側溝のごみを拾い、道の草刈りも終えることが出来たので、引き揚げ帰宅した。
一息ついたら買い物に行こうと茶を飲み、ソファーに座った。そこから、またもや……。?、?、?。
 バターンと大きな音がした。何の音だ……?。玄間ドアの開いた音だ。
 またまた、わたしは……、爆睡していた。

 袋に詰め込んだごみを車に乗せ、集積場へ運んで行った夫が帰ってきたのだ。
 前のめりで足がもたつく姿勢で、台所に駆け込んできた。
 「熱い……」、冷蔵庫からイオン水を出してがぼがぼ飲み込み、居間に引き上げた。
 今から、夫の運転で買い物に行く時間はない。昼ご飯の支度にかかった。
 「できたよ」と声掛けしたが返事がない。
 ソファーで休憩していた夫が爆睡していた。

 目いっぱい予定を消化しようとするのだが、体が追いついてゆかない。そういうことなんだ………。
 わたしの爆睡も落語おじさんの休眠も、その人の体力の限界を察知した感覚神経が無意識のうちに脳に信号を送り体を守るため幕引きをする、自衛行為だと気付いた。

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