野中氏「9条死守を」 集団的自衛権を批判 名古屋(14.7.8 中日新聞)
名古屋市内で六日、元官房長官の野中広務氏が講演した。安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定を「暴挙」と批判し、「平和で今を迎えられているのは憲法があったから。その九条は死守しなければならない」と訴えた。
野中氏は、今回の閣議決定について「憲法解釈が、一つの内閣で変更されてはならない」と強調。安倍晋三首相が閣議決定後、安全保障の関係強化などのために外遊に出掛けたことを「積極的な活躍をしていると言うが、最も近い韓国や中国と対立状況のまま、集団的自衛権の閣議決定という暴挙をやった。いくら平和を叫んでも空念仏だ」と指摘した。
戦時中、朝鮮半島から強制連行された人たちが虐待されている姿を目の当たりにした体験にも触れた上で「政治家は、日本がどんな戦争の爪痕を残してきたか、謙虚に考えてやっていかないといけない」と注文した。
講演は朝鮮半島の南北統一活動を支援するNPO法人「三千里鉄道」(豊橋市、都相太・トサンテ理事長)が「東北アジアの平和を求めて」をテーマに開催。野中氏は、小渕恵三首相と韓国の金大中大統領が一九九八年に新たな日韓関係の構築を目指す共同宣言を発表した際に、官房長官を務めていた。
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加藤紘一元自民党幹事長・官房長官、古賀誠元自民党幹事長(古賀氏は日本遺族会の会長でもあった)、山崎拓元自民党副総裁など現役を引退したかつての大物議員たちが安倍首相の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を批判しています。これもその一つの現れです。
現役の自民党国会議員は陰では集団的自衛権の行使に不安を抱きながらも、党の会議などでは異論は聴かれません。唯一村上誠一郎元行革担当相が党の総務会で反対を表明しただけです。
きょうの毎日新聞の投書欄に「自民議員、なぜもの言わぬ」という64歳の会社員の方の投書が載っていました。「一昔前は派閥での賛成・反対との意見も聞こえてきたが、これも小選挙区制の弊害なのだろう。もの言えない自民党議員殿、これが現実ですか、これでいいのですか」
安倍首相は6日からニュージランド、オーストラリア、パプアニューギニアの3国訪問に出掛けましたが「8日にはオーストラリア議会で演説し、集団的自衛権の行使容認を踏まえた安全保障関連の法整備へ決意を表明する」(8日中日新聞)ことにしています。
首相は安全保障法制について「なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるように、日本は安全保障の法的基盤を一新しようとしている」と演説する予定と云われます。一番新しいJNNの世論調査(7日発表)では「与党協議などで集団的自衛権の議論は尽くされたと思いますか」の質問に、81%の人が「不十分だった」と回答しています。国民に対する説明と国民の意見を聞くということも行なわれていないのに、外国の首脳や議員にこれまでの国の方針を変えて、武力の行使も辞さないと約束しているのです。こういうのを本末転倒と言います。
大西 五郎
名古屋市内で六日、元官房長官の野中広務氏が講演した。安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定を「暴挙」と批判し、「平和で今を迎えられているのは憲法があったから。その九条は死守しなければならない」と訴えた。
野中氏は、今回の閣議決定について「憲法解釈が、一つの内閣で変更されてはならない」と強調。安倍晋三首相が閣議決定後、安全保障の関係強化などのために外遊に出掛けたことを「積極的な活躍をしていると言うが、最も近い韓国や中国と対立状況のまま、集団的自衛権の閣議決定という暴挙をやった。いくら平和を叫んでも空念仏だ」と指摘した。
戦時中、朝鮮半島から強制連行された人たちが虐待されている姿を目の当たりにした体験にも触れた上で「政治家は、日本がどんな戦争の爪痕を残してきたか、謙虚に考えてやっていかないといけない」と注文した。
講演は朝鮮半島の南北統一活動を支援するNPO法人「三千里鉄道」(豊橋市、都相太・トサンテ理事長)が「東北アジアの平和を求めて」をテーマに開催。野中氏は、小渕恵三首相と韓国の金大中大統領が一九九八年に新たな日韓関係の構築を目指す共同宣言を発表した際に、官房長官を務めていた。
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加藤紘一元自民党幹事長・官房長官、古賀誠元自民党幹事長(古賀氏は日本遺族会の会長でもあった)、山崎拓元自民党副総裁など現役を引退したかつての大物議員たちが安倍首相の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を批判しています。これもその一つの現れです。
現役の自民党国会議員は陰では集団的自衛権の行使に不安を抱きながらも、党の会議などでは異論は聴かれません。唯一村上誠一郎元行革担当相が党の総務会で反対を表明しただけです。
きょうの毎日新聞の投書欄に「自民議員、なぜもの言わぬ」という64歳の会社員の方の投書が載っていました。「一昔前は派閥での賛成・反対との意見も聞こえてきたが、これも小選挙区制の弊害なのだろう。もの言えない自民党議員殿、これが現実ですか、これでいいのですか」
安倍首相は6日からニュージランド、オーストラリア、パプアニューギニアの3国訪問に出掛けましたが「8日にはオーストラリア議会で演説し、集団的自衛権の行使容認を踏まえた安全保障関連の法整備へ決意を表明する」(8日中日新聞)ことにしています。
首相は安全保障法制について「なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるように、日本は安全保障の法的基盤を一新しようとしている」と演説する予定と云われます。一番新しいJNNの世論調査(7日発表)では「与党協議などで集団的自衛権の議論は尽くされたと思いますか」の質問に、81%の人が「不十分だった」と回答しています。国民に対する説明と国民の意見を聞くということも行なわれていないのに、外国の首脳や議員にこれまでの国の方針を変えて、武力の行使も辞さないと約束しているのです。こういうのを本末転倒と言います。
大西 五郎