河出文庫 (2012/05).単行は河出書房新社 (2009/01).
文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を書店で拾い読みして購入.先輩こと八木敬之さんは企業に勤めながらサックスも吹いておられる方で,伊佐津和朗さんのCDに登場されていた.
小説本文の,先輩の演奏を褒めちぎる文章に対して,対談での「まあ 先輩はそう見えるものですよ」という八木さんの反応がよい.
高校の同級生 女子+男子ふたりが,3部構成でそれぞれの中心となる.第2部が大学ジャズ研を舞台にしている,いま目にするH大のジャズ研とはかなり違うが,時間的にも空間的にもずれているのだから当然かも.しかし小説の時代設定は,著者の大学時代よりさらに前なので,雰囲気は自分が学生だった頃に近いように思った.
と言うわけで第2部から読み始めたが,残る第1部と第3部が付け足しみたいに思えてしまった.ふたりは作家と映画監督になったらしいが,第2部でエレベを弾いていた子のその後だけがぼやけている.
自伝小説的なもので,著者は学生時代が本当にイヤだったらしい.その気持ちはよく分かる.
これといったストーリーがないところ,純文学みたいだが,著者の他の小説に比べて(も)きれいごとに終止している.青春小説とはこういうものだろうか.
文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を書店で拾い読みして購入.先輩こと八木敬之さんは企業に勤めながらサックスも吹いておられる方で,伊佐津和朗さんのCDに登場されていた.
小説本文の,先輩の演奏を褒めちぎる文章に対して,対談での「まあ 先輩はそう見えるものですよ」という八木さんの反応がよい.
高校の同級生 女子+男子ふたりが,3部構成でそれぞれの中心となる.第2部が大学ジャズ研を舞台にしている,いま目にするH大のジャズ研とはかなり違うが,時間的にも空間的にもずれているのだから当然かも.しかし小説の時代設定は,著者の大学時代よりさらに前なので,雰囲気は自分が学生だった頃に近いように思った.
と言うわけで第2部から読み始めたが,残る第1部と第3部が付け足しみたいに思えてしまった.ふたりは作家と映画監督になったらしいが,第2部でエレベを弾いていた子のその後だけがぼやけている.
自伝小説的なもので,著者は学生時代が本当にイヤだったらしい.その気持ちはよく分かる.
これといったストーリーがないところ,純文学みたいだが,著者の他の小説に比べて(も)きれいごとに終止している.青春小説とはこういうものだろうか.