病院で朝晩定期的に 看護師さんにやってもらう簡便な血圧測定の原理はコロトコフ法というもの...実際は看護師さんも家庭用と似た電子血圧計を使っていたが,その原理はやはりコロトコフ法である.
上腕にカフ (あるいはマンシェット) と称する腕帯を巻き,そこに空気を送り込んで血管を圧迫し,いったん血液の流れを止める.カフの下に聴診器を差しいれ,聴診しながらカフの圧迫をゆるめていくと,血管音が聴こえる.図は NursePlus の HP より.縦軸はカフ圧力,横軸は血管音の絶対値で,左右 (正負) はないがこのように描くと 包絡線がスワンの体型に似るということらしい.音が聴こえ始める点がスワンの第1点で,このときの圧力を最高血圧とする.音が聴こえなくなる点がスワンの第5点で,このときの圧力を最低血圧とする.
下は看護師さん向けの Youtube 動画.別な動画 https://youtu.be/xjBDiQL3sW0 には圧力と音量だけが示されていた.電子血圧計では聴診器の代わりにマイクロフォンを使うのだろう.
動画を見ただけの感じでは,最高血圧は まぁまぁわかりやすいが,最低血圧は難しそう.そもそもカフ圧力の減少につれ,本当に血管音が聴こえなくなるのだろうか,脈拍は聞き取れないのだろうか.
電子血圧計は信用できないという意見も,これだけの情報からは理解できない.ヒトと違ってスワン第1点第5点の判定に個人差がないところは良さそうだ.スワンカーブが標準的でない対象 (患者) の場合が問題だが,今ではアルゴリズムが確立していれば AI に医師・看護師並みに対処できそう.
ただし指先で測るたぐいの安物の電子血圧計は別物だろう.
実際は心理的生理的要因による血圧自体の揺らぎが,測定法による揺らぎより大きいと思うけれど...
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます