九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

「イラクひも付きNGOの現実。」   janjanのインタビュー記事より

2007年05月21日 11時51分28秒 | Weblog
NGO「日本イラク医療支援ネットワーク」(JIM-NET)事務局長・佐藤真紀氏に聞いた。                                          「 巨大化するNGO 」

 ――いまNGO、市民の活動といったものはどういう方向に行こうとしていると思われますか?抱えている課題というのは何ですか?

 今、すごく見えにくくなっていると思うんですよ、例えば、1990年代の初め頃に、郵政省が「国際ボランティア貯金」というのを作った。小さな団体でもお金が取りやすくなったんですよね。それで現場に人を送ってプロジェクトが出来るっていうので、それをきっかけに現場に入った団体というのは結構多かったんですね。お金がうまくNGOに流れて、現場に行くといろんなものが見えてくるから、新しい発見があっていい時代でした。しかも草の根の範囲を超えないレベルでした。ところが、今回のイラク戦争は、巨大な政府資金がNGOに流れました。数個のNGOに2~3年で30億円というから、すごい金額です。

 例えば、そのODAの場合、無償と有償がありますよね。無償の緊急支援みたなものは、だいたい規模がでかくなると紐つきで日本の商社なんかもいっしょにやることが多いんですけれど。それが今回はもう、イラクは危ないからそういう日本の商社はほとんど入って行かない。その代わりにNGOに仕事がまわって来た。だからもうなんていうのかな、草の根的なボランティアっていうレベルじゃなく、セキュリティ管理もきちんとお金かけてやってくださいと。もしかしたら死ぬかもしれないけど、ちゃんとやっていただいてこれだけお金を出しますよ、みたいなビジネスの話でしょうね。

 例えばクリニックや学校を作るにしても、1個作ってそれを一生懸命十年もかけて医者を送ったり子どもたちと交流する、みたいなのがNGOのイメージですよね。でもイラクの場合はもう壊してしまったわけですよ、日本も協力して、アメリカとかがね。それを何個作れるか、みたいなもので、何十個つくったとかそういう話になってくると、もう大きく今までのNGOとは違うということになりますよね。

 そういった仕事も必要なわけですよ。壊しちゃったんだから、誰かが作んなきゃいけないわけですからね。だからNGOが作る場合もあるだろうし、ゼネコンが作る場合もあるでしょうし、軍がね、全部壊して全部作ってしまう。有償でやろうとしている。お金を貸してあげるのが援助なんでしょうか?

 やっぱり、ちょっと前までは、「つながり」が大切だった。なぜその国に関わるのか、っていうことです。日本じゃないところで活動するのは、やっぱり、大きな壁があるわけだし、それを乗り越えてまですることのこだわりがあります。その国の人と苦楽を共にする覚悟というか、「つながり」が大切です。でもプロフェッショナルになって巨大化してしまうと、なかなかそういうものが見えなくて、しかも皆さん一人ずつが、そのお金を払ってそこに参加して作っていくっていうものとは違って、政府の政策でぽんとお金がおりてみたいになってしまうと、なかなか顔が見えにくくなってくるでしょうね。

 NGOが巨大化してしまったので、今度はその市民が参加するスペースというのがなかなか見えにくくなってしまった。結果としてNGOを中心に盛り上がってきた市民運動というのを白けさせてしまった、っていうのはあるかもしれませんね。

 10年前とかのNGOは面白かったと思います。例えばJVC(日本国際ボランティアセンター)とかを見ていると、次何やるのかなとかね。いきなり(事務局長の)清水(俊弘)さんなんかが飛び出して地雷廃絶とかやるわけでしょ。

 それでほんとうに国際条約が出来たりとか、流れが出来てくる。だから面白くって参加するわけですよ。ここにいればもしかしたらイラク戦争を止めることができるんじゃないか、とかね。そういうNGOが社会を変えるというか、作っていくんだというような興奮と実感がありました。

 ――10年前はそうだったのが、それが変わったのはいつごろからですか?

 イラク戦争は、大きかったでしょう。二つに分かれた。戦争に反対の声をあげるか、黙っているか。そして、政府も今まではあんまりNGOの活動にはお金を出しても干渉はしてこなかったんです。補助金とかそれくらいの額だったし。でも、イラクは違った。巨額のお金が流れNGOも振り回されてしまった。イラクはそれで、プラットホーム以外のNGOはほとんど入っていかない。活動する団体数がとても少なかったっていうね。なぜか知らないけれど。一方で、個人のボランティアみたいなものは元気で入って行くわけじゃないですか。「人間の盾」とかもあったし。

 でもそれは組織論が全くないから、一発で終わっちゃう。その後どうするのか、みたいなところもなくなって、ちりぢりばらばらになっていく。今まさにその時期に来ているんですね。

 ――二極化したということ?

 二極化というよりも、なんか全体的にどうでしょうね。トーンダウンしてしまっている。大きくやっちゃったら、組織を維持するのが大変だけど、市民は離れていく。だから、あんまりNGOっていうのはでかくならなくて、小さいものを沢山広げておいて誰でもどこかに気軽にアクセスできる。誰かどっかの団体の会員をやってますよ、みたいなね。一極集中しないで、そういうほんとうに広い状況を作っておくということが、健全のような気がしますけどね。

 それこそ、でかくなるってことはずっとでかくしていかなきゃいけないわけですから、企業が勝ち残っていく論理と同じことですよね。すごくそれって大変なことだし、例えば広報戦略にしてみても新聞広告が打てるところとそうじゃないところとはっきり分かれちゃうじゃないですか。新聞に広告出せるというのは、よっぽどじゃないと回収できないですからね。

 ――そういう中で佐藤さんがやっておられる活動というのは、一人一人を見ようという方向に見えるんですけど。

 ええ、そこがやっぱ大事だと思うんですね。じゃあ、やってることは何かっていうと、薬とかを支援するにしてもね、去年・昨年度は、年間で5000万円近い薬を送ったわけです。規模はかなりでかいわけですよね。じゃあ、それだけでいいのかというと、やっぱりそれは僕たち、皆さんから民間で集めているわけですから、顔の見えるところ、それが例えばチョコレートを買ってもらったにしてもね、500円が……それがもうほんとうに薬に変わって一人の命を助けるんですよということ。つながっているっていうことをしっかりと伝えないとお金も集まんないですからね。そういった意味ではほんとうに一人一人の子どもとつながっていくっていう、そういうやり方は大事だと思いますよね。

