九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

もうひとつ。戦争を放棄して自衛軍をという論。 楽石

2007年05月07日 20時14分28秒 | Weblog
もうひとつ。
慶応の先生が唱えていた、
憲法で戦争は放棄して自衛軍は持つ。
という論は、どうでしょうか?

私には現実的な論に思えますが・・・

反論、賛成。
そちらでも結構です。
お考えを教えて下さい。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シーレーンは誰が守っているのか?  楽石

2007年05月07日 20時10分23秒 | Weblog
NHKのクローズアップ現代を見ていくつか
疑問がわきました。

① 改憲を推進している経済同友会の方は
湾岸戦争の時に、日本はなぜ軍隊を送らないのか?
日本の石油を運ぶ船を守って戦争しているんだ!
と質問され、答えに詰まったという。

実際、日本のタンカーは誰が守っているのか?

② 月収12万のフリーターを10年。
今の生活では、どうしようもない。
もう戦争か革命しかない。

こんなに革命をのぞんでいる若者がいるのに
日本の革命政党は、なにをしているのか?

こんな疑問です。
どなたか教えて下さい。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日新聞の提言社説紹介④     ネット虫

2007年05月07日 12時16分25秒 | Weblog
3.省エネ社会

 「温暖化を2度以内に」の目標を追求するなら、日本はエネルギー構造を大きく転換し、CO2排出を大幅に減らすモデル社会とならなくてはならない。

 そこでは、火力発電所や原子力発電所などの巨大施設で発電する集中型の従来方式を抑制し、分散型のエネルギーを増やす戦略が柱になる。

 CO2減らしに役立つ太陽光などのエネルギー源はパワーが小さめだ。これを積極活用するには地域や企業、家庭などの小さな単位で調達するスタイルの方が理にかなう。

 集中型は電力を量産できる半面、捨てている排熱なども大量だ。一方、分散型だと排熱を給湯や地域暖房などに使える利点もある。集中は効率が良く、分散は非効率とばかりはいえない。

 最も望ましい分散型は自然エネルギーだ。とくに太陽光発電は、日本が得意とする固体素子づくりの技術に支えられている。太陽光パネルは世界シェアの約半分を日本企業が占める。

 ところが05年末、日本は太陽光発電の累積導入量でトップの座をドイツに奪われた。太陽光パネルをとりつける家庭への政府補助は、05年度までで打ち切られた。政府はこの技術の潜在力をきちんと評価して、もっと国内外の市場にうって出る姿勢が必要ではないか。

 新エネルギー利用特別措置法は、電力会社に一定量の発電を自然エネルギーから得るよう義務づける。だが、14年度の達成目標は160億キロワット時で、全発電量の1.63%に過ぎない。

 これでは自然エネルギーの技術開発や普及は進むはずがない。達成目標を高め、助成措置や免税制度などの手法を総動員して、抜本的にテコ入れすべきだ。

 むろん、自然エネルギーが成長してエネルギー供給の柱になるには時間がかかる。それまでのCO2削減を支えるのは省エネルギーだ。

 自然エネルギーと同様、省エネの威力もよく理解されていない面がある。

 国立環境研究所などの共同チームが最近まとめた「日本低炭素社会」のシナリオでは、省エネ技術の開発などによって、今世紀半ばには日本のエネルギー需要を40~45%減らせるという。

 驚くべき「パワー」ではないか。これとエネルギー源の転換を組み合わせれば50年までに国内総生産(GDP)を00年の1.5倍~2倍にしても、CO2の排出を70%も削減できるという。

 最近、ノルウェーが50年までにCO2の排出をゼロにする方針を打ち出して話題になった。そこまではいかなくとも、日本も野心的な目標を掲げることができるはずだ。

 もう一つ、移行期の分散型エネルギーとして期待できるのは都市ガスなどの形で供給される天然ガスだ。燃やすだけでなく、水素ガスをとり出して燃料電池に使える。家庭やビルごとに発電でき、排熱は給湯などに生かせる。

 CO2は出るものの、火力発電と比べ約4割削減できるとされる。地域ごとに小さなエネルギー供給網を築けばよい。

 政府は、CO2抑制を一つの理由に「原子力立国」の旗を掲げる。現在の発電量に占める原子力の割合は約3割だが、「30年以降も30~40%以上に」という。比重を増やす方向性だ。私たちは逆に、それ以下にと提言したい。

