Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

セロニアス・モンクのベムシャ・スイング

2013-01-20 09:02:07 | 新音律
オクターブには 12 の半音がある.音の間隔が低い方から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」となるように拾って作ると,ドレミファソラシドの長音階になる.

合計して 6 全音になるなら,どう音を選んでもオクターブに収まる音階ができる.たとえば
「全音・全音・全音・全音・全音・全音」とすれば全音音階.ドビュッシーはガムランに影響されたそうで,この音階を用いて作曲している.
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/0c7cc88cc261db4f2273b4f6de9de45f
ただし,この全音音階は,言い換えれば6音平均律だが,ガムランはふつう 5 音平均律である.

「全音+半音・全音+半音・全音+半音・全音+半音」とするとオクターブに 4 音しかない音階ができる.こんなもので曲ができるのかと思ったら,作ってしまった人がいた.今度の電子書籍に収録の予定.

もっと複雑な分け方では「全音・半音・全音・半音・全音・半音・全音・半音」の 8 音音階.スクリャービンである !
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/5064/



そこで,この Bemsha Swing だが,Bemsha って何 ? とアメリカ人に聞いたけど分からないようだった.この曲は AABA 形式だが,A 部のキー C が B 部では F に移調されただけで,B 部でも音階はおなじ,「全音?・全音・半音・全音・半音・全音・全音」という音階である.4小節目,A 部の終り直前にちょっと現れる B(シ) は経過音あるいはテンションとしておこう.

これに近いのが,上の図の Phrygian Dominant Scale だが,2番目の Db という音を使わないので,スペイン的な色彩がない.

ドビュッシー,スクリャービン,モンクの音階を眺めると,全音と半音の作るパターンにどれもある種の対称性・規則性がある.これに反し,長音階は規則性が低い.音楽は規則だけでは一般性を持てない?



この動画では Bemsha Swing のテーマは3分半あたりで現れる.演奏は,ことさら上記音階を意識しているわけではない.

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