 今なかなかイラクに入れないじゃないですか。ほんとうはね、日本人のボランティアが行きました、とかっていうと話が分かり易いんですけど、そうじゃないところで、じゃあローカル・スタッフのイブラヒムが、どれだけ子どもたちに接して切実な情報を上げてくれるかっていうところが重要です。僕たちはその情報ひとつひとつをさらに吟味して、もうちょっとこういうの教えてほしいとかっていうことをイブラヒムに投げて、それで彼がまた投げ返してくれるっていう、そういうやりとりの中で生まれてくるものって大きいですよね。
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我々だけが正義の味方ではない。    まもる

2007年05月21日 11時27分16秒 | Weblog
「反対意見にも耳を傾けてほしい」
 無職  31 (東京都多摩市)

 先日、ある私鉄の駅前広場で、憲法9条改正についての街頭アンケートに声を掛けられた。急ぎの用事もなかったので、丸いシールを受け取って、真ん中で区切られたボードに立ち、しばし考えてから賛成の側にシールを張りました。
 すると声を掛けてきた女性が「ああ、戦争がしたいんですね」と言い放ちました。あぜんとしていると、1枚のビラを押し付け「これを読んでしっかり勉強してください」と去っていきました。私は決していいかげんな気持ちで賛成にシールを張ったのではない。日ごろから関心を持ち、考えた結論が「現状との矛盾を解決するために若干の修正は必要」だったのだ。戦争などしたいわけがない。
 自分の正しさを信じるのはいいが、対立意見にも耳を傾ける余裕を持ってほしい。平和の敵と断定する前に、「なぜ賛成なのだ?」と一言聞いてほしかった。

(5月20日付け 毎日新聞「みんなの広場」より)


たいへん貴重なご意見とおもい、全文を転載しました。
ややもすると、このような対応になりがちな私も、
これからは異なる意見にも耳を傾ける余裕をもちたいと思います。
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モラルハザードに寄せて   楽石

2007年05月20日 16時05分45秒 | Weblog
日本人のモラルハザードは企業家にも蔓延しているようです。
諸悪の根源は、貧困という観点で考えてみたいと思います。

最近の日本は格差社会といわれているが、
別の言葉でいえば、貧困社会。
企業の利益を回復させるために、首切り・派遣社員・フリーターの導入。
労働基本法を改悪していった結果です。
中産階層が貧困化していく。貧困による犯罪が増加、社会不安が広がってきました。
新自由主義経済のアメリカのあとを追った結果でしょう。

これは本来、社会的な存在であり、応分の社会貢献をすべき
企業家のエゴイズムが原因です。

この結果に対する安倍政権の処方箋は国家権力の強化。
① 治安対策にお金を投入。
② 自衛隊の強化。沖縄で反対住民を排除するために自衛隊の投入も視野に。
③ 教育の改定。従順な国民つくり。
税金の使い道としては、十分な効果があるでしょうか?

   

やはり貧困対策に税金を使うことが、急がば回れ、一番確実な対策。
労働資源を有効に活用する対策こそ国家安定の土台です。

そのためには、
① 自己の利益追求だけを目的とする企業から応分のお金を回収する。
② 幅広い財源を確保する。
そして、新しい労働環境に適応できる人材の再教育と、新しい公共投資を行うことです。

   

自己責任というコトバで犠牲を押し付けるのではなく、
全体のバランスを考えた政策が必要でしょう。

   

巨大になればなるほど企業の社会的な責任は大きい。
自社の利益追求のみに走るモラルの崩壊した会社の製品には
不買運動を起こしたいものです。


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保守系さんへの回答と質問 その8  ‥千里眼‥

2007年05月20日 11時06分18秒 | Weblog
 盧溝橋事件のあとも、中国軍の挑発やさまざまな暴虐な行為によって、日本は仕方なく、全面的な日中戦争に引きずり込まれたのだ。というのが保守系論客の主張です。保守系さんも、その毒を飲まされ、そう信じ切っているものと思われます。「その7」では、いよいよその課題に入っていきます。

 「満州事変は、タンクー協定で一応終結しました。その後は、日支間は小康状態でした」と、保守系さんは言う。本当にそうなのだろうか。真実は大きく違っている。表面では銃撃戦はなく穏やかに見えても。この時期に、日本軍は北支を「食物」にする進出を着々と進めていたのである。

 盧溝橋事件以前に、支那駐屯軍参謀部は「昭和十一年度支那占領地域統治計画」の中で極めて詳細な傀儡国家建設の設計図を作っていた。これは商業・工業・交通・治安維持・などなどにわたる全面的な統治計画である。しかし、実際には計画確定段階以前から、実質的に着手していたことは、後に触れる。

 同じ昭和11年(1936年)の8月11日の閣議決定「第二次北支処理要綱」では、「‥‥分治政治ノ完成(注:南京国民党政権からの離脱)ヲ援助シ該地域ニ確固タル防共親日満ノ地帯ヲ建設セシメ‥‥」と、支那駐屯軍参謀部の計画を下敷きにしたと思われる北支政策を閣議決定している。この二つ以外にも、いくらでも資料を提示できるのだ。保守系論客は、こうした歴史事実から眼をそむけ、無視したうえで、「中国軍の挑発・攻撃」に対応して、日中戦争を戦わざるをえなかったのだと強弁しているのだ。

 つまり、軍部・日本の華北政策は、察哈爾(チャハル)・綏遠・河北・山東・山西の華北五省の自治(中国政府からの分離)と華北経済の独立、つまり「第二の満州国」化へ向けて着々と手を打っていたのである。しかもそのために、「タンクー協定」を悪用したのだ。

