以下は、「金融が乗っ取る世界経済」関連で、最近書いた二つのコメント。サブプライムバブルがこうして発明され、起こり、膨大に膨らんで行き、そこに世界中が巻き込まれ、結果1000兆円という膨らんだ資産が世界から消えていき、その結果世界の素人が大損をしたのに、玄人は最も速く損から逃げていた上に、国家による税金救済があったという、その仕組みの一端をご披露したという、そういうコメントです。
ただし、以下の前者、ギリシャはこういうもの。「死ぬほど金が欲しい人々こそ、われら最大の顧客である」。これ、あるアメリカの投資会社社長の言葉ですが、そんな人々でも資産がなければ問題外、つまり相手にはしてくれません。国家は流石に資産がありますよね。土地も建物など国家資産も、何よりも莫大な今後の税金がある、この将来の税金を「国民に回すのではなく、借金返済に回せ」というのがこう言い換えられるのである。
「何よりも財政再建!」
金が欲しい、中小国家って、欺しやすいでしょうね。無数に欺されてきたはずです。
【 ギリシャ問題の本質 (文科系)2016-10-14 05:03:08
一時世界で大騒ぎされた、ギリシャ国家財政危機問題。この一方の本質が、アメリカはゴールドマンの仕業とこのブログに何回も書いてきました。そのことが、この書「金融が乗っ取る世界経済」には、きっちりと解説してありましたね。こんな風に。
『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(P200)
この文章の意味がきちんと分かる人が日本にどれだけ居るでしょうか。僕はこれをなんとか理解するのに、1時間以上かかった。それも、今も尚数学に強い我が連れ合いにこの前後を読んで貰った上でちょっと討論できた末のこと。「ギリシャ国債の空売り」、CDSなどはともかくとして、「裸のCDS」とか、「ギリシャ国債のCDS掛け金がどんどん上がる」とか「(すると)新規国債の利子率が上がる」とか。
こんなに難しいものを国民が知って反対し始めるまでには、歴史的時間が実に多くかかるもの。だからこそ、文中のこんなことも起こっているわけです。
『ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが(、英米では認められている)』
裸のCDSとは何か。この金融保険の「裸の」って、難しすぎてここでは説明のしようがないので、作者の文章から易しい比喩的説明だけをあげておきます。
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(P199)
かくして、この「裸のCDS」ゆえに、こんなことが無数に起こってきた。火災保険が掛けられた家の持ち主でない人々が、この家を燃やして保険金を貰おうという行動を密かに始めるのだ。さらにそのために、安い掛け金の同じ家の別番号CDS保険を無数に買い集め始める、とか。ちなみに、これが家でなくて社債の保険であるならば、間違いなくその会社を潰していくことになります。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなるという理屈です。
皆さん、ギリシャはこうして潰されました。アメリカのゴールドマンがやったことです。】
【 情報の非対称性 (文科系)2016-10-26 02:28:25
藤田保健衛生大学の関係者に聞いたことがあります。学校の虎の子の金を奪われたでしょ。裁判をするとかしないとか聞いてますが、やっても負けますよ。「合法的な泥棒」なんですから。その方は、こう応えられました。
「本当に、あんな泥棒みたいなことができるんですね。みんなそう言ってますよ」
と、こんなことが世界で南山大学も含めて一定金を貯めている法人などで無数に起こったのがリーマンショック、あのバブル弾け。こう言ういかがわしい商品を勧める時には、上の「裸のCDS」などは最大限利用されたはずだ。こんなふうに。
「この商品の大元には保険がかかっていて、破綻のようなことは起こりません。起こったら保険金が出るということですし、これが信用になってAAA格付けが付いているんですから!」
大学関係者などはころっと欺されますよね! 情報の非対称性というものです。金融工学では、これが最大限に利用されて、無数の詐欺が起こっているということでしょう。
ネズミ講みたいなものを超高額で売る。ほとんど金がない人に家を売り、その借金証書同様の債券を不特定多数に売りつけるって、それが「信用のおける金融商品」というAAA格付けが付いているって、格付け会社も含めて「合法的な泥棒」という理解しかできないはずです。こんな大々的仕掛けがある高等な手口は、何と解説したらよいのでしょうか?
