名古屋大学で,機会があって標記の実験を見学することができた.ちなみに SSH はスーパー・サイエンス・ハイスクール.
この地方のあちこちの高校から集まった15 人の高校生をシャッフルして,3 人 1 班で 5 グループをつくる.だいたい男子ふたり,女子ひとりの構成.
フィゾーの実験の現代版で,LED 信号を10 MHz で変調し,位相のずれをオシロスコープで読み取り,光が進んだ距離の関数として測定してプロットして,直線に回帰した傾きから光速を求める.
2 日間にわたってひとつのテーマを追求する.キットの回路の政策から始めるので,もしかしたら大学の実験より徹底しているかもしれない.
われわれ - 実は加速器学会くずれのふたり - が見学したのは,最後の1時間ほどで,水中と空気中の光速の測定結果を,各グルーブが発表した.ぐだぐだした発表ぶりは大学生と同じ.空気中の光速は 2.5-3.5 x 10 8乗 m/s,水中ではその 7-8 割と,かなりいい結果が出ていた.
なかにこれの半分の値を出したグループがあり,系統的な間違いがあったはずだが,時間の制約からかあまり深く追求されなかった.
またもう一組,途中で回路が不調になり測定できなかったグルーブもあった.
光速度という未知の値を決める...というのならもっとエキサイティングなんだけど,この値は教科書に載っていて,残念ながら (ここに出てきた) 高校生はみんな知っていた.
大学生 (院生?) の模範実験というのも並行して行われ,光学機器の配置等がプロっぽかった.「データ処理に最小自乗法くらい使えよ」と言いたかったが遠慮した.
次回は音に関する実験だそうです.