 1935年11月、「タンクー協定」によって中国軍が撤退した非武装地帯に、殷汝耕を首班とする冀東自治政権(自治を名目にした中国政府からの分離独立)を作り、同年12月には河北・察哈爾両省に冀察政務委員会が作られた。冀東政権は完全な日本軍の傀儡政権で、「タンクー協定」では非武装地帯であるのに、この自治政府の要請という形で日本軍が駐屯することになった。冀察政務委員会は極めて奇妙な自治政権であった。華北に駐屯する中国軍第9軍の司令長官宋哲元と日本軍との間の奇妙な妥協の産物である。宋哲元は国民政府の支配下からの離脱・軍閥化、地域政権の樹立を夢想していたものと思われる。その宋哲元が、日本軍の要請のもとに作った政権である。

 このように、盧溝橋事件以前に、華北の満州国化へむけて、日本軍は着々と手を打っていたのだ。繰り返すが、保守系さんも、保守系論客もこの事実に触れることは決してない。触れると自らの架空の論理が崩れるからである。
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朝日新聞に見る日本の歩み その10 食糧メーデー(5月19日) ‥千里眼‥

2007年05月19日 18時59分58秒 | Weblog
 昭和21年のことである。5月1日のメーデーのあと、19日に「食料メーデー」という集会が、皇居前広場でおこなわれた。その報道が1面トップを飾った。

その見出しは「飢える帝都に食料メーデー 上奏文を可決  廿五万大衆、街頭を行進」と。

* この時であろうか、またはその前のメーデーの時であったのだろうか。「朕はたらふく食っている 汝臣民飢えて死ね」というプラカードを掲げた人が、不敬罪で起訴された。この裁判の結末を私は覚えていない。

* とにかく、食料事情は困難をきわめた。ある裁判官が「法の守り手」であるのでと、闇の食料を入手せず生活して、餓死したという事件が起こったのも、このころのことである。

* 同年5月13日の紙面では、北海道各地の主食配給の遅配状況が載っている。札幌35日、小樽34日、釧路45日、北見74日、旭川72日、このような状況で、よく生き残ってこれたものだ。

* さつまいもやアメリカの援助食糧であるとうもろこし、油を抜いた滓大豆、脱脂粉乳などが、米に替わって配給された。滓大豆のお粥に大根の葉っぱをいれた雑炊をよく食べたものだ。そのためか、慢性の下痢に悩まされたことを記憶している。

* 16日に大命降下(天皇の首相指名)を受けた吉田茂は組閣に着手するが、こうした難局にたじろいで、大臣就任を拒否する者も現れ、組閣工作は困難をきわめた。食料メーデーの記事のすぐ隣に、「組閣、流産の危機へ 吉田氏は投げ出し決意」という記事が載っていた。結局、難産の末、22日に第一次吉田内閣が成立したのだが。

* 二度とこのような時代が来ないことを心から願っている。
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「先進国有数のモラルハザードの国、日本」  文科系

2007年05月19日 18時48分31秒 | 国内政治・経済・社会問題
 ブレア英首相が退陣した。イラク戦争参戦を国民から非難されて。国民が十年の長期政権を許すほどに支持した人物なのだから、この参戦への批判がいかに大きかったかが分かろう。そう思って周囲を見れば、イラク派兵で躓いた「世界の顔」はじつに多い。イタリアのベルルスコーニ首相、スペインの首相、いずれもこの戦争への派兵が原因で内閣を潰した人々である。本家本元のアメリカはと見れば、国民に選ばれた正副大統領以外は、全滅である。ラムズフェルト国防長官、ボルトン国連大使とか、開戦理由の偽情報を流した責任者ということで詰め腹を切らされたケネットCIA長官もいる。国会議員選挙に大敗した共和党にとって次期大統領選挙は余程の奇策でもない限りもはや絶望的だとの報道も流れている。
 さて、ひるがえって日本を見ると、まるでモラルハザードのような様相である。「自衛隊の行く所は戦闘地ではない」と言い切った小泉首相。また冬柴前公明党幹事長が「派兵に反対するということは、テロ行為を認めることになる」と得意そうに発言したときの顔も、はっきりと思い出すことができる。これは、以前千里眼さんが書いたコメントの言葉だ。これら全て嘘の理由で無理矢理でっち上げられた開戦に踊らされたものだとは、今や誰の目にも明らかであろう。しかも日本の参戦は英伊などよりも遙かに罪が重い。それを許さないはずの憲法九条の国で、国連決議もない有志派兵に屁理屈付けて強行突破を敢行したのだから。それでいて国民からは米英伊とはほど遠い批判しか出ず、自公政権は安泰であって、小泉などは院政を摂るかの勢いである。
 なんという国かと思う。戦争に特別に鈍感な国。人道に鈍感な国とも言えるだろう。こうした国家のモラルハザードに目を付けるならば、民度がとりわけ低い国と告発しても良いはずである。
 僕は毎日のテレビで、イラクで人が死ぬニュースを見るたびに、我が国のこのモラルハザードを胸に刻み込むことにしている。本当におかしいぞ!

 ひるがえって、先進国には珍しい、戦争に対するこんなモラルハザードが白昼大手を振って通っていくならば、我が国の内政にもこれが現れていないはずはないと考えてみる。あるは、あるは。民度の低いこの国では、もはや為政者のやりたい放題。そんな姿が見えてくるようだ。為政者、国民の内政モラルの問題として最も大きい弱者への扱いを、先進国比較なども使って見てみよう。以下は岩波新書、橘木俊詔著、「格差社会」からの資料である。なお、この著作は日本の貧困とその本質を理解する非常な良書であると思った。

