「国民は安全保障に臆病」菅氏、支持率低下を説明(14.7.29 中日新聞)
菅義偉官房長官は二十八日、首相官邸で会談したカナダのベアード外相から、安倍政権の最近の支持率低下の理由を聞かれたのに対し「国民が安全保障に臆病だからです」と述べた。
ベアード氏が「安倍政権の経済政策はこんなにうまくいっているのに、なぜ支持率が落ちているのか?」と質問したのに答えた。
会談では、安倍政権の経済政策や両国の経済連携協定(EPA)締結について協議。この中で、菅氏は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈見直しを閣議決定したことを説明し、ベアード氏からは支持する意向が伝えられた。
安倍政権の支持率は集団的自衛権の行使容認後、下降気味。共同通信社の今月一、ニ両日の調査では47・8%で、六月から4・3ポイント下落した。
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「国民は安全保障に臆病だからです」がどういうことなのか、この記事の説明だけではわかりませんし、他の新聞はこのことに触れていませんので、想像するしかありませんが、「安倍首相が進めようとしている集団的自衛権を行使するようになると、日本が他国との戦闘に巻き込まれることを恐れている。日本の国民は自ら銃を執って敵に立ち向かうという気概が薄く、積極的平和主義という安倍首相の方針がよく理解されていない」とでも言いたかったのでしょうか。
29日の日経新聞には、日経新聞が7月25~27日に行なった世論調査の結果が報告されていましたが、首相が集団的自衛権の行使容認にあたり「武力行使は必要最小限度にとどめるなどの『新3要件』を規定した。行使の範囲には歯止めがかかる」としていることに対して、「かかる」の回答は23%しかなく、「かからない」と判断する人が53%で、首相の言っていることが国民に信用されていません。歯止めがかからなければ、菅官房長官が言うように「他国との戦闘に巻き込まれることを恐れる」から安倍首相の政策を信用できず、「支持できない」となるのです。
今年は第一次世界大戦勃発から100年ということで、各地で慰霊や平和を願う行事が営まれていますが、きょうの毎日新聞の「第一次大戦100年 世界はいま」という特集によりますと、第一次大戦で仏英両国では自国軍によって銃殺された兵士が少なくなかったといいます。フランスでは上官への反抗で、イギリスでは逃亡が主な理由だそうです。上官に命令された仲間の銃殺を拒否したり、戦闘中行方不明となったというケースが多かったといいます。勇敢な兵士でも耐えられないような過酷な戦場だったといいます。このためイギリスではそうした兵士の名誉を回復したといいます。フランスでは名誉を回復するかどうかの議論が続いているそうです。
菅官房長官は「国民は安全保障に臆病だ」と言います。そして安倍首相は若い人が「お国の為に」と身を投げ出してくれることを望んでいるのかも知れませんが、国民が納得できない政策を無理矢理推し進めようとすることを国民は「支持できない」と言っているのです。
大西 五郎
菅義偉官房長官は二十八日、首相官邸で会談したカナダのベアード外相から、安倍政権の最近の支持率低下の理由を聞かれたのに対し「国民が安全保障に臆病だからです」と述べた。
ベアード氏が「安倍政権の経済政策はこんなにうまくいっているのに、なぜ支持率が落ちているのか?」と質問したのに答えた。
会談では、安倍政権の経済政策や両国の経済連携協定(EPA)締結について協議。この中で、菅氏は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈見直しを閣議決定したことを説明し、ベアード氏からは支持する意向が伝えられた。
安倍政権の支持率は集団的自衛権の行使容認後、下降気味。共同通信社の今月一、ニ両日の調査では47・8%で、六月から4・3ポイント下落した。
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「国民は安全保障に臆病だからです」がどういうことなのか、この記事の説明だけではわかりませんし、他の新聞はこのことに触れていませんので、想像するしかありませんが、「安倍首相が進めようとしている集団的自衛権を行使するようになると、日本が他国との戦闘に巻き込まれることを恐れている。日本の国民は自ら銃を執って敵に立ち向かうという気概が薄く、積極的平和主義という安倍首相の方針がよく理解されていない」とでも言いたかったのでしょうか。
29日の日経新聞には、日経新聞が7月25~27日に行なった世論調査の結果が報告されていましたが、首相が集団的自衛権の行使容認にあたり「武力行使は必要最小限度にとどめるなどの『新3要件』を規定した。行使の範囲には歯止めがかかる」としていることに対して、「かかる」の回答は23%しかなく、「かからない」と判断する人が53%で、首相の言っていることが国民に信用されていません。歯止めがかからなければ、菅官房長官が言うように「他国との戦闘に巻き込まれることを恐れる」から安倍首相の政策を信用できず、「支持できない」となるのです。
今年は第一次世界大戦勃発から100年ということで、各地で慰霊や平和を願う行事が営まれていますが、きょうの毎日新聞の「第一次大戦100年 世界はいま」という特集によりますと、第一次大戦で仏英両国では自国軍によって銃殺された兵士が少なくなかったといいます。フランスでは上官への反抗で、イギリスでは逃亡が主な理由だそうです。上官に命令された仲間の銃殺を拒否したり、戦闘中行方不明となったというケースが多かったといいます。勇敢な兵士でも耐えられないような過酷な戦場だったといいます。このためイギリスではそうした兵士の名誉を回復したといいます。フランスでは名誉を回復するかどうかの議論が続いているそうです。
菅官房長官は「国民は安全保障に臆病だ」と言います。そして安倍首相は若い人が「お国の為に」と身を投げ出してくれることを望んでいるのかも知れませんが、国民が納得できない政策を無理矢理推し進めようとすることを国民は「支持できない」と言っているのです。
大西 五郎