 なぜ原子力を抑制的にすべきなのか。日本では大規模な原子炉事故が起こっていないが、その危険性は無視できないからだ。廃棄物の処理にも困る。原子力施設の集中立地は、分権社会の潮流にもなじまない。あくまで過渡期の電力源であり、頼りすぎは好ましくない。分散型のエネルギーを増やし、その足らざる部分を補うという位置づけでいこう。

 集中から分散へ。これを省資源社会づくりの土台とすべきだ。

4.原子力と核

世界では今、日米欧の先進国で原発の増設計画が語られる一方で、アジアや中東などでも原発をつくりたいとの希望が増えている。暮らしや経済を支えるため、安定した電力がほしいのは理解できる。そして、もう一つの理由が地球温暖化対策としてである。

 やっかいなのは、原発には大事故の危険や廃棄物の問題がつきまとうと同時に、核兵器を持ちたいという政治指導者の野心とつながる場合があることだ。

 軍事転用は決して認めない。近隣国や国際社会が安心して見守れる平和利用に限定する。この原則を後回しにしては、温暖化防止どころの話ではない。

 適正な規模で原発を利用しつつ、同時に核軍縮・不拡散を進める。核廃絶と温暖化防止の二兎(にと)を追うべきである。

 冷戦終結で、米ソ核戦争の危険は遠のいた。だが、核が大きな脅威であることは変わらない。核のない世界を目指すという目標は追求していかねばならない。それには核不拡散条約(NPT)を軸にした拡散防止体制を強めることだ。

 NPTは米国、ロシア、英国、フランス、中国の核保有を認め、それ以上には核を持つ国を広げないことを旨とする。この不平等性にもかかわらず大多数の国がNPTを支持したのは(1)核保有国が増えれば世界が不安定になる(2)保有5カ国に核軍縮を誠実に交渉する義務を課した第6条に基づき、やがて核廃絶への道筋が描ける――と考えたからだ。

 そのNPTへの信頼が近年、大きく揺らいでいる。インド、パキスタンはNPTに加わらないまま98年に核実験した。同じく未加盟のイスラエルは事実上の核保有国と言われる。加盟国でも、北朝鮮はNPTを脱退して06年に核実験をしたし、イランは疑惑が膨らんでいる。

 こんな穴を早くふさがなければならない。同時に、NPTへの信頼を回復するには核軍縮、つまり核のない世界に向けて近づいていく実績と実感が必要だ。保有5カ国の核を放置せず、具体的な削減を迫っていくべきだ。

 そもそも、核兵器への依存には限界が見えてきている。米国の国務長官をつとめたヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ両氏らが今年1月、連名で「核兵器のない世界を」との提言を発表した。

 今後、核が拡散していけば、核の存在がかえって米国や世界の安全を脅かす恐れがある。核を廃絶した方が国益にかなう。そんな考えから、資料1のような提案を示した。

 核による抑止論の主唱者でもあったキッシンジャー氏らの方向転換は、時代の変化を象徴する。すぐに核兵器をなくせるわけではないが、提案の中身はすぐにでも着手すべきものばかりだ。

 日本の果たすべき役割は大きい。

 第一に、核保有国に大幅な軍縮を促すことだ。まず米ロが思い切って削減し、その後、英仏中などを加えて包括的な核軍縮に進む。

 米国の核の傘に入っている日本が、そんな働きかけをできるのかという疑問があるかもしれない。だが、被爆体験を持ち、非核を国是とする日本だからこそ、訴えが力を持つ。核への依存を減らせる地域的、国際的な安全保障制度を整えていくことも大事だ。

 第二は、濃縮ウランとプルトニウムをつくる施設の規制だ。ウランについては、国際的な核燃料バンクを創設して安定供給を保証し、濃縮施設を持つ国を増やさない。プルトニウムを使用済み核燃料から取り出す再処理施設は、国際管理下に置くことを検討すべきだ。

 非核国で大規模な再処理施設を持つのは日本だけだ。独自のプルトニウム利用にこだわるのではなく、多国間の枠組みで核不拡散体制を強化する先導役を担っていくべきだろう。

 第三は、インドとの協力のあり方だ。米国は、NPTに入らない国とは原子力協力をしないのが原則だが、インドを例外扱いする方針である。民主主義国インドの経済成長を助け、同時に温暖化対策にも役立てようとの戦略だ。中国を意識してインドとの関係を緊密化する狙いもある。

 だが、NPTに背を向けたインドの核保有を認め、原子力分野で協力していくというなら、NPTの下での義務を受け入れた加盟国の不平等感はいっそう高まるだろう。核軍縮、核実験禁止などでインドから明確な約束がない限り、日本はインドへの原子力協力に賛同すべきではない。