年齢別完全失業者率は十五歳~二十四歳が最も高く、一割に近い。貯金ゼロ世帯や、生活保護以下の「絶対的貧困」世帯やが、急増している。
 その国の平均所得の五割以下世帯率で表される「相対的貧困率」はOECD(経済協力開発機構)加盟二十九カ国資料によれば、ワースト五位であって、しかも、日本のこの数字はいまだダントツ急悪化の真っ最中である。この背景となる数字が以下である。
 最低賃金関連数字が他先進国との国際比較で最悪である。各国購買力で換算した時間当たり最低賃金はスペイン、ポルトガルの次に悪く、最低賃金のフルタイム中位者への比率は最悪であって、加えて最低賃金以下の人々の率がこれまた最悪に近い。さらにこれにプラスして、低所得者への対策が最悪なのである。失業保険や職業訓練やなどの失業者対策予算のGDP比率がアメリカと並んでダントツに悪い。
 また、教育公費のGDP比率もギリシャ並みなどと、最悪に近い。「貧富の世襲」による「階層移動の固定化」が批判されているが、教育予算はそれへの対策とも言えるものだ。それが先進国中最悪に近いということは、「結果の不平等」だけでなく、「機会の不平等」も著しい国だと言える。「機会の平等」という正しい「公平の思想」が世界で最も弱い国ということである。
 
 なお、これら全体の背景、原因として次のことがある。日本の税の国民所得に対する負担率が先進国中最低なのである。つまり、富裕者から税を取って、貧者への社会保障を手厚くするという仕組み、そういう思想が最低の国と言えるわけだ。近頃自公与党が力説するセイフティーネットが、仕組み、思想とも最悪の国なのである。健康保険料滞納とか、二十代の若者の中で国民年金未納率が五割を超えるなどの動向は、こういう政府への消極的な不信の表明と見えなくもない。

 「機会の不平等」がこれだけ大きくなっては、不況に立ち向かうための経済効率などもかけ声だけと示しているに等しく、対策を打たねば、これもやがてどんどん下がっていくのではないか。これが、このほんの作者の結論のようだ。

やはり、モラルハザードの国という他はない。
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自衛隊は軍隊。で、9条をどうする?  楽石

2007年05月19日 10時27分25秒 | Weblog
9条の問題はとてもデリケートで、難しい問題。
でも簡単に考えれば、日本は軍隊を持っている。
9条は軍隊の保持を禁じている。
この矛盾に、どう折り合いをつけるのか?
ここは避けて通れない問題です。

9条を現在のまま保持するのなら
安保条約などは廃棄しないといけない。
護憲の意見は、この点への言及が少ない。
どちらかというと、現状維持という感じがします。

現状を黙認するなら、9条で自衛隊を軍隊として認め、
戦争はしないと言ったほうが良いようにも思われますが、
どうでしょうか?





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昭和区平和美術展を行います。      九条 ひかる

2007年05月18日 21時58分10秒 | Weblog
 昭和区九条の会で、「昭和区平和美術展」を下記要領で行います。
(期 間) 7月10日(火)~16日(月)
(会 場) 名古屋市博物館、3階第8ギャラリー
(出品料) おひとり500円(複数でも同額です)
(申込み) 事務局・近藤俊明(FAX)052-731-1251
      事務局・舟橋 勝(FAX) 052-731-2749
     *絵画、写真、彫刻、書、木工、彫金、絵手紙、工芸、陶芸など、
      作品の種類と大きさ、出品点数をご連絡下さい。
(申込み期限) 6月15日(金)
   (注)出展が多数の場合は、すべてを展示できない場合もあります。 
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保守系さんへの回答と質問 その7  ‥千里眼‥

2007年05月18日 09時13分12秒 | Weblog
 この「その7」は、横道にそれて、ノルウェーについての保守系さんのコメントを扱いたい。私の投稿「朝日『21の提言』について その4」に保守系さんのコメントが入っていた。ノルウェーの世界平和に対する努力について私が述べた部分に対して、「私は、ノルウエーの国際的な貢献は評価していますが、しかし、目下、パレスチナで何が起きていますか?内乱の状況です。コソボですか治安は安定していますか」と保守系さんは書いている。
 
 これは何を言いたいのであろうか。ノルウェーの努力はむなしい努力だと言いたいのか。どんなに世界平和への努力を重ねても、民族間の紛争や戦争は回避できないのだ、これは人類の宿命なのだ、だから日本も戦争のできる軍隊を持つべきだと保守系さんは言いたいのであろうか。

 それはさておき、このコメントでは「ノルウエーの国際的な貢献は評価しています」と一応書いているが、これは保守系さんの本音なのだろうか。私は疑っている。

 というのは、2月27日の楽石さんの投稿「日本外交ウォッチング」への私のコメントに対して、5月3日に保守系さんは、次のようなコメントを入れたのだ。

「ノルウエーは世界になくてもどうでも良い国ですが、日本は世界にはなくてはならない国なのです。一体どこの国がノルウエーを侵略するのでしょうか。しかも北海油田でなりたっている国ですから・・。人口が何人いますか?あの国はあってもなくてもどうでも良い国なんです」、と。

 それに対して、私は次のようなコメントを入れて、保守系さんの回答を求めた。
「『ノルウエーは世界になくてもどうでも良い国ですが、日本は世界にはなくてはならない国なのです』、という保守系さんの記述には驚きました。『なくてもいい国』、『なくてはならない国』と分ける『神』のごとき至上の存在に保守系さんは、何時からなったのでしょうか。その分ける基準は何なのでしょうか。人口の過多なのでしょうか。それとも、ノルウェーの世界平和に対する貢献が気に入らないからでしょうか。弱小国(私はノルウェーを弱小国とは思いませんが)は地球上に存在する価値がないとでも言うのでしょうか。この発言の裏に、弱小国に対する蔑視とでも言うのか、尊大で傲慢な思想が隠されているように、私は感じました」として、保守系さんの回答を求めた。が、その回答はなかった。

 あらためて、保守系さんの真意を尋ねたいと思っている。

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朝日新聞 「21の提言」について その4  ‥千里眼‥

2007年05月17日 02時21分21秒 | Weblog
 以前に、保守系論客の論文や著作を分析・批判してたシリーズ「保守系論客の歴史欺瞞・偽造を切る」を投稿してきた。その過程で、「では、彼等の唱える日本の在り方についての主張」に対して、私自身はどう「日本のありよう」をどう主張するのか、という問いを自からに投げかけてきた。イメージとしては、ある程度まとまってきたが、まだきちんと文章化するにはいたっていなかった。

