九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

朝日新聞 「21の提言」について その1  ‥千里眼‥

2007年05月14日 11時49分15秒 | Weblog
 私は朝日新聞の「21の社説」の内容を高く評価している。ネット虫さんが紹介された12日のメールの内容に賛同できないのだ。そのメールへのコメントで、この問題について私の見解を投稿すると書いたが、いざ書こうとするとその内容が多岐にわたっているので、相当に困難な課題であった。

 この「21の社説」をじっくり読むということ自体が、相当に困難である。あまりにも長文だからである。読まなければこの「提言」についての論議に参加できない。それゆえ、私の考えを整理する意味もあって、最初にその内容の要点整理から始めることにした。

 その前に、大雑把な私の思いを記しておきたい。このブログに参加する前は、私は山とスキーにのめり込んでいた。政治に対する関心はあるものの、深く考えることもなく時を過ごしてきた。このブログに参加するようになってから、投稿内容と関連して、いろいろと考えを深めてきたように思う。

 保守系論客(保守系さんではありませんよ)の見解を批判する作業を通じて、では日本はどうあるべきなのか、という点についても、私の考えをある程度整理できてきたように思う。日本のありよう」に対する私の思いが、今回の朝日の「21の社説」と基本線ではほぼ一致していたのだ。私の日本に対する思いの主要部分が、きれいに整理されて提示されていたのだ。ただし、自衛隊にかかわる部分は除いて。自衛隊については、私自身の考えをまとめることは出来ていなかったのだが。

 では、「社説21」の要点整理を始めよう。ネット虫さんの連続投稿は全文の紹介なので、要領よく内容を掴むための整理である。それにしても、全文を紹介していただいたネット虫さんの努力に、私は感謝している者である。それがなければ、朝日を取ってない私は、この「提言」を知らずに過ごすところだったのだ。

1.地球貢献国家 - 世界のための「世話役」になる
 「地球貢献国家。地球大のさまざまな課題をしっかり考え、国際社会に率先して貢献する。それを通じて日本の国益を確保する」
 「そんな道を歩むうえで、日本国憲法は貴重な資産である。‥‥9条には、二度と侵略の愚をくり返さないとう宣言の意味がこもっている。とりわけアジアでは『9条を持つ国』の安心感が役に立つ」
  注:国益という言葉はわれわれ年寄りには戦前のイメージが付きまとうが、ここでは次の内容だ。
   ・平和と民主社会の維持 ・和解によるアジアの共生 ・過激派によるテロの防止 
   ・経済的豊かさの持続  ・地球環境の保全     ・食料・資源エネルギーの確保

2.気候の安全保障 - 「キョート」を地球保全の原点にする
・ 地球の平均気温上昇を2度以下に抑さえる
・ 省資源社会のモデルを日本で実践し、世界に広める
・ 環境ビジネスの魅力を高め、米国や中国も温暖化防止に引き込む
「世紀をまたぐ気候の安全保障では、価値観を地球大で転換させる外交が必要だ。日本はその先端を走っていきたい」

3.省エネ社会 - 新技術を活用し、集中型から分散型へ
 「日本はエネルギー構造を大きく転換し、CO2排出を大幅に減らすモデル社会とならなくてはならない。そこでは、火力発電所や原子力発電所などの巨大施設で発電する集中型の従来方式を抑制し、分散型のエネルギーを増やす戦略が柱になる」。「最も望ましい分散型は自然エネルギーだ」

4.原子力と核 - 核廃絶と温暖化防止の二兎を追うべきだ
 「適正な規模で原発を利用しつつ、同時に核軍縮・不拡散を進める。核廃絶と温暖化防止の二兎を追うべきである」。(私注:CO2削減のため原子力発電をという意見に対して)
 「日本の果たすべき役割は大きい。第一に、核保有国に大幅な軍縮を促すことだ」。「第二に、濃縮ウランとプルトニウムをつくる施設の規制だ」。

5.化石燃料 - 省エネと消費国の連携で、石油危機を防ぐ
・ 省エネは最良のエネルギー安全保障対策である
・ 産油国への投資と交流を広げ、結びつきを強くする
・ 石油、天然ガスを備蓄し、緊急時にアジアで融通し合う制度を整える

                                 次に続く
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国民投票法案・強行採決ならば、全国で違憲訴訟を!!   JAN・JANの記事から