「大枠を隠して、詳細で欺す。そういう情報の非対称性詐欺」】
ただし、以下の前者、ギリシャはこういうもの。「死ぬほど金が欲しい人々こそ、われら最大の顧客である」。これ、あるアメリカの投資会社社長の言葉ですが、そんな人々でも資産がなければ問題外、つまり相手にはしてくれません。国家は流石に資産がありますよね。土地も建物など国家資産も、何よりも莫大な今後の税金がある、この将来の税金を「国民に回すのではなく、借金返済に回せ」というのがこう言い換えられるのである。
「何よりも財政再建!」
金が欲しい、中小国家って、欺しやすいでしょうね。無数に欺されてきたはずです。
【 ギリシャ問題の本質 (文科系)2016-10-14 05:03:08
一時世界で大騒ぎされた、ギリシャ国家財政危機問題。この一方の本質が、アメリカはゴールドマンの仕業とこのブログに何回も書いてきました。そのことが、この書「金融が乗っ取る世界経済」には、きっちりと解説してありましたね。こんな風に。
『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(P200)
この文章の意味がきちんと分かる人が日本にどれだけ居るでしょうか。僕はこれをなんとか理解するのに、1時間以上かかった。それも、今も尚数学に強い我が連れ合いにこの前後を読んで貰った上でちょっと討論できた末のこと。「ギリシャ国債の空売り」、CDSなどはともかくとして、「裸のCDS」とか、「ギリシャ国債のCDS掛け金がどんどん上がる」とか「(すると)新規国債の利子率が上がる」とか。
こんなに難しいものを国民が知って反対し始めるまでには、歴史的時間が実に多くかかるもの。だからこそ、文中のこんなことも起こっているわけです。
『ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが(、英米では認められている)』
裸のCDSとは何か。この金融保険の「裸の」って、難しすぎてここでは説明のしようがないので、作者の文章から易しい比喩的説明だけをあげておきます。
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(P199)
かくして、この「裸のCDS」ゆえに、こんなことが無数に起こってきた。火災保険が掛けられた家の持ち主でない人々が、この家を燃やして保険金を貰おうという行動を密かに始めるのだ。さらにそのために、安い掛け金の同じ家の別番号CDS保険を無数に買い集め始める、とか。ちなみに、これが家でなくて社債の保険であるならば、間違いなくその会社を潰していくことになります。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなるという理屈です。
皆さん、ギリシャはこうして潰されました。アメリカのゴールドマンがやったことです。】
【 情報の非対称性 (文科系)2016-10-26 02:28:25
藤田保健衛生大学の関係者に聞いたことがあります。学校の虎の子の金を奪われたでしょ。裁判をするとかしないとか聞いてますが、やっても負けますよ。「合法的な泥棒」なんですから。その方は、こう応えられました。
「本当に、あんな泥棒みたいなことができるんですね。みんなそう言ってますよ」
と、こんなことが世界で南山大学も含めて一定金を貯めている法人などで無数に起こったのがリーマンショック、あのバブル弾け。こう言ういかがわしい商品を勧める時には、上の「裸のCDS」などは最大限利用されたはずだ。こんなふうに。
「この商品の大元には保険がかかっていて、破綻のようなことは起こりません。起こったら保険金が出るということですし、これが信用になってAAA格付けが付いているんですから!」
大学関係者などはころっと欺されますよね! 情報の非対称性というものです。金融工学では、これが最大限に利用されて、無数の詐欺が起こっているということでしょう。
ネズミ講みたいなものを超高額で売る。ほとんど金がない人に家を売り、その借金証書同様の債券を不特定多数に売りつけるって、それが「信用のおける金融商品」というAAA格付けが付いているって、格付け会社も含めて「合法的な泥棒」という理解しかできないはずです。こんな大々的仕掛けがある高等な手口は、何と解説したらよいのでしょうか?
「大枠を隠して、詳細で欺す。そういう情報の非対称性詐欺」】