 核と気候の脅威に立ち向かう。二兎を追うために、外交の腕を磨いていこう。


5.化石燃料

 波乱含みの中東情勢、原油価格の高騰、石油の権益確保に走る中国、資源大国として影響力を強めるロシア――。世界のエネルギー情勢を見渡すと、不安をかき立てられる動きが少なくない。

 石油供給の9割を中東地域に依存する日本は大丈夫なのか。石油資源の開発競争に後れをとってはならぬ。そんな議論もかまびすしい。

 エネルギー源をどのようにして確保していくか、長期的に考えるのは大事なことだ。だが、このところの世界の動きにいたずらに不安を募らせるのは得策ではない。

 たとえば、急成長する中国やインドの需要増が原油価格の高騰をもたらしたという見方がある。実際はどうか。国際エネルギー機関(IEA)などの統計を見ると、ここ5年ぐらいで世界の石油需要が急に増え始めたという状況はない。

 投機的な資金が流れ込んだことが高騰を招いたと見るべきだろう。必要以上にあおられてはいけない。

    ◇

 将来の石油危機を避ける最良の戦略がある。省エネを徹底して、消費量を抑えていくことだ。省エネで節約すれば、その分の油田を日本で掘り当てたのと同じようなものだ。70年代のオイルショック後、日本経済は世界でもトップクラスの省エネ構造に転換したが、さらに挑戦を続ける必要がある。

 石油への依存を少なくすれば、それだけ危機に強くなる。日本発で省エネが世界に広がれば、全体のエネルギー需要を抑えられるし、温暖化防止にも役立つ。

 危機に備えて、日本が独自に石油を採掘する自主開発を増やそうという声が高まっている。「日の丸油田」の象徴だった国策会社のアラビア石油が00年以降、中東での採掘権を相次いで失ったことも背景にあってのことだ。

 そうした供給源を持つことに意味はあるけれど、それほどの量が期待できるわけではない。それに危機が起きた時、遠く中東やアフリカ沖、カスピ海などから実際に「日の丸原油」が日本まで届くという保証はない。

 ここは自主開発の発想を変えて考えていきたい。日本の資金で石油を掘るという狭い意味にとらわれず、産油国への投資、交流の拡大と広く位置づけるのだ。

 省エネや石化プラントの共同事業、人材開発支援など、油田開発以外にも協力の分野はたくさんある。日本の資本と技術を、現地の経済や労働力、そして石油に強く結びつけていく。

 産油国側にも感謝されるし、そうした結びつきを通じて、いざという時に頼りにできる関係を築いておく。油が出るか出ないか分からないプロジェクトに、次々と国家資金を投入するのは無駄が多すぎる。費用対効果をきちんと吟味しなければならない。

 日本には現在、政府と民間施設を合わせて半年分ほどの備蓄がある。中東から石油を運ぶタンカーの大半は、ペルシャ湾の出入り口であるホルムズ海峡を通過するが、これまでの紛争でも数カ月以上に及ぶ輸送の中断はなかった。

 これをさらに発展させて、中国や韓国などアジアの消費国にも備蓄を促し、足りなくなった時には融通し合う仕組みを整備すべきだ。

 共存共助の仕組みづくりは、地域協力を広げる格好の舞台になる。東シナ海での中国との権益争いなども、そんな取り組みのなかで解決策を見いだしていく。

    ◇

 天然ガスをもっと使うようにすべきだ。石油より環境への影響が小さいし、供給国も地理的に偏っていないので、特定地域に依存するというデメリットが少なくてすむ。

 ここでも、アジア諸国と協力できる。日本は液化天然ガス(LNG)の技術が得意だから、それをテコにたとえば多国間でLNG備蓄基地をつくり、互いに融通する。石油と同様に、アジアの安定と地域協力、日本の国益に役立つ。

 欧州のように、ガス・パイプライン網を張り巡らせることで相互依存を強めれば、多国間のエネルギー安保にもつながるだろう。

 経済発展の著しいアジアでは、将来のエネルギー不足が深刻になるのではないかと心配されている。それを逆に利用して地域の連携を強め、安定と発展の土台を固める。そうした協議の場づくりを日本がリードしたい。

 消費国側が協調すればその分、産出国側に石油、天然ガスの価格、供給量の決定権を握られるリスクを減らせる。その戦略的視点も忘れてはならない。この地域のエネルギー大国であるロシアにも、建設的な参加を促していくべきだ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日新聞の提言社説紹介③      ネット虫

