今終わったJリーグ標記のゲーム、現在ダントツの強者に対して、札幌のゲーム戦略がとにかくお見事! やはり、ミハイロ・ペトロビッチ・愛称ミシャ監督は恐るべし、である。このミシャは、流石過去に広島、浦和を最強チームに育て上げたその人だけのことはある。日本代表の森保は、広島時代のミシャの遺産で代表監督になったようなものだと、見てきたもの。本日ははて、どんなゲームであったか。
前半から、札幌得意の左右に大きく幅を取ったサイド攻撃が、とにかく鋭いこと! そして、札幌の潰しも川崎に劣らず、激しく、厳しいこと! 0対0に終わった前半だが、シュート数もコーナーキック数も、札幌が圧倒していたはずだ。そして後半に入って、早い内にあげた2得点を見てみよう。17分には札幌から見て右前方4分の3ほどの位置で上手く川崎ボールを奪うと、そこにいた三人ほどでゴールに押し寄せて、得点。次いで20分にも同じように、今度は右ハーフライン辺りで同じように川崎ボールを奪って、やはり前にいた三人ほどで繋いで、右からゴールに流し込んだ。この2得点に共通している点は、こんなところ。
① 川崎が低い位置からビルドアップする時の縦パスを受ける壁になる人間の後ろに札幌の選手が必ず付いていて、受ける瞬間に後ろから猛然と突っかける。するとそのボールが勢いづいて乱れた方向に戻っていく。
② この乱れたボールの付近に何故か札幌の人間が何人かいて、そのボールが彼らに渡って、そのままゴールに殺到と。
これは明らかに、川崎のお株を奪ういわゆるゲーゲンプレス得点法なのだ。それも、今日のこのやり方の最大特徴は、この二つ。「敵のDFからのフィードを受ける『壁』に激し過ぎるほどに当たって、壁からの戻しボールを乱す」と「乱した時に、前、つまり川崎ゴール側に必ず複数の札幌選手がいて彼らに乱れたボールが渡る」という条件が重なっていた。そして、こういう場面が、この2得点場面以外にも、今日は何度演じられていたことか。これは明らかに、川崎のフィードを受ける壁になる選手を札幌が狙って得点にしようとしていたのだと、僕は観た。
それにしても、川崎DFフィードを受ける壁に対して、札幌マーカーの当たりの厳しかったこと。ほとんど反則すれすれと見えるのだが、ああいう両手を使ったハンドオフ付きで後ろから激しく削っていく場面では、反則にもなりにくいのか。ともあれ、世紀の移り目のジュビロ磐田に匹敵してJ史上最強とも言われる今期の川崎に今期2敗目を与えたこのゲームこそ、名監督ミシャの面目躍如という作戦勝ちは明らかである。