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ホッキョクグマと地球温暖化

2022-09-11 08:57:59 | エトセト等
地球温暖化がホッキョクグマ (シロクマ) の生存を脅かしているという見方が有力らしい.WWF World Wide Fund for Nature の HP から抜粋すると

*****ホッキョクグマの獲物はアザラシ。狩りをするのは海に浮かぶ氷の上です。しかし温暖化によって、北極圏の氷が解けだす時期が早まっています。狩りができる期間が短くなり、栄養不足に苦しむクマが年々増えているのです。

現在のペースで温暖化が進むと、ホッキョクグマの生存に適した夏の海氷面積は、21世紀中頃までに急激に消失し減少する可能性が。またその頃までには、ホッキョクグマの個体数は1/3減少する、と予測する科学者もいます。*****

ところで,
先日の拙ブログFacebook に転送したところ,「『地球温暖化は嘘だ.シロクマは増えている』という説もある」というコメントをいただいた.

下に挙げた図の上の方のグラフは,国際環境経済研究所の HP,スーザン・J・クロックフォード「ホッキョクグマの現状 2021」
https://ieei.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/StateofPolarBears-2021_Japanese.pdf 
から転載したものである.たしかにホッキョクグマは増えている.
本文には「氷のない季節を生き延びるのが難しいことを示唆するような,クマ の広範な範囲における飢餓・共食い行為・溺死などの報告はなかった.」ともある.


ただし「シロクマが増えているから温暖化は嘘だ」は嘘で,下のグラフに見るように温暖化により海氷面積も大きく減少している.夏に消滅するのは時間の問題に見える.

クロックフォードは「無氷期の長期化と海氷の減少により,北極圏の生態系の一次生産性が増加し続けていることが示されている.これは ホッキョクグマの繁殖に大きく貢献するものである.」と言っている.
一次生産性の増加とは,餌が増えたと言うことなんだろう.温暖化でクマの餌であるアザラシも増えているそうだ.またクマの獲物には柔軟性があり,トナカイ,クジラ,セイウチなども食べている.いまのところ,人とクマとのトラブルが増加したとは言えないようだ.

クマの生態を熟知していないと,レポートを読んでよく解らない部分が大きいが,要するにクマ (その他の動物) の生態が温暖化に適応して変化しつつある,ということらしい.
ぼくなりに一般化し拡張解釈すると,「種」は絶滅するかわりに温暖化に適応する.その結果 地球の生物相は大きく さまがわりするだろうと言うことになる.

同じ著者による「ホッキョクグマはだいじょうぶ 心配しなくていい20の理由 (更新版)」のほうが,データは古いがわかりやすい.
国際環境経済研究所による翻訳はありがたいが,原文にはトップ画像のような写真が多数.

これに対し,ホッキョクグマはいずれ絶滅するとし,それまでの年数を計算した論文もあるが,読むだけの金力・気力がない.
Molnár, P.K., Bitz, C.M., Holland, M.M. et al. Fasting season length sets temporal limits for global polar bear persistence.Nat. Clim. Chang. 10, 732–738 (2020). https://doi.org/10.1038/s41558-020-0818-9

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