2007年05月14日 09時58分42秒 | Weblog
 衆院で強行採決され、参院で審議中の国民投票法案には、投票日2週間以前ならCM流し放題、公務員の政治活動の制限など、重大な問題が残されている。とりわけ最低得票率の規定を欠いている点は、憲法制定時の経過と精神からみて違憲の疑いがあり、もしこれが参院でも強行採決されるなら、国民主権に対する重大な侵害として、全国的にその効力停止を求める違憲訴訟をおこすべきである。

 現憲法は旧憲法下最後の第90回帝国議会で制定された。当時の憲法担当国務大臣・金森徳次郎は貴族院憲法改正特別委で、国民投票での憲法改正の確定時期の質問を受け、「(国民投票が)投票数3千万であれば、だんだん(開票)結果がわかってきて、(過半数の賛成の)1600万になった時に憲法が確定する。こういう風では困るので手続きをつくらなければならない」と答えている(清水伸編著『逐条日本国憲法審議録』・有斐閣・第3巻743ページ。または、インターネットで、第90回帝国議会・貴族院特別委議事録を参照)。

 第90回帝国議会では、衆議院・貴族院を問わず、具体的な確定要件が出てくるのはこの答弁だけであり、これについて政府・与野党をふくめ、異論や質問はいっさい出ていない。政府側が想定していた投票数3千万は、当時の有権者数約3687万の81.3%、その過半数である1600万の賛成(投票総数の53.3%、対有権者比で44.4%)で憲法が改正されることとなる。

 常識的な数字であり、帝国議会の議員全体も異論の余地はまったくなかったのである。

 ところが今の国民投票法案(民主党案にも最低投票率の規定はない)では、投票率が4割にとどまった場合、有権者の2割程度の賛成で憲法が変えられてしまう。与党案や民主党案は、ボイコット運動で投票自体が不成立となることをおそれて最低投票率を設けていないといわれるが、そもそもボイコットでつぶされるような憲法改正案が憲法といえるのか。こんなべらぼうな話はない。もし原案のまま強行採決されたなら、全国津々浦々で違憲訴訟を起こそうではないか。
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朝日新聞に見る日本の歩み その9 名古屋市火の海 大空襲   ‥千里眼‥

2007年05月14日 06時00分36秒 | Weblog
 名古屋大空襲の記事である。この5月14日以前から名古屋はしばしば空襲を受けた。最初のうちは、軍需工場に対する爆撃だけであったのが、3月12日夜、さらに3月19日朝2時に、市街地への大規模な無差別焼夷弾攻撃がおこなわれたのをきっかけに、たびたび名古屋市街地は襲われたのだ。

 15日の紙面では、あまりにも小さい記事、紙面にひっそりと報道されているのに驚く名古屋市民にとっては大変な出来事なのに。全国いたる所で空襲を受けているので、そういう扱いになるのであろう。もう単なる空襲では記事にもならなくなったのであろう。

「昨朝、名古屋地区へ B29約四百機来襲」「市街地を無差別攻撃」という見出しのもと、簡単な大本営発表が載せられていた。本当に小さい記事に過ぎない。

 確か、この空襲のときに、名古屋城が焼け落ちたのではなかったのか。この朝日の記事には載ってはいないが。

 日本の各都市が無差別爆撃を受けたが、そのために米軍は日本の市街地を焼くのに最適な焼夷弾を開発していた。それが「M69集束焼夷弾」なるものである。ケースに48発の子弾を入れ、空中の軽い爆発で子弾が分離し降り注ぐ、というものである。
 この子弾は6角錐筒で、直径8cm、全長50cm、重量2.4キロ。48発でケースともで約120キロ程度のシロモノである。これを9トン搭載可能なB29は、約70発は搭載していたのではないか。つまり、1機のB29から3360発の焼夷弾が落とされることになる。そのB29が2・3百機の大編隊で来襲するのである。

 子弾の姿勢制御のために長いリボンがつけられている。ケースが軽く爆発し子弾に分離すると、このリボンが燃えながら落ちてくる。夜、空襲を受けると、火の雨が降り注ぐ壮絶な景色が見ることになるのは、このためである。

 私は当時、熊本市のはずれ、小高い丘の上に住んでいた。熊本が最初の夜間空襲を受けた時の記憶は、今でも鮮明な映像になって記憶に留まっている。熊本市の空一面に火の雨が降り注いでいるのだ。壮絶というか、これほど死の匂いのともなう美しい景色を再び見ることはないであろう。私は表現する言葉を知らない。
コメント (3)
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