2007年05月07日 11時45分50秒 | Weblog
 葵祭(あおいまつり)が近い5月初めの京都。におい立つような新緑に包まれた都大路を各国首脳の車が走る。どれもガソリンなしのエコカー。京都議定書発効10年を記念する地球環境サミットだ――

 こんな2015年を思い描きながら、私たちは温暖化防止を戦略の中心におくことを提言したい。

 日本は戦争の深い反省、広島、長崎の被爆体験から、平和を希求する戦後の歩みを踏み出した。「ヒロシマ」は戦後日本の原点でもある。同様に、21世紀日本の原点をこの議定書に置こう。「キョート」を、100年をかけた地球保全の出発点とすべきだ。

 冷戦後、地球環境は国際政治の主要な議題になってきた。今日では「気候の安全保障」という言葉も聞かれる。なぜ、安全保障なのか。

 世界の科学者でつくる「気候変動に関する政府間パネル」の部会報告によると、石油などの化石エネルギーに依存する高成長社会が続けば、今世紀末の地球は20世紀末より4度ほど暖かくなる。

 4度高くなると、どうなるか。

 地球の広い地域で深刻な水不足が起こり、穀物生産は減少する。生物種の4割以上が絶滅する。生態系が壊れ、感染症の分布地図が変わるなど、想像を超えた異変のリスクも高まる。

 お金に換算しても損害は甚大だ。英政府の「スターン報告」は、5~6度の気温上昇で世界の国内総生産(GDP)は平均5~10%の損失を被ると見積もる。さまざまな格差や対立が先鋭化し、地球全体が大混乱に陥りかねない。

 すさまじい脅威がそこまで迫っている。それからどう人々の安全を守るか。子や孫を守るか。戦争や核の脅威と同様、まさに安全保障の主要課題である。

 08年から実施段階に入る京都議定書は、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減を先進国に義務づけた。ところが、世界のCO2排出量(03年)の23%を占める最大排出国、米国が議定書を離脱している。16%で2位の中国も、4%のインドも、途上国ということで義務を課されていない。

 この京都議定書の第1期が12年に終わった後すぐ、後継の枠組みにつなげなければならない。いわゆる「ポスト京都」だ。1期より実効のある枠組みをめざして日本は主導的な役割を果たすべきだ。

 それにはまず、自らが温室効果ガスの「90年比6%減」という義務を果たす。次に米国への働きかけだ。米国では州レベル、議会などに温暖化対策への機運が高まっている。この内圧を背景に、日本からも議定書への復帰を迫る。そのうえで中国やインドなどにも排出抑制の義務を担うよう促すべきだ。

 いま世界では、CO2を出さないという「脱炭素」が一つの経済価値を持ち始めている。各国の抑制策が強まり、排出量取引が広まれば、省エネなど「出さない」技術を備えることが経済競争力を支える重要な柱になってくるだろう。

 次世代の経済大国を目指す中国、インドにとっても、脱炭素をめぐる競争力は欠かせないはずだ。排出量の抑制義務を課されるのは重荷かもしれない。だが、長期的にはそれが自らの利益にもつながる。日本外交の説得力が問われる。

 13年以降も京都議定書の精神を育て、より精緻(せいち)な枠組みをつくるべきだ。そのための会合を京都で開くなど、環境外交の発信拠点として「キョート」を活用したい。まずは、08年のG8洞爺湖(とうやこ)サミットで先進国の結束を固めることだ。

 目指すべき目標として、気温上昇を20世紀末に比べて「2度以内に抑える」ことを掲げよう。

 欧州連合(EU)は、上昇幅を工業化前に比べて2度(90年に比べて約1・4度)以内にする独自の目標を示している。われわれがいう「2度以内」は非現実的な数字ではない。

 そのためには「脱炭素」にそって社会を組み替えていかねばならない。先進国と途上国とで取り組み方に違いはあろうが、基本は資源多消費型から節約型への移行である。日本が得意とする省エネ、自然エネルギー技術をもとにその設計図を描き、実行してみせたい。

 省エネはコストダウンにもなる。太陽光や風力などによる発電は、広大な国向きだ。中国やインドなどの関心を呼ぶに違いない。日本は技術を売るだけでなく、政府の途上国援助(ODA)も活用しながら普及を後押しすべきだ。

 市場の力で脱炭素を進めることも大事だ。この面ではEUが先行する。排出量取引制度で発電所や製鉄所などに排出枠を割り振り、その枠を売買させている。米国の州にも同様の動きがある。

