の教材になっている「恐怖の谷」.中学か高校で延原謙訳 新潮文庫で読んだ覚えはあるのだが,内容は覚えていない.他の3長編「緋色の研究」「4つの署名」「バスカヴィル家の犬」に比べると最も印象が薄かったと記憶している.
でもディクスン・カーがこの「恐怖の谷」をドイルの代表作として評価している : 伏線が完璧,手がかりの全てを晒している,だ そうなので,図書館で
アーサー・コナン・ドイル,深町真理子訳.東京創元社 (創元推理文庫 2015/9)
を借りた.裏カバーには新訳決定版とあるが,その後 日暮雅通訳が 2008/1 光文社文庫として出ている.
でもディクスン・カーがこの「恐怖の谷」をドイルの代表作として評価している : 伏線が完璧,手がかりの全てを晒している,だ そうなので,図書館で
アーサー・コナン・ドイル,深町真理子訳.東京創元社 (創元推理文庫 2015/9)
を借りた.裏カバーには新訳決定版とあるが,その後 日暮雅通訳が 2008/1 光文社文庫として出ている.
第1部がホームズとワトソンが活躍する本格もの,第2部は登場人物がほとんど ? 入れ替わってのハードボイルド.どちらにも共通のどんでん返しがある.とくに第2部は冒険小説だろうと思って読み進んでいたので,まんまと騙された.
モリアティ教授が名前だけ,思わせぶりに登場する.
巻末に戸川安宣の解題の他に,北原尚彦の「ホームズ・パロディ / バスティーシュ史概説」.面白いが,この小説とはあまり関係がない.
フランク・ワイルズのカバーイラストではホームズの禿げ上がりぶりがリアル.本文にも1ベージ大のイラストが各所に挿入されている.原本から輸入したと思われるが,画家の名前は見当たらなかった.
「恐怖の...」を読んだ後で,このブログの冒頭でふれた「名作ミステリで...」はこの小説のよい解説でもあったと痛感した.
深町,延原,日暮訳の他,駒月雅子訳の角川版,大久保康雄訳の早川版,阿部知二訳の旧東京創元社版などもある.かって「星の王子さま」の訳文比較が流行ったが,越前先生のガイドに従って同じことをやったらおもしろそう.