Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

倍音の一致で協和を説明する

2015-03-02 08:15:59 | 新音律


図に弦楽器あるいは管楽器でドを弾いたとき・ソを弾いたときのそれぞれの倍音を上下に並べて示した.純正律では,ソの基本波 (1倍波と言ってもよい) の周波数はドの基本波の周波数の 3/2=1.5 倍である .そこで赤線で囲んだ,ドの3倍音とソの2倍音,ドの 6 倍音とソの 4 倍音,ドの 9 倍音とソの 6 倍音,等は同じ周波数・同じ音になる.このように,同じ高さの低次の倍音を持つ二音は協和する.

ふたつの純音 (単一周波数音) が協和するのは周波数が一致するとき,すなわち同じ高さの音のときだけである,という事実がある.同じ高さの音だけではハーモニーなんか成り立たないじゃないか,と言いたいところだが,とにかくこれを楽音のような合成音に当てはめると倍音同士が一致すれば協和度が高くなるということになる.


ドソの場合をドレミ...シの7音に拡張してみよう.グラフの横軸は倍音の周波数.縦軸はドレミ...の周波数.どちらも「ド」の基本波に対する周波数比で目盛ってある.右側の階名ドレミファ…に対応する分数 9/8, 5/4, 4/3...はこれらの基本波のドの基本波に対する周波数比を分数で書いた.水平方向の等間隔の点列は倍音で,ドレミ...と音が高くなるほど間隔が広がる.ドレミ…それぞれの基音,2倍音,3倍音などを結ぶと,それぞれが固有の傾きを持つ直線になる.

同じ高さの低次の倍音を持つ二つの音は協和する.図でドの倍音と同じ高さの倍音同士を赤線で結んでみると (ドとソの場合は除いた)

- ドの4倍音とファの3倍音は同じだから,ドとファは協和する.
- ドの5倍音とミの4倍音は同じだから,ドとミは協和する.
- ドの5倍音とラの3倍音は同じだから,ドとラは協和する.など.

このように同じ高さになるのは,ドの周波数を1としたとき,ミ,ファ,ソ,ラの周波数はそれぞれ 5/4.4/3.3/2,5/3 であるためであり,逆にこのように簡単な整数比で書ける分数を周波数比として1と2の間に並べたのがドレミ...であると言える.9/8 のレと,15/8 のシを補うと,ドレミファソラシドが揃う.このドレミ..という音階の特徴は協和する音が選べることであり,この図は,ドとソ,ドとファ,ドとミなどが協和することを示しているに他ならない.

この図には他にもいろいろ面白いことが埋まっている.下の図ではレと協和しそうな音,ミと協和する音を示した.よく見るとレの 3/6/9 倍音とラの 2/4/6 倍音を結んだ点線はやや傾いている,すなわち高さが微妙に異なる.純正律ではレとラの組み合わせは「ウルフ」と呼ばれ,協和しない.ただし,平均律では不協和度はあまり目立たない.その他にも例えば3つの音の協和,すなわち和音を考えてると,次のことが言える.



- ドとミ,ドとファは協和するが,ミとファは協和しない.ドミファは協和しない.
- ミとソは協和する.ドとソも協和するから,ドミソは協和する.
- ドの 5(10) 倍波・ミの 4(8) 倍波・ラ 3(6) 倍波は同じ高さだから,ドミラは協和する.など.

ピアノの調律の本で見たグラフの紹介でした. ただし整理が悪く出典不明.ご存知の方は教えてください.

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