 そうしたなかで、今回の朝日の「21の社説」を読んだのだ。それが、驚くほど私のイメージと一致していたのだ。

 私のイメージを一言で言えば、次のとおりである。「世界の人々から信頼され、尊敬される国になること、それが最大の日本の安全保障でなる」。「憲法9条を堅持し、世界各地の紛争解決に努力し、各地の民族の抱える困難解決に誠意を持って協力する国になること」。

 この私のイメージの裏には、ノルウェーの世界平和に対する取り組みが下敷きとしてあったことは確かである。ノルウェー政府の努力で、イスラエルの故ラビン首相とこれも故人となったパレスチナのアラファトの間でオスロ合意が結ばれ、パレスチナ自治政府が組織された。また、昨年には、インドネシア政府とアチェ州独立運動の代表が、合意を結び長い紛争が解決したのもノルウェーの努力であった。今また、コソボ紛争解決のため、ノルウェー元大統領が国連特命大使の資格で、現地で努力している。このような国際紛争解決には9条を持つ日本は有利な資格を持っているのに、とかねがね私は考えていたのだ。

 今回の朝日新聞の「21の社説」では、「地球貢献国家」という耳慣れない概念で、日本のありようを規定している。その基本的構想と私のイメージは基本的部分で重なりあっているのだ。
 
 日米安保条約と自衛隊の問題については、そのありようについては、私はなかなか考えをまとめることはできなかったのだが。
                            次に続く
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朝日新聞 「21の提言」について その3  ‥千里眼‥

2007年05月16日 15時03分00秒 | Weblog
 この投稿は、5月3日の紙面に発表された「21の社説」についての要約である。できるだけ、「 」という形での引用でまとめる形をとったので、本当の意味での要約ではないが、およその概略は掴めるものと思う。


14.日米安保 - 国際公益にも生かし、価値を高める

 「わが国の防衛のためには米国に加勢してもらうし、周辺事態では後方支援で日本は米国に協力する。だが、軍事面での同盟は基本的にここまでである。それを超える活動、地域については、あくまでも国連安保理の決議による国際安保保障の枠組みでのみ、自衛隊は参加する。9条に基づく基本原則によることは言うまでもない」
 「日本の国益を守り、国際公益を広めるために日米同盟を使いこなす。その方が日米両国にとって同盟の価値が高まる。自主性のある、したたかで、しなやかな発想を持つべきだ」

15.自衛隊の海外派遣 - 国連PKOに積極参加していく

 「自衛隊の派遣は、日本にふさわしいものでなければならない。現地で歓迎され、実際に「平和構築」に役立つ。あくまでも憲法前文のような普遍的な理念に基づく派遣であって、「米国とのおつき合い」だけで海外に自衛隊を送るべきではない」
 「他の先進諸国に比べて、自衛隊の派遣件数はまだまだ少ない。日本の参加先をもっと増やし、任務の幅も広げるべきだ」。「武力行使にあたるような使用を認めるべきではない」。
 「国連安保理決議に基づく‥‥国際部隊について、国連PKOにおける後方支援に準ずるのであれば、参加するケースがあってもよい。‥‥その場合、国会の事前承認、武力行使の禁止などの厳しい条件を設けるべきだ」

16.人間の安全保障 - 憲法前文にぴったりの活躍を

 「一人ひとりの生命や生活を守る責務は本来、国家にある。しかし、紛争や経済危機に見舞われた国々の政府は国民を守る力を失う。‥‥こうして人間の生命、生活、人権を守っていく理念は「人間の安全保障」と呼ばれている」
 「世界の人々の平和的生存権を重視した憲法前文にぴったり合致する理念だ」。「この面で日本がとるべき第一の戦略は、国連改革で新設された平和構築委員会の主軸となることである」。「第二の戦略は民生分野での独自の支援策を広げることだ」
 「ODAを増やし、世界を良くする努力の先頭に立つ。人間の安全保障を通じて、そんな日本の行動する姿を示していきたい」

17.9条の歴史的意義 - 日本社会がつくりあげた資産 

 「憲法9条に立つ戦後の平和主義は、‥‥私たち日本人がつくりあげ、定着させてきたものである」

9条の歴史的意義
① 日本が再び戦争に直接かかわるのを防いだこと。
② 9条のおかげで戦後社会から軍国主義がすみやかに姿を消したこと。
③ 侵略戦争と植民地支配という負の歴史への反省のメッセージとして、国際社会に受け止められた。
④ 国民に「非軍事」の持つ潜在力を考える視点を提供した。
 と捉え、「軍事力の効用に限界が見えた世界で『国際公益の世話役』となり、地球と人間の現在、未来に貢献していく。そうした日本になるために、9条の理念は新しい力を与えてくれるに違いない。捨て去る理由はまったく見当たらない」

18.改正の是非 - 変えることのマイナスが大き過ぎる

改憲論者の主張
① 憲法と現実との「ねじれ」の解消
② 集団的自衛権の行使などに制約されない普通の軍隊を持つ。米穀との同盟をより確かなものにできる。
③ 軍を持つことは主権国家とした当然の権利なのだから、押し付けられた9条をただす。
 「自衛隊が普通の軍隊と違うのは、集団的自衛権を行使せず、海外で武力行使をしないといった原則を持つからだ」。「これを撤廃すれば、日本の基本軸があいまいになる」
「日米同盟の安全装置としての9条のメリットは捨てがたい価値がある」
 「そもそも、この60年かけて培ってきた日本の『平和ブランド』を手放す損失は大き過ぎる。‥‥このユニークさは国際社会にも知られ、重要なソフトパワーになっている。それを生かしてこそ、『国際社会の背穂役』として日本への信頼を築くことができる」