 脱炭素がカネになる社会をつくり、そのビジネスを促す。この世界的な潮流に沿って日本も省資源社会の構築や排出量取引制度を進め、中国、インドなどの途上国も加えていく。米国も、そこに広大なビジネスチャンスを見れば、むしろ進んで議定書に参加してくるだろう。

 世紀をまたぐ気候の安全保障では、価値観を地球大で転換させる外交が必要だ。日本はその先端を走っていきたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日新聞の提言社説紹介②      ネット虫

2007年05月07日 11時30分54秒 | Weblog
1.〈総論〉地球貢献国家

 ちょっと、未来を思い描いてみよう。

 世界の人口はいま約65億人。早ければ2045年ごろには100億を突破する。それに応じて経済も膨らむ。果たして地球は耐えられるだろうか。

 もとよりエネルギーや食料、水などの不足が心配なのに、地球の温暖化が恐怖に拍車をかける。このままいくと、2020年代には水不足が数億人を直撃するといわれる。その先、多くの生物種が絶滅し、農産物の生産性が落ちて飢餓の恐れも出てこよう。

 地球は狭くなった。国境を越えて人やカネやモノの移動が自由になった分、テロや麻薬組織や感染症なども移動しやすい。「9・11」はその典型だった。

 米国の一極支配は終わり、欧州統合の拡大や中国、インドの台頭をはじめ世界の多極化が進むだろう。世界中の国や企業や人々が多様なつながりを増やし、影響を及ぼしあう。そんな時代だ。

 国と国のエゴはぶつかり合うが、過去のどの時代とも違うのは、狭くなった地球の命運を考えずして、どの国も「国益を守る」ことができなくなることだ。目先の国益を考えて領土や資源を奪い合ったり、生態系を破壊したりしていれば、自分の首を絞めてしまう。

 実は、そんな時代は日本の特性を生かすチャンスでもある。もともと資源が乏しい中で苦労や工夫を重ね、通商国家として富を築いてきた国だからだ。

 それなら、いっそ日本は「地球貢献国家」を目指すのがよい。

   ×    ×

 地球貢献国家。地球大のさまざまな課題をしっかり考え、国際社会に率先して貢献する。それを通じて日本の国益を確保する。上の図がその全体像だ。

 経済大国を任じてきた日本も、中国やインドの急成長でパワーは相対的に小さくなりつつある。だが、危機感を募らせて狭い国益にこだわるなら、逆に影響力がしぼんでしまう。実りは少ない。

 むしろ日本は、多くの国が利益を共有できる「国際公益」の広がりを求め、そこから生まれた成果を享受していく方が賢い道だ。

 日本が得意とするエネルギーの「効率利用」を中国、インドなどに広めれば、人々に喜ばれ、地球環境にも貢献する。日本のビジネスチャンスも膨らむ。

 内戦などで破綻(はたん)した国では「法の支配」が壊れる。テロや麻薬、武器密売などの犯罪組織が拠点を置き、そこから脅威が世界に散らばる。感染症も広がりやすい。「法の支配」の定着が何よりであり、それには日本の働きが役立つ。

 途上国への援助を増やし、これから国際機関に日本人をどんどん送り込む。海外で活動するNGOを応援し、国際公益を重んじる企業とも連携する。いわば「国際公益の世話役」を目指すのだ。

 アジアでは中国やインドの大国化が進み、北朝鮮は核実験もした。ナショナリズムも台頭する。きれいごとではすまない部分だが、煽(あお)られてはいけない。

 自衛隊と日米安保条約で安全を確保する。同時にアジアで争いがおきないよう、日米中の互恵関係や東アジア共同体づくりを進める。不信の構造化ではなく、「信頼の制度化」がアジアの共通利益であり、日本の国益でもある。日本の周辺諸国との領土問題も、そうした発想のもとで解決をはかっていく。

 世界のための「世話役」となるうえで大事なことがある。国連を軸に、問題解決に役立つ「国際公共財」を充実させ、効果的に使うことだ。集団安全保障や自由貿易、地球環境の保全、人道主義のための制度や機関、条約など。下の図にあるとおりである。

 これらを育てる世話役には、大国主義に陥らず「法の支配」を重んじる日本のような国こそふさわしい。「公共財」を組み合わせてうまく使いこなし、平和と経済発展の持続をめざす。それを日本外交の「Jブランド」としていきたい。

