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ハリルジャパン(134) ヨーロッパ2戦の総括  文科系

2017年11月17日 05時13分07秒 | スポーツ
 ヨーロッパ遠征の2戦は、今後本番を出来るだけ多く勝ち抜くという意味でとても良い教訓が得られて、重大な価値があったと評価できる。ベルギー戦はもちろん、ベルギー戦をあのように闘えた重大な学習が出来たブラジル戦からこそ、そうなったと。

 攻守がぱっくりと明確に分けられる野球などと違ってサッカー戦評は意見が分かれることが多い。守備・潰しを中心に観る人と、主として攻撃・繋ぎを観る人とで、意見が分かれるのである。また、日本の一方だけ観る人としては、攻撃・繋ぎだけを観てマイナス評価をする場合が多いように思われる。よって、ブラジル戦は評価する意見は少なく、ベルギー戦でさえマイナス評価も多く観られた。
 なお、サッカーでは、攻守含めてとにかく総合的に語ることが大事なのだと愚考してきた。攻撃が守備に繋がったり、良い守備が良い得点チャンスに繋がったりする点が、野球などとは全く違うからである。
 また、サッカーでは個人ではなく、組織を語ることが中心になる。野球のエースやホームランバッターのような人はいるはずもないのだし、個人を中心に見れば常にブラジルが優勝しているはずだがそうはなっていないのだから。
 そんな今回の戦評の中から、僕自身に最も近い評価をまず上げてみたい。それは、スポニチ・アネックスのネット記事、日本初のW杯出場チームで最初に監督を務めた加茂周の意見である。彼は以下のように極めて明確に、かつ総合的に語っている。

① このチームの完成度は8割であり、残りの2割は攻撃だ。
② 8割完成というのは、「ボール奪取・速攻」というこのチームコンセプトが守られ・ボール奪取の側面に関しては上手く行っていたからだ。上手く行ったのは、特にベルギー戦で守備が下がりっぱなしになるという欠陥を無くし、ハイとミドルとのプレスを使い分けられたから。本田、香川の「繋ぎ過ぎて、スローになる攻撃」という点が正されたからこうなった。
③ 不足している攻撃の側面については、日本が16強になった2つの大会でも最大問題になった弱点だった。W杯に出た場合の日本にとっての長年の最大課題がここだったわけである。最後をもう少し詰められる若いアタッカーの出現とセットプレーの上達とに期待するということだろう。


 プレスの使い分けができなくて破れたのが、ドイツ、ブラジル2大会。分にあった守備体系ができたから決勝トーナメントに出られたのが、日韓、南ア大会。後者で8強になれなかったのは、まさに加茂が指摘する問題点からと見れば、総合的理解として丸く収まるのである。しかも、この遠征2ゲームでは、ハリル推奨の「良い場所で、良い潰しからこそ、良いシュートへ」と言う場面が意外に多く観られた。これがこのチームの伸びしろとして、期待できるゆえんである。

 ということで、この2戦で最も大きかったことを、僕としてここに観たものだ。ブラジル戦を反省して、ブロック守備、ミドルプレス、ハイプレスを選手たち同士でゲーム中その都度に使い分ける意思一致のコミュニケーションを採るようになった事である。これは、日本選手の最も苦手とする所だったのではないか。ドイツ大会では、これで中田が孤立した。ブラジル大会では、遠藤・本田らと監督・DF陣との間に「繋いで中央突破」の取り入れということに関わって、賛否ニュアンスの違いが最後まで存在した。ザックやジーコとちがって、ハリルがこういうことを許さない監督だというのは、日本代表監督として最も大事な資質と愚考するものだ。
コメント (3)
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