19.自衛隊 - 平和安保基本法で役割を位置づける

・ 軍隊とはせず、集団的自衛権は行使しない
・ 国連安保理決議にもとづく平和構築活動に参加していく
・ 非核を徹底して貫き、文民統制をきちんと機能させる
「自衛隊の歴史はすでに半世紀に及ぶ。‥‥自衛隊のイラク派遣や米軍への協力でさまざまな逸脱や疑問、曲折はあったが、長年の積み重ねの結果、現実にねざした平和主義の骨格が形成された」
「自衛隊をきちんと位置づける基本法を、今の自衛隊法とは別につくったらどうだろう。自衛隊を持つ理由と目的、使い方の基本を定める」
「とにかく集団的自衛権行使に道を開こうとするのは乱暴な9条改正論である。もっと現実的で冷静な議論が必要だ」

20.ソフトパワー - ほっとけない。もったいない。へこたれない。

・ ハードパワーの競争だけでは、国益、国際公益の追求に限界がある
・ 「ほっとけない」「もったいない」「へこたれない」の精神を世界へ
・ 不毛なナショナリズムの悪循環を断たなくてはならない
 「日本は何を考え、どう行動すればいいのか。日本文化の伝統に根ざす三つの日本語を思い出しておきたい」
①「ほっとけない」  
「病気、貧困、天災、戦災、人権侵害。世界のどこかで苦しんでいる人がいたら飛んでいって助ける。‥‥パソコンのヘルプキー、そんな役割を日本が果たせばいい」
 ②「もったいない」  
 ③「へこたれない」
  「核廃絶や環境問題など、いま地球が抱える難問の解決には、並々ならぬ知恵と労力を要する。それでもあきらめるわけにはいかない」

21.外交力 - 世界への発信力を鍛えていく

 「腕力は弱そうだけど、よくものを考えていて、的確なコメントをする。相手に殴りこむようなケンカはしないが、いざとなると、タイミングよく一番必要なものを提供する。信頼を置かれ、相談事に必ずあずかる。そんな国のあり方が、日本にふさわしい」
 「ここまで20本の社説で提言してきたことは、まさにそういう日本になるための知恵とは何かということである。最後に、そうした知恵を生かすために、国際社会への発信力を高めることを考えなければならない」 

 次の「その4」から、いよいよ、この「まとめ」のうえにたって、この提言の特徴を私の思いと関連づけながら、考えていきたいと思っている。
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朝日新聞 「21の提言」について その3  ‥千里眼‥

2007年05月16日 15時02分59秒 | Weblog
 この投稿は、5月3日の紙面に発表された「21の社説」についての要約である。できるだけ、「 」という形での引用でまとめる形をとったので、本当の意味での要約ではないが、およその概略は掴めるものと思う。


14.日米安保 - 国際公益にも生かし、価値を高める

 「わが国の防衛のためには米国に加勢してもらうし、周辺事態では後方支援で日本は米国に協力する。だが、軍事面での同盟は基本的にここまでである。それを超える活動、地域については、あくまでも国連安保理の決議による国際安保保障の枠組みでのみ、自衛隊は参加する。9条に基づく基本原則によることは言うまでもない」
 「日本の国益を守り、国際公益を広めるために日米同盟を使いこなす。その方が日米両国にとって同盟の価値が高まる。自主性のある、したたかで、しなやかな発想を持つべきだ」

15.自衛隊の海外派遣 - 国連PKOに積極参加していく

 「自衛隊の派遣は、日本にふさわしいものでなければならない。現地で歓迎され、実際に「平和構築」に役立つ。あくまでも憲法前文のような普遍的な理念に基づく派遣であって、「米国とのおつき合い」だけで海外に自衛隊を送るべきではない」
 「他の先進諸国に比べて、自衛隊の派遣件数はまだまだ少ない。日本の参加先をもっと増やし、任務の幅も広げるべきだ」。「武力行使にあたるような使用を認めるべきではない」。
 「国連安保理決議に基づく‥‥国際部隊について、国連PKOにおける後方支援に準ずるのであれば、参加するケースがあってもよい。‥‥その場合、国会の事前承認、武力行使の禁止などの厳しい条件を設けるべきだ」

16.人間の安全保障 - 憲法前文にぴったりの活躍を

 「一人ひとりの生命や生活を守る責務は本来、国家にある。しかし、紛争や経済危機に見舞われた国々の政府は国民を守る力を失う。‥‥こうして人間の生命、生活、人権を守っていく理念は「人間の安全保障」と呼ばれている」
 「世界の人々の平和的生存権を重視した憲法前文にぴったり合致する理念だ」。「この面で日本がとるべき第一の戦略は、国連改革で新設された平和構築委員会の主軸となることである」。「第二の戦略は民生分野での独自の支援策を広げることだ」
 「ODAを増やし、世界を良くする努力の先頭に立つ。人間の安全保障を通じて、そんな日本の行動する姿を示していきたい」

17.9条の歴史的意義 - 日本社会がつくりあげた資産 

 「憲法9条に立つ戦後の平和主義は、‥‥私たち日本人がつくりあげ、定着させてきたものである」

9条の歴史的意義
① 日本が再び戦争に直接かかわるのを防いだこと。
② 9条のおかげで戦後社会から軍国主義がすみやかに姿を消したこと。
③ 侵略戦争と植民地支配という負の歴史への反省のメッセージとして、国際社会に受け止められた。
④ 国民に「非軍事」の持つ潜在力を考える視点を提供した。
 と捉え、「軍事力の効用に限界が見えた世界で『国際公益の世話役』となり、地球と人間の現在、未来に貢献していく。そうした日本になるために、9条の理念は新しい力を与えてくれるに違いない。捨て去る理由はまったく見当たらない」

18.改正の是非 - 変えることのマイナスが大き過ぎる

改憲論者の主張
① 憲法と現実との「ねじれ」の解消
② 集団的自衛権の行使などに制約されない普通の軍隊を持つ。米穀との同盟をより確かなものにできる。
③ 軍を持つことは主権国家とした当然の権利なのだから、押し付けられた9条をただす。
 「自衛隊が普通の軍隊と違うのは、集団的自衛権を行使せず、海外で武力行使をしないといった原則を持つからだ」。「これを撤廃すれば、日本の基本軸があいまいになる」
「日米同盟の安全装置としての9条のメリットは捨てがたい価値がある」
 「そもそも、この60年かけて培ってきた日本の『平和ブランド』を手放す損失は大き過ぎる。‥‥このユニークさは国際社会にも知られ、重要なソフトパワーになっている。それを生かしてこそ、『国際社会の背穂役』として日本への信頼を築くことができる」