   ×    ×

 そんな道を歩むうえで、日本国憲法は貴重な資産である。戦争への深い反省から日本は軍事に極めて抑制的な道を歩んできた。根底は国際主義を重んじる前文と、平和主義を打ち出した第9条だ。

 9条には、二度と侵略の愚を繰り返さないという宣言の意味がこもっている。とりわけアジアでは「9条を持つ国」の安心感が役に立つ。日米安保体制は大事だが、米国との距離をうまく保つうえでも、9条は有効な防波堤だ。9条を変えること、とくに自衛隊を名実ともに軍隊にすることは決して得策ではない。

 だが、憲法の下で自衛隊をきちんと位置づけることは望ましい。そのために、平和と安全保障に関する準憲法的な「基本法」を作ることを提案したい。自衛隊の基本的な性格・役割を明確にし、同時に歯止めをかけておくためだ。

 前文と9条の精神に基づいて専守防衛を貫き、他国の戦争に加勢する集団的自衛権は行使しない。唯一の被爆国として「非核」を貫く。文民統制も大事だ。そして、国連主導の国際的な平和構築活動には、軍隊を名乗らぬ自衛隊の持ち味を守り生かす形で参加していく。

 基本法はこれを柱にするのがよい。これは地球貢献にも通じることである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日新聞の提言社説紹介①      ネット虫

2007年05月07日 11時23分10秒 | Weblog

提言 日本の新戦略 社説21(2007年5月3日)

はじめに

〈総論〉
1.地球貢献国家

〈地球と人間〉
2.気候の安全保障
3.省エネ社会
4.原子力と核
5.化石燃料
6.食料の安全保障
7.アフリカ支援

〈グローバル化とアジア・イスラム〉
8.経済のグローバル化
9.通貨の安定
10.東アジア共同体
11.アジア新秩序
12.隣の巨人
13.イスラムとの付き合い

〈憲法9条と平和・安全保障〉
14.日米安保
15.自衛隊の海外派遣
16.人間の安全保障
17.9条の歴史的意義
18.9条改正の是非
19.自衛隊

〈日本の外交〉
20.ソフトパワー
21.外交力

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日新聞に見る日本の歩み その7 対華21ヶ条要求、中国へ最後通告 ‥千里眼‥

2007年05月07日 04時05分55秒 | Weblog
 
 大正4年(1915年)の5月7日、対華21ヶ条要求を拒否した中国(袁世凱政権)に対し、日本政府は期限付きで最後通告を突きつけた。
 5月7日の紙面では1面全紙を使って、これについて報道している。主な見出しだけ拾うと、「日支関係危機」、「最後通牒発送」、「最後通牒内容」、「支那態度如何」、とある。その紙面の最下段では、第一艦隊・第二艦隊が出動準備を整えたこと、広島第五師団が出動準備にはいったことが報道されている。
 翌8日の紙面では、「対支交渉顛末 七日外務省発表」の見出しのもと、21ヶ条の各条文の内容と、そのそれぞれについての交渉の内容を、外務省の発表どおりに収録している。

* 第一次世界大戦中でヨーロッパを舞台に欧米諸国が激戦を重ねている最中のことである。アジアから欧米諸国が手を引いているまさにその時、火事場ドロ的行為に日本は出たのである。

* 21ヶ条の内容は、中国からさまざまな利権を奪い、秘密条項として要求していた第5項を含めると、中国を日本の属国とする内容を含んでいた。最終的には、日本は第5項を取り下げたのだが。

* 陸海軍が出動準備にはいったことに示されているように、袁世凱政権がもしこの最後通告を蹴った場合、日本は中国へ間違いなく出兵したであろう。これに怯えて、袁世凱は日本に屈したのだ。

* 参考のため21ヶ条要求の内容の概略を記す。第一項、ドイツの持つ山東省の利権を日本が継承する。第二項、南満州・東部内蒙古地域について日本に各種の特権を与えること。鉱山採掘権、自由な商業権など。日本の承認なくして他国にこの地域の権利を与えないこと。第三項、漢冶萍の鉱山採掘権を日本に与えること。第四項、沿岸の港湾や島々を他国に譲渡・貸与しないこと。

 秘密条項として要求した第五項については内容を列記する。①中央政府に政治・財務・軍事の日本人顧問を置くこと。②略。③必要な地域の警察を日中合弁にすること。④日本が中国へ兵器を供給すること、日中合弁の兵器廠を作ること。⑤中国中南部の鉄道施設権を日本へ。もし、この第五項の要求が通ったら、中国は完全に日本の属国となったであろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする