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おかしな、おかしな世界  文科系

2015年03月09日 11時50分20秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 3年以上前に書いた下のエントリーが今日も又、「人気記事」ベスト10に上がっています。現代世界最大の本質的な政治経済問題と考えて来ただけに、「読む人は読んでるんだ」と、嬉しくなります。
 これを再掲するとともに、若干のコメントを加えたいと思い立ちました。

【 日本5大銀行「国債売買が収益源」? 文科系 2011年11月15日
  
 本日の中日新聞6面経済欄にこんな記事があって、目が吸い寄せられた。
 見出しが『大手5銀行18%増収 本業伸びず国債売買益が貢献 9月中間』と。
 三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友トラストの5つのことなのだ。この5グループがこの並び順に儲けたのだそうだが、最大が三菱UFJで9000億、最小が三井住友トラスト1800億円ということだった。そして、来期それぞれの計画がこう書いてある。
『十二年三月期の純利益は、みずほを除く四グループが上方修正、五グループ合計で25.3%増の二兆二千百億円を見込む』

 この記事で、最も目がいった部分はこんな記述だ。
『本業の貸し出しが伸びず、貸出金利と調達金利の差に当たる利ざやも縮小。国債の売買に収益源を求めざるを得ない現状に、りそなホールディングスの細谷英二会長は「銀行経営からすれば、国債に代わる商品はなかなかない」と苦しい胸の内を明かした』
『各グループが保有するギリシャやイタリアなど欧州債務国五カ国向けの国債や貸し出しなどの投資残高(九月末時点)は約二兆円。欧州問題への警戒感は強く、今後も推移を見守る姿勢を示した』

 これへの印象はこんなところ。
 この不景気の中、大投資銀行は結構儲けているものだな。それも、ギリシャ、イタリア、スペインなど欧州の国債関連で儲けていることもはっきりしているようだ、と。としたらやっぱり、空売りで儲けているのだ、と。この内容についてまず、こう言える。僕がこの間ここで最も問題にしてきた国際経済予測が不幸にも当たっていたということが示された。10月13日に「ギリシャ危機、空売りは?」、および11月3日「ギリシャに想う」などのことだ。とするとつまり、「腐ったギリシャ」という国際的大々的ニュース報道は、空売りで儲けることにつながったスピーチという役割、側面をも、客観的には持っていたことになる、な。
「この勢力にとってはTPPは絶対善なのだろうな」とかも、頭にちらついたものだ。こうして最も心配なことはこれ。

「儲ける人の背後には、損する人がいる。この銀行の利益って結局、ギリシャ、イタリア国民などに付けが回される?」
「それにしても、他国のどん底の不幸が、唯一金儲けのチャンスになる社会って?」
「利ざやや投資自身で儲けられないって、銀行以外の企業はほとんど悪いってことだろう?」

 みなさんの感想は いかが? 】

 空売り自身の仕組みについては、97年アジア通貨危機(これも日米が仕掛けたのでしょう)の震源地・タイについての専門学者の解説例が以下の拙稿にありますから、参照ください。
『世界経済史の今を観る(6)通貨危機の仕組み・タイの例 2013年03月29日』。
 
 なお、最初のエントリー「五大銀行・・・」の末尾、この部分は今凄くクローズアップされてきたと観ています。
『「それにしても、他国のどん底の不幸が、唯一金儲けのチャンスになる社会って?」
「(銀行が)利ざやや投資自身で儲けられないって、銀行以外の企業はほとんど悪いってことだろう?」』

 では、株価○万円・・って騒がれている状況は、何なんでしょう。背景は国家による直接投資。黒田バズーカで刷った金をどんどん投資するんだから上がって当たり前。でも、これは国家主導で経済実態の裏付けが全くない、完全なバブルですよね。しかもこんなこと、違法のハズだが、必ず暴落すると思うのです。90年代の日本住宅バブル、07~8年アメリカ・リーマンショックのように。その時、誰が勝ち逃げするのでしょうか。インサイダー取引さながら、情報が速く入る奴に決まっています。株高に釣られて投資する個人投資家はもちろん、弱小国も売り時を誤るように持って行かれる。そのお金は日米の銀行に入るのではないでしょうか。それでも銀行が又多数潰れるはずですが。そのために日本政府が励んでいるって、実におかしな世界、社会という気がします。もう病気と決めつけて良い。南欧、アフリカ、東南アジアなど、世界に無数に失業者が増えているのに、実業を盛り上げるために金が使えない状況なのだから。ドルの権威もしっかり無くなっているのだし。それほどに世界断末魔の困窮ということだと思います。トマ・ピケティの大流行も、こういうオカシサへの根本的告発なのでしょう。
コメント (16)
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