19.自衛隊 - 平和安保基本法で役割を位置づける

・ 軍隊とはせず、集団的自衛権は行使しない
・ 国連安保理決議にもとづく平和構築活動に参加していく
・ 非核を徹底して貫き、文民統制をきちんと機能させる
「自衛隊の歴史はすでに半世紀に及ぶ。‥‥自衛隊のイラク派遣や米軍への協力でさまざまな逸脱や疑問、曲折はあったが、長年の積み重ねの結果、現実にねざした平和主義の骨格が形成された」
「自衛隊をきちんと位置づける基本法を、今の自衛隊法とは別につくったらどうだろう。自衛隊を持つ理由と目的、使い方の基本を定める」
「とにかく集団的自衛権行使に道を開こうとするのは乱暴な9条改正論である。もっと現実的で冷静な議論が必要だ」

20.ソフトパワー - ほっとけない。もったいない。へこたれない。

・ ハードパワーの競争だけでは、国益、国際公益の追求に限界がある
・ 「ほっとけない」「もったいない」「へこたれない」の精神を世界へ
・ 不毛なナショナリズムの悪循環を断たなくてはならない
 「日本は何を考え、どう行動すればいいのか。日本文化の伝統に根ざす三つの日本語を思い出しておきたい」
①「ほっとけない」  
「病気、貧困、天災、戦災、人権侵害。世界のどこかで苦しんでいる人がいたら飛んでいって助ける。‥‥パソコンのヘルプキー、そんな役割を日本が果たせばいい」
 ②「もったいない」  
 ③「へこたれない」
  「核廃絶や環境問題など、いま地球が抱える難問の解決には、並々ならぬ知恵と労力を要する。それでもあきらめるわけにはいかない」

21.外交力 - 世界への発信力を鍛えていく

 「腕力は弱そうだけど、よくものを考えていて、的確なコメントをする。相手に殴りこむようなケンカはしないが、いざとなると、タイミングよく一番必要なものを提供する。信頼を置かれ、相談事に必ずあずかる。そんな国のあり方が、日本にふさわしい」
 「ここまで20本の社説で提言してきたことは、まさにそういう日本になるための知恵とは何かということである。最後に、そうした知恵を生かすために、国際社会への発信力を高めることを考えなければならない」 

 次の「その4」から、いよいよ、この「まとめ」のうえにたって、この提言の特徴を私の思いと関連づけながら、考えていきたいと思っている。
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保守系さんへの回答と質問 その6  ‥千里眼‥

2007年05月16日 02時04分05秒 | Weblog

 ここで、保守系さんへの質問をまとめておきたい。

① 日本には華北へ戦争を拡大する余力はなかったという見解について、参考にした文献を教えて欲しい。

② 「毛沢東の指導下にあった共産軍の一発」と書いているが、共産党軍が盧溝橋の現地に居った事実はない。あなたの独創的見解なのか。依拠した文献でもあるのか。

③ 「シナ軍はこの協定(注:盧溝橋事件のあと現地で結ばれた停戦協定のこと)を守らず発砲を繰り返します」と言うが、そんな事実はない。どういう資料に基づいているのか、教えて欲しい。何時、何処で中国軍の発砲があったのか。

④ 「国民党と妥協し、日本軍と戦え」と言うコミンテルンの指示は、何時、誰に出されたのか。私は全くそうしたことを知らない。最初の銃声についての「中国共産党謀略説」と関連して書いているので、盧溝橋事件直前の指示だと言うのか。依拠した文献なり資料を教えてほしい。

⑤ 「首都南京を攻撃する時をもって戦争宣言をした‥‥」と言うが、この「戦争宣言」なるものは、「宣戦布告」のことなのか。もしそうなら、それは事実に反するが。

⑥ 満州事変も日中戦争も侵略ではないと、日本は侵略戦争なんかやってないと保守系さんは主張する。「侵略」という用語をきちんと説明して欲しい。どういう場合に「侵略」という言葉が当てはまるのか教えて欲しい。保守系さんの「侵略戦争」という言葉の概念というか、その把握の仕方を教えて欲しい。

⑦ 日中戦争は、自存自衛の戦争だと言いきっているが、その論拠を教えてほしい。

 当面は、以上について質問する。きちんとした回答のあることを期待して。さらにその場合、きちんとした資料なり論拠なりの提示があってしかるべきだと思っている。

 盧溝橋事件とは直接かかわらない件での質問事項が多々あるが、それは後回しにする。

 最後に、私は投稿では「である」調、コメントでは「です」調を原則として使っている。それゆえ、保守系さんへの呼びかけであるにもかかわらず、「である」調で書いたことをお断りしておきます。
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改憲問題は政争そのものである。      天木ブログ

