テレビ「徹子の部屋」に原作者・妹尾河童が登場した.このところわが家の映画鑑賞のきっかけは,もっぱらこのテレビ番組である.
もっとも小生は徹子さんの声もお姿も苦手なので,この時間はシエスタと決めている.
1997 年のベストセラー小説は購読したのだが,あまり覚えていない.その後,これを批判した本,山中 恒の「間違いだらけの少年H」が話題になったが,パスした.
映画の主人公は少年 H ではなくその父親という感じ.神戸の洋服職人でクリスチャン.外人とも親交があったから戦争の馬鹿らしさを直感していて,それが子供にも伝わる.
当時の政治家にはこの洋服屋さんのような知性がなかったのか,あるいは洋服屋さんのように周囲に流されただけだったのか.
そもそも,日本の芸術家や科学者は国際的に一流だが,政治家は外交も内政は昔から三流で,その傾向はこのごろとみに強くなっていくようだ.
空襲の B29 ? の編隊になぜか既視感.
戦後の子供には,洟を垂らしてもらいたい.画面に出てこないシラミを肌で思い出した.
少年 H (と,その妹) の数年間を描いているわけだが,H 君は中学を卒業してもちびのままで声変わりもしない.これを同じ子役がやるのは無理.
どうせなら役者の成長に合わせて,数年かがりで映画を作ったらどうだったんだろう.
マイペースの母親役が伊藤 蘭で,すっぴんのランちゃんはこうなのか,と妙に納得した.