首相「川内はなんとかします」 九電会長らと会食中(14.7.19 朝日新聞)
安倍晋三首相は18日夜、視察に訪れた福岡市内で、貫正義九州電力会長ら九州の財界人と会食した。出席者から九電川内原発(鹿児島県)の早期再稼働を要請された首相は「川内はなんとかしますよ」と応じたといい、再稼働に前向きな安倍政権の姿勢をより鮮明にした。
首相は福岡市博多区の料亭で約2時間、貫会長らと会食、麻生副総理兼財務相の弟の麻生泰九州経済連合会会長、石原進JR九州相談役らが同席した。会食後、石原氏が首相とのやりとりを記者団に明らかにした。
川内原発をめぐっては、原子力規制委員会が16日、安全対策が基準を満たすとする審査書案を公表し、再稼働が確実になったばかり。
安倍政権は「規制委が基準に適合すると認めた原発は再稼働を進める」との方針で、再稼働の環境整備を進めてきた。規制委の審査書発表を受け、首相は16日、「一歩前進ということだ」と評価していた。
同時に「再稼働が政権に与えるダメージを抑えるように細心の注意を払う」(政府高官)として、再稼働について規制委や電力会社の役割りを強調してきた。
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川内原発1,2号機については、16日に原子力規制委員会が新規制基準への適合審査の事実上の合格を認める審査書案を了承しました。しかし原子力規制委員会の田中俊一委員長は「一定程度、安全性は高まった」としながらも、「審査をクリアしても安全だと私は言わない。安全と言うとゼロリスクと誤解される。規制委はできるだけリスクを下げるための審査をしたということで、九州電力はますます努力する必要がある。(規制委は)稼動の判断には関与しない。再稼働させるかどうかは、電力会社と住民、政府で判断される」と述べました。(17日毎日新聞)
政府は安全性が確認された原子炉は再稼働させるという方針をとっていますが、表向きは「最終判断は地元の理解を得て」と政府が前面に立つことを避ける方針をとっています。
しかし福島の原発事故の収拾は首相のIOC総会での「Under Control」の大見得とはうらはらに、収束の目処も立っていません。このため各種世論調査では「原発再稼働反対」や「原発は順次なくせ」という意見が多数を占めています。その上、事故が起きた場合の住民避難計画が確立されている必要がありますが、原発周辺自治体では避難計画が確立されていないところも多いのが現状です。
しかし安倍首相は表向きの「地元の了解を得た上で再稼働」とは別に、「なんとかします」と財界に約束しました。安倍首相は集団的自衛権の問題で「私は国民の安全を守る責任がある」と何度も胸を張りましたが、「国民の安全」よりも「財界の要請」を優先するという安倍政権の本質が現れたことをこの「なんとかします」は示しています。
大西 五郎
安倍晋三首相は18日夜、視察に訪れた福岡市内で、貫正義九州電力会長ら九州の財界人と会食した。出席者から九電川内原発(鹿児島県)の早期再稼働を要請された首相は「川内はなんとかしますよ」と応じたといい、再稼働に前向きな安倍政権の姿勢をより鮮明にした。
首相は福岡市博多区の料亭で約2時間、貫会長らと会食、麻生副総理兼財務相の弟の麻生泰九州経済連合会会長、石原進JR九州相談役らが同席した。会食後、石原氏が首相とのやりとりを記者団に明らかにした。
川内原発をめぐっては、原子力規制委員会が16日、安全対策が基準を満たすとする審査書案を公表し、再稼働が確実になったばかり。
安倍政権は「規制委が基準に適合すると認めた原発は再稼働を進める」との方針で、再稼働の環境整備を進めてきた。規制委の審査書発表を受け、首相は16日、「一歩前進ということだ」と評価していた。
同時に「再稼働が政権に与えるダメージを抑えるように細心の注意を払う」(政府高官)として、再稼働について規制委や電力会社の役割りを強調してきた。
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川内原発1,2号機については、16日に原子力規制委員会が新規制基準への適合審査の事実上の合格を認める審査書案を了承しました。しかし原子力規制委員会の田中俊一委員長は「一定程度、安全性は高まった」としながらも、「審査をクリアしても安全だと私は言わない。安全と言うとゼロリスクと誤解される。規制委はできるだけリスクを下げるための審査をしたということで、九州電力はますます努力する必要がある。(規制委は)稼動の判断には関与しない。再稼働させるかどうかは、電力会社と住民、政府で判断される」と述べました。(17日毎日新聞)
政府は安全性が確認された原子炉は再稼働させるという方針をとっていますが、表向きは「最終判断は地元の理解を得て」と政府が前面に立つことを避ける方針をとっています。
しかし福島の原発事故の収拾は首相のIOC総会での「Under Control」の大見得とはうらはらに、収束の目処も立っていません。このため各種世論調査では「原発再稼働反対」や「原発は順次なくせ」という意見が多数を占めています。その上、事故が起きた場合の住民避難計画が確立されている必要がありますが、原発周辺自治体では避難計画が確立されていないところも多いのが現状です。
しかし安倍首相は表向きの「地元の了解を得た上で再稼働」とは別に、「なんとかします」と財界に約束しました。安倍首相は集団的自衛権の問題で「私は国民の安全を守る責任がある」と何度も胸を張りましたが、「国民の安全」よりも「財界の要請」を優先するという安倍政権の本質が現れたことをこの「なんとかします」は示しています。
大西 五郎