2007年05月15日 12時46分36秒 | Weblog
 国民投票法が成立した。2007年5月14日は、世論を二分する改憲論争の始まりとして、今後末永く記憶さるべき日となるだろう。だからやはりこのブログでも一言だけ書きとどめておきたい。
   最近の国会の勢力状況を見ていると、いかなる反対があろうとも国民投票法が成立するであろう事は明らかであった。それでも、いざ国民投票法が成立してみると、メディアは改めてそれが一大事の如く報道する。それでいて本気で心配している風情でもない。あたかも改憲までのシナリオが着実に進んでいく事を、あきらめ顔で容認しているかのごとくである。
   護憲政党の声は無視され、世論はなぜか動かない。動けない。何故か。それは小泉政権以来この国の政治均衡が大きく崩れてしまったからだ。それにともなってメディアが一気に権力側につくようになったからだ。
   政治の場における真の保革対立がなくなって久しい。いわゆる護憲勢力は衰退の一途を辿ってきた。それでも政治がバランスを保てていたのは、自民党の派閥争いによるチェック・アンド・バランスが働いていたからだ。それが小泉政権になって崩れた。自民党が一派閥の支配する政党となり、小泉党になった。この傾向は今後も当分続くだろう。その背後に米国の命令があるかどうかはここでは論じない。しかしハッキリしていることは安倍であろうがその後が誰であろう、今の政治状況が続く限りは親米一辺倒の自公政権の支配が当分続くということだ。
   小泉前首相の最大の罪は、権力に対する自制心を捨て去ったことだ。権力の横暴に身をゆだねたことだ。権力は、それが如何に横暴であろうとも、最後は他者を黙らせるという事を、小泉前首相はものの見事に見せつけてくれた。繰り返していうが、その背後に米国の命令があったかどうかはここでは論じない。後継者である安倍首相は、就任直後こそモタモタしていたが、最近になって急速に強硬に転じた。あたかも小泉前首相がそれを密かに伝授しているかのようだ。そしてその安倍首相が、改憲に向けて一気に舵を切った。
  「改憲問題を政局と絡めてはいけない」。これは皆が決まって口に出すことだ。それは一見正しいかのようである。しかし私は逆だと思う。改憲と言う国家の根幹に関わる事を決めるのは、まさに政治である。しかも改憲は日米軍事同盟と表裏一体だ。政治は政争である。権力闘争である。権力闘争の決め手は米国の支持を得られるかどうかである。
   こう考えた時、改憲を阻止する唯一、最善の方法は、護憲を、護憲政党の専売特許にしないことだ。平和運動という奇麗事だけに終始しないことだ。あらゆる手を使い、政局にしてでも憲法を守るという政治センス、戦略を駆使することだ。
   これを具体的に言えば、護憲政党が小沢民主や国民新党と「自公政権打倒」で共闘することだ。
たしかに民主党や国民新党のメンバーは旧自民党だ。その意味では心情的には改憲、親米かもしれない。しかしネオコングループを除いた小沢民主と、小泉刺客の恨みを忘れない国民新党は、小泉・安倍自公政権と対決するという意味では、護憲政党よりも政権打倒に執念を燃やしている。しかも彼らは改憲に突き進む安倍自公政権を許さない、という立場では護憲政党よりも護憲的だ。
  さて、このブログの結論を書く時が来た。憲法を守るのは、最後は国民投票による国民の一票だ。そのために私は国民の覚醒に尽力を傾けてきた。 国民投票において国民が為政者の改憲の意図を挫いてくれれば、それはもう日本における初めての民主革命だ、そう私は主張してきた。その思いは今も変わらない。
  しかしその前に、出来るものであれば政治の場で改憲の試みを挫いてもらいたい。日本共産党と社民党は、小沢民主を支え、国民新党も含めたオール野党を結束させて、次回参院選を戦ってもらいたい。米国に操られた小泉・安倍自公政権を許すのか、国民の側に立った反自公政権をつくるのか、その選択をせまる戦後政治史上最後の選挙にしてもらいたい。日本共産党と社民党は、もし本当に憲法を守る事を最優先するのであれば、政争を引き起こす形で小泉・安倍自公政権を打倒しなければならない。護憲政党としてバラバラなままで護憲を訴えても、世論は動かない。世論が動かなければ憲法9条は守れない。なんとしてでも小泉・安倍自公政権の改憲の動きに歯止めをかけなければならないのだ。
 
 (天木直人ブログ 5月15日 の記事より)

  
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「イラク特措法」のどさくさ採決に抗議する。 まもる

2007年05月15日 12時05分08秒 | Weblog
      <緊急抗議声明>
「イラク特措法期限延長法案」の委員会採決に
       強く抗議します

             「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」

 私たち「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」(以下、訴訟の会)は、本日5月14日、衆院「テロ防止・イラク支援特別委員会」でイラク特措法期限延長法案を採択したことに、深い憤りを覚えます。この法案を提出した安倍内閣及び賛成した与党に対し、強く抗議します。

 過去4年余にわたるイラク戦争とブッシュのイラク政策支持を総括することなし
に、また、3年余にわたる自衛隊のイラク派兵についての総括もなされず、さらには私たち主権者に対して自衛隊の活動実態に関する情報開示と説明がまったくなされない中での委員会採決は、立憲民主主義を否定・破壊する「暴挙」です。

 民意は、あきらかにイラク特措法2年延長に「反対」です。私たちは、イラク特措法2年延長について国民がどのように考えているかを市民の手で調べるために、去る3月18日~4月1日、名古屋を含む全国21ヵ所で街頭シール投票を実施しました。その結果は、総投票者数3,426人のうち、延長「反対」は2,834人(83%)、延長「賛成」はわずか192人(6%)でした(あとの11%は「わからない」)。4月10~11日に実施された朝日新聞社の電話による全国世論調査でも、期限延長改正法案「反対」が69%、「賛成」が19%です。

 そもそも、イラク戦争そのものが国際法ならびに国連憲章違反です。戦争の“正当性”とされた「大量破壊兵器の存在」「フセイン大統領とアルカイダは関係がある」のいずれもがまったく誤った情報(または情報操作)に基づくものであったことが明らかになったにもかかわらず、日本政府はなんら総括することなく、今も自衛隊を派兵し続けています。

 派兵された自衛隊が行っていることは、明らかに憲法9条違反です。治安維持という名のもとで行っている武装グループ掃討のための空からの無差別攻撃等を行っている米軍兵を中心とする多国籍軍を、「安全確保支援活動」という名のもとで「後方支援」しています。後方支援活動は、戦闘行為に欠かすことのできない「兵站活動」で「戦闘行為の一部」。政府がいう「武力行使と一体化」した軍事活動です。これはまさしく憲法9条が禁止する集団的自衛権の行使に該当し、違憲行為です。

 イラク特措法2年延長は、違憲行為の延長です。私たち主権者は、このような違憲行為を見過ごすことはできません。私たちは、あらためてここにイラク特措法の廃止と、すべての自衛隊のイラクおよび同周辺地域からの即時撤兵を強く求めます。

                                 以上

連絡先:「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」(代表 池住義憲)
〒466‐0804愛知県名古屋市昭和区宮東町260
名古屋学生青年センター内
電話:052-781-0165 Fax